広瀬すず【なつぞら】ネタバレ。7月~9月の物語後半分。

第100作目となる朝ドラ「なつぞら」

広瀬すず主演の今作は、戦争を機に両親を亡くし、兄妹とも別れ離れとなってしまった少女が主人公です。

身寄りのなくなった主人公・なつは、父親の戦友だった、北海道の酪農家の婿養子に引き取られ、牧場を手伝いながら高校を卒業し、漫画家を目指すというストーリー。

そんな朝ドラ「なつぞら」の7月から9月(第25週)までの週ごとのあらすじを、ネタバレでご紹介します。

後半分(2019年7月~9月)ネタバレ

第14週「なつよ、十勝さ戻って来い」 79~84話 7月1日(月)〜7月6日(土)

1959年5月。東洋動画に入社してからおよそ3年。漫画映画で動画を書き実力をつけていたなつ(広瀬すず)は、仲 努(井浦新)と井戸原昇(小手伸也)から呼び出され、下山克己 (川島明)、麻子(貫地谷しほり)、坂場一久(中川大志)というメンバーを中心に、短編映画の製作をすることになる。しかも、麻子とともに「原画」に抜擢されるという名誉なことだった。早速その題材を決めようとしてた最中、行方不明になってたい妹・千遥(清原果耶)が柴田牧場に来ていると富士子(松嶋菜々子)から連絡が来る。一抹の不安を感じながら咲太郎(岡田将生)とともに急遽里帰りしたなつだったが、すでに千遥は柴田牧場を後にし、直接顔を合わせた再会をすることは叶わなかった。
千遥は、その理由を手紙で伝える。
千遥は五歳で置屋に売られ、置屋の女将の娘として立派に育てられ、十八歳になった今、結婚が決まったという。嫁ぎ先が立派な家柄なため、自分が戦災孤児だということを明らかにすることはできず、実の家族とは縁を切らなければならない。婚約を機に、養母・光山なほ子(原日出子)から柴田牧場の住所を教えられた千遥は、姉が幸せに暮らしていたら永遠に会わないという決心のもと柴田牧場を訪れたという。そこで柴田牧場の人々の暖かさに触れ、まるで姉の抱かれているような幸せな経験をした千遥は、なつと咲太郎が柴田牧場に着いたその日に「会ってしまったら別れられなくなる」と思い、一人逃げ出したのだった。
その手紙の最後には、千遥が描いたなつと咲太郎の似顔絵が描かれていた。
その後、山田天陽(吉沢亮)のもとを訪れ、靖枝(大原櫻子)と結婚した後も幸せに暮らしていることを知り、安心しながらも寂しさが募るなつ。そんな中、北海道大学に通うため一人暮らしをしていた夕見子(福地桃子)が柴田家に帰ってくる。

第15週「なつよ、ワクワクが止まらない 」85~90話 7月8日(月)〜7月13日(土)

夕見子(福地桃子)から助言を受け、「ヘンゼルとグレーテル」を短編漫画映画の題材に提案したなつ(広瀬すず)。なつの案はすぐさま採用され、アニメーターが企画から脚本、作画全てに関わるという坂場一久(中川大志)の主導する制作方法で、なつが初めて「原画」として関わる短編映画の製作は進められていく。1959年の4月に入ったばかりで同期トップの成績で動画に配属された神地航也(染谷将太)の活躍がありながらも、これまでのやり方と大きく違うことに戸惑う麻子(貫地谷しほり)だったが、なつと坂場によって生み出された結末から絵コンテが完成する頃にはチームメンバー全員が納得のいくような作品になっていた。こうして、なつと麻子が原画を、三村茜 (渡辺麻友)と堀内幸正(田村健太郎)が動画を、坂場が脚本を、そして新人の神地が原画、動画、絵コンテなど幅広く担当し、残すところはアニメーションを作る段階となり、これまでにない才能溢れる作品が出来上がろうとしていた。
その頃咲太郎(岡田将生)は声優事務所を設立し、豊富遊声(山寺宏一)を主演の吹き替えに迎えた外国テレビ映画の仕事をする。レミ子(藤本沙紀)や蘭子(鈴木杏樹)が大きく活躍する中、北海道訛りを直せなかった雪次郎(山田裕貴)は、遊声に役を奪われるという結果に終わり、不甲斐ない結果にショックを受けていた。
そんな中、突如夕見子が北海道から学生運動に参加するため上京。なつたち東洋動画の短編映画製作メンバーの決起集会に、亜矢美(山口智子)夕見子や雪次郎、煙カスミ(戸田恵子)なども参加し、皆で踊りを踊って青春を楽しんでいた。

第16週「なつよ、恋の季節が来た」91~96話 7月15日(月)〜7月20日(土)

しがらみから抜け出すため、高山昭治(須藤蓮)と駆け落ちをしたという夕見子(福地桃子)。家族には話すなと言われながらも、なつ(広瀬すず)は、夕見子のことを全て富士子(松嶋菜々子)に話してしまう。高山の親が高山に連絡したことから、東京から離れようとする夕見子をなつは引き止める。夕見子を迎えに来た泰樹(草刈正雄)は、夕見子を罵倒する高山に拳を食らわし、夕見子とともに剛男(藤木直人)たちが心配する「柴田牧場」へ戻っていく。
その泰樹の後ろ姿を見送っていたなつは、坂場一久(中川大志)に指摘されていた「木の怪物の樹齢を感じさせる歩き方」のアイデアを思いつき、採用され完成が近く。漫画映画に可能性を見出し、新しい感性で「ヘンゼルとグレーテル」を演出する坂場に麻子も信頼を置いていたが、坂場は、仲 努(井浦新)や、井戸原昇(小手伸也)たちの考えは古いと意見し、上層部との間に軋轢のタネが巻かれていた。
こうして女性アニメーター二人を原画に立てた初の短編映画「ヘンゼルとグレーテル」はアフレコも無事終わり、完成となる。
そんな「ヘンゼルとグレーテル」の制作チームがピクニックに行った日、麻子は皆に結婚することになったと伝える。「ヘンゼルとグレーテル」を完成させれば、彼と別れる決心がつくかもしれないと考えていた麻子だったが、結婚して自分を振り返ることこそが今ふさわしいことだと感じたという。
なつは、ずっと目標としてきた麻子の決断に驚きながらも、麻子が再びアニメーターとして戻ってくることを夢見て、これまで以上に素晴らしい作品を作ることを決意するのだった。

第17週 「なつよ、テレビ漫画の幕開けだ」97~102話 7月22日(月)〜7月27日(土)

1963年。なつ(広瀬すず)は原画を担当した初の女性アニメーターとして雑誌に載る。さらになつは、東洋動画が初めてテレビ漫画に進出した作品「百獣の王子サム」に原画として携わることになる。演出に坂場一久(中川大志)、動画に三村茜 (渡辺麻友)、原画・企画に猿渡竜男(新名基浩)というメンバーが組まれたが、なつと坂場の「恋仲」の噂もこれまで以上に騒がれるようになっていた。なつは坂場との関係について「ただの仕事仲間。一緒に生きれたらいいけど、同じ仕事ができていて、同志でいれれば十分」と当時のなつにとっては、一番好きな仕事をすることで十分に満たされていた。
その頃同じように蘭子(鈴木杏樹)との「恋仲」の噂が立っていた雪次郎(山田裕貴)は、新しい舞台「かもめ」で主役に選ばれたことから、周囲の若手俳優たちのボイコットにまで発展してしまう。
こうして1963年秋、雪次郎は蘭子と初めて共演し役者としての「夢」を成し遂げることになった「かもめ」が公演がスタートする。無事に千秋楽を迎えた日、蘭子の家に呼ばれ二人だけでお祝いをした雪次郎は、蘭子に好意を持っていて、これからも蘭子とともに演劇を盛り上げていきたいと告白する。しかし蘭子からは、「実力がないのに大口を叩くな。二度と共演はしない。」と怒られショックを受ける。
しかしそれは蘭子の精一杯の雪次郎への「愛」だった。
蘭子は雪次郎が独立できるほどの実力があり、その実力を生かせるのは蘭子といることではなく新たな環境に行くことだと思っていたからこそ、雪次郎に厳しいことを言い、離れていくように仕向けたのだった。
1963年12月、のちのアニメーターにまでつながる貴重なテレビ漫画「百獣の王子サム」が日曜日の夕方に始まる。
同じ頃、雪次郎は「雪月」に戻っていた。
蘭子の思いを知った後、今後のことについて考えていた雪次郎は、自分が開拓すべきところは、菓子職人としての道だと確信したのだった。
一つの夢を成し遂げた一人の同志の新たな決断を見届けたなつは、蘭子と咲太郎(岡田将生)、亜矢美(山口智子)らとともに1963年のクリスマスを過ごしていた。

第18週「なつよ、どうするプロポーズ」103~108話 7月29日(月)〜8月3日(土)

1964年、大杉満社長(角野卓造)が会長になった年の正月、なつ(広瀬すず)は、亜矢美(山口智子)がかつて愛した男性のことをカスミ(戸田恵子)や藤正親分(辻萬長)たちから教えられる。ある男子学生の才能だけではなく人柄に惹かれ、その男性の書いたレビューで「ムーランルージュ」のスターへと上り詰めた亜矢美。しかし学徒出陣でその男性を失い、さらに「ムーランルージュ」という亜矢美が輝ける場所をも失った過去があったこと、そしてそんなどん底の亜矢美は咲太郎(岡田将生)と出会ったことで再び希望を見出して行ったことを知り、なつは深く感動を覚える。
この年に27歳を迎えるなつは、春に長編映画制作に携わることが決まる。それは、なつとともに坂場一久(中川大志)をテレビ班に送り実績を積ませ、坂場の可能性を誰よりも信じていた仲 努(井浦新)の目論見でもあった。下山克己 (川島明)が作画監督、演出に坂場、原画になつと神地航也(染谷将太)、そして動画に下山と結婚した茜 (渡辺麻友)が参加し、作品タイトルは「神をつかんだ少年クリフ」となる。主要キャラクターの一人キアラのキャラクターデザインを坂場の要求通りに描けず苦しんでいたなつを救ったのは仲だった。当初仲のことを嫌っていた坂場だったが、自分の愚かさに気づき、生意気を言っていたことを謝り、制作は大きく前進することになる。しかし完成は遅れ、制作費も当初の倍まで膨らみ、その上、1966年8月に公開された映画は不入りで、東洋動画以来の最低成績を記録してしまう。アニメーターたちはこれまでにない作品を作れたと満足していたが、坂場は”成功したら結婚してほしい”という約束通り、なつに結婚の取りやめを伝える。しかし自分がなつではなく”なつの才能”を見ていて、心から坂場のことを好きだったなつを傷つけてしまったことに気づいた坂場は、改めてなつにプロポーズし、晴れて二人は結婚することになる。
坂場は当初の予定通り東洋動画に戻ることはなかったが、アニメーターたちからも祝福を持って送り出される。
こうしてなつは「川村屋」などに挨拶に行ったのち、坂場と二人で北海道の柴田牧場へ帰っていく。

第19週「なつよ、開拓者の郷(さと)へ」109~114話 8月5日(月)〜8月10日(土)

1966年春、不安を抱える坂場一久(中川大志)とともに結婚の報告のため柴田牧場へ帰郷したなつ(広瀬すず)。形ばかりの挨拶を終え、無事結婚を受け入れられるが、その頃夕見子(福地桃子)が働く音問別農協では、製品を安くしか買い取らない乳業メーカーに対抗すべく、十勝の酪農家たちによる独自の乳業メーカーを設立しようとしていた。なつの夢でもある泰樹(草刈正雄)のバターをそこで販売することも一つの目標だった。「新しいことをしなければ、牛飼いとしての喜びも感じられない。」そんな思いが、泰樹たちを酪農家を動かしていた。
「雪月」で雪次郎(山田裕貴)や、高校時代の演劇部の顧問倉田隆一(柄本佑)や良子(富田望生)、門倉努(板橋駿谷)夫妻と再会したなつ。
そんな中、夕見子たちの乳業メーカー設立に、国と企業からの横槍が入り、設立の届け出を翌日の午前中までに届出なければならなくなる。
こうして急遽十勝地区の組合長たちとの会議で最終的な設立の合意を得ることになり、なつや正治(戸次重幸)たち十勝の酪農家も会議に参加する。
「経営が失敗するのではないか」という反対意見が出る中、坂場に触発された菊介(音尾琢真)が声をあげたことで反対派をも納得させ、組合長の田辺政人(宇梶剛士)や十勝の酪農家たちは十勝支庁へ工場設置の届け出の提出に向かう。
すでに信哉 (工藤阿須加)たちマスコミも来ていた中、十勝支庁の支庁長、大清水洋(森崎博之)に無事書類を提出し、酪農家たちに手による乳業メーカー設立へ大きな一方を踏み出すことになる。
その後、信哉が、テレビキャスターの道子(三倉茉奈)と結婚していたことを知ったなつに、酪農家たちと行動をともにしていた坂場は、苦労をかけることになるかもしれないけど再び漫画映画を作ることを目指すと決意をなつに伝え、なつもそんな坂場を心から応援する。
なつは静養のために入院した田辺組合長から、新たに設立する乳業メーカーのブランド「たんぽぽバター」のロゴマークをデザインして欲しいと依頼を受ける。ブランド名の由来は、なつが初めて北海道に来た時にたんぽぽを食べたことを剛男(藤木直人)が、田辺組合長に伝えたことがきっかけで、田辺組合長は、なつこそがこのロゴマークを描くのにふさわしいと考えていた。
そんな中、雪次郎に呼ばれ「雪月」へ向かったなつは、そこで雪次郎の考えた新しいお菓子「おバタ餡サンド」の完成とともに、雪次郎が夕見子へプロポーズする現場に立ち会うことになる。”結婚するなら雪次郎しかいない”といつの間にか考えるようになっていたという夕見子は、雪次郎のプロポーズを受け入れ、こうしてなつに続き、夕見子にも突然春がやってくる。
「たんぽぽバター」の設立や夕見子の結婚が、なつの帰郷とともにやってきてたことに、富士子(松嶋菜々子)は、かつてなつが自分の娘になってくれたように”また奇跡を運んできてくれた”となつに感謝の想いを伝える。
”牛の顔にたんぽぽの花”をあしらった「たんぽぽバター」のロゴマークが完成した頃、坂場とともに天陽(吉沢亮)のアトリエを訪れたなつ。改めて自分がいるべき場所にいることを確信したなつは、天国の父と母に感謝の想いを伝えていた。
こうして翌年の1967年の春。なつは、夕見子・雪次郎夫婦と共に柴田牧場で結婚式を挙げていた。そこに千遥(清原果耶)がいて欲しかったと願うなつだったが、感謝と喜びに溢れた結婚式を過ごしていた。

第20週「なつよ、笑って母になれ」 115~120話 8月12日(月)〜8月17日(土)

1967年の春に坂場一久(中川大志)と結婚したなつ(広瀬すず)。それから数ヶ月が経ち、季節は夏、二人は西荻窪に移り住み、坂場が翻訳の仕事と家事をこなし、なつはテレビ班でテレビ漫画「魔法少女アニー」の原画を担当していた。
そんな中、妊娠していた下山茜 (渡辺麻友)のお腹も大きくなり始めていたが、働く女性たちは”仕事を続けながら子育てをする”という道に希望を見出せずにいた。
その頃光子(比嘉愛未)との交際を知る野上健也(近藤芳正)から、マダムと”けじめ”とつけるべきだと言われた咲太郎(岡田将生)は、ついに光子との結婚を決意する。さらに光子は結婚を機に「川村屋」の第一線から退き咲太郎の声優事務所を手伝うため、「川村屋」の次期社長に野上を指名する。
その後、なつの誕生日である8月15日に誕生会&結婚祝いを、立ち退きの迫る「風車」で行い、茂木一貞(リリー・フランキー)や藤田正士(辻萬長)らも駆けつける。咲太郎を育て上げたことをなつたちに感謝され、いつものように明るく振る舞っていた亜矢美(山口智子)だったが、数日後、突如新宿から姿を消してしまう。それは、咲太郎のことに好意を抱いていた亜矢美が、二人の結婚に”嫉妬しないため”にとった精一杯の行動だった。こうして亜矢美は、なつと咲太郎たちと別れ、ひとり新たな生活を開拓しようとしていた。
その後、出産間近となった茜は、「産休後は契約社員となる」と社長の山川周三郎(古屋隆太)に言われ、失望した茜は、出産後は東洋動画を退職し子育てに専念することを決め、その秋に娘を出産する。
さらに程なくしてなつも妊娠三ヶ月であることが判明。
子育てと仕事の両立が難しいと思っていたなつだったが、夫である坂場はなつの開拓者精神を信じ、仕事も子育ても自分のやりたいようにやればいいとなつを強く励ます。
こうしてなつは、神地航也(染谷将太)や、仲 努(井浦新)と、アニメーター達の協力を得て社長を説得し、出産後もこれまで通り社員として働くことを許され、さらに、テレビ班初の女性作画監督として抜擢されることになる。
こうしてなつは、激務が待ち受けるなか、母そしてアニメーターとして、のちの女性アニメーターにつながる可能性のある、誰も歩いたことのない道を「開拓」することになる。

第21週「なつよ、新しい命を迎えよ」121~126話 8月19日(月)〜8月24日(土)

1967年晩秋。北海道や「風車プロダクション」などに子を宿したことを連絡していたなつ(広瀬すず)。東洋動画との話し合いにも折り合いがつき、なつが望んでいた通り産休後も同じ条件で働けること、さらに、作画監督をやる覚悟をしていることを坂場一久(中川大志)に伝えたなつ。わずかながら不安を抱くなつに坂場は”二人でなんとか乗り切ろう!”となつを励ます。
そのころ下山克己 (川島明)から麻子(貫地谷しほり)がイタリアから日本に戻り、しかもアニメーションに復帰していると聞いたなつと坂場。そんな二人のところにやってきた麻子は、演出家として新しい会社「マコプロダクション」で一緒に仕事をしようと坂場を誘う。坂場となつは、それぞれに考えた末に、娘が一歳になったら保育園に預け、二人とも仕事に就けるようにと目標を立てるようになる。
こうしてなつは、産休に入る最後の日、後輩を指導し、アニメーターは”子供の想像力と戦っている”と仕事への想いを伝える。
産休に入ったなつは、1歳から預けられる保育園の相談のため福祉事務所に向かうが、子供を犠牲にしていいのか?と改て現実を突きつけられ、ふさぎこんでしまう。その夜、お腹の痛みを訴えるなつにパニックになる坂場。病院に行こうとしていた翌朝、二人の元に 剛男(藤木直人)、富士子(松嶋菜々子)、泰樹(草刈正雄)の三人がやってくる。このころ北海道は、夕見子(福地桃子)と雪次郎(山田裕貴)の間に子が宿り、照男(清原翔)と砂良(北乃きい)の間にも第二子誕生の知らせが届いていた。その後富士子たちがいる間になつは、産婦人科医・高橋秀子(田中裕子)の力添えもあり、無事女の子を出産しなつと坂場の娘は泰樹によって「優」と命名される。富士子のように逞しくなることが目標だから、これ以上甘えられないというなつの思いを知り、富士子は、およそひと月滞在した東京を離れ北海道へ戻る。 
こうしてあっという間に産後の六週間が過ぎ、東洋動画へ復帰したなつ。体力を戻すということから、新作の作画監督ではなく、再び「魔法少女アニー」の原画を担当することになる。しかし仕事中、優のことが忘れられず、これこそが”何よりの敵”だとなつは気づく。坂場もまた、麻子に連絡を取り、再びアニメを作れることを希望に子育てに励んでいた。
寝不足や娘の病の心配などの”敵”も多くいたが、仕事への情熱や娘のいとおしさや成長を知る喜びなどを”味方”として、子育てと仕事に励みあっという間に一年近くが経っていた。
そんな中、再び福祉事務所を訪れたなつは、以前の事務員・村川(田中真弓)の協力を受けて、いくつかの保育園に応募することができた。しかし、優が一歳を迎える1969年春、応募した保育園全部に落選したと通知が来る。

第22週 「なつよ、優しいわが子よ」127~132話 8月26日(月)〜8月31日(土)

作画監督としてテレビ漫画「キックジャガー」の製作に携わる事を決意したなつ(広瀬すず)。1歳になる優の預け先が決まらずに悩んでいた中、茜 (渡辺麻友)、 下山克己 (川島明)夫妻の協力を得て1969年の4月から優の育児をしてもらうことになる。同時に夫の坂場一久(中川大志)は「マコプロダクション」でアニメ界に復帰。こうして初の女性作画監督と子育てを両立させるというなつの人生の開拓が始まる。幾度も不安を心配を乗りこえ成長していくなつ。
1972年になり、優(増田光桜)は4歳を迎え、保育園にも通い始める。そんなある日、優はなつが持ち帰った原画に落書きをしてしまうが、それは仕事が大変ななつを見て、手伝ってあげたいという気持ちからだった。この頃、大ヒットを記録していた「キックジャガー」にも最終回が近づき、なつは、優の言葉をヒントに、感動的な最終回を描き出し、大成功のうちに初の作画監督作品を終える。その頃、茜のお腹には二人目が身ごもっており、出産予定までには、優の新しい預け先を探すことになるなつたち。この頃、東洋動画にはトレースマシンが導入されたこともあり、新たな活躍の場を求めて、仕上課の森田桃代(伊原六花)が、「マコプロダクション」に移籍する事を知ったなつ。もっと優との時間を取りたいとも考えていたなつに、東洋動画の新テレビアニメ「魔界の番長」の作画監督の話が浮上する。暴力ものを描きたくないとも考えていたなつは、その誘いに悩むが、仲 努(井浦新)の後押しもあり、再び作画監督の仕事を決意する。
咲太郎(岡田将生)や光子(比嘉愛未)に優の世話をしてもらったりと、周囲の人たちの愛を一身に受けて育つ優。なつは、そんな優を見てかつての自分を重ねていた。
こうして1973年になり優が5歳を迎えた頃、「たんぽぽ牛乳」の東京での販路を作るために夕見子(福地桃子)が上京する。山田天陽(吉沢亮)が病にかかって入院していることなど、北海道の様子を聞いていたなつは、「馬の乗りたい」という優とともに、夏休みの8月15日頃には北海道へ里帰りして皆と再会したいと考えていた。しかし、天陽の病態は、思いの外悪化しているようでもあった。

第23週「なつよ、天陽くんにさよならを」 133~138話 9月2日(月)〜9月7日(土)

1973年夏。なつ(広瀬すず)が作画監督として手がける2作目の作品「魔界の番長」の放送が始まる。同じ頃、神地航也(染谷将太)は東洋動画での限界を感じ「マコプロ」への移籍を決意。なつが夫の*から「大草原の小さな家」をもとに作品を作りたいので、マコプロで一緒にやろうと誘われていた頃、北海道では*が体調を崩して入退院を繰り返していた。
馬に乗りたいと言う優(増田光桜)との約束を果たせずにた8月の終わり、天陽(吉沢亮)が息を引き取ったと連絡が入る。9月に入り優と十勝に戻ったなつは、十勝の人々に触れ、亡き天陽と対話する中で、忘れかけていたものを取り戻していた。天陽が生前に「雪月」のためにデザインした包装紙の図案を見てインスピレーションを受けたなつは、そのイメージを重ね「大草原の小さな家」の世界観をノートに描く。その絵を見て目を輝かせる優を見て、なつの中の迷いは一気に吹き飛んでいた。自分がやるべきことはアニメーションだと改めて気づいたなつは、東洋動画をやめてマコプロで「大草原の小さな家」のテレビアニメを製作すると決意する。それは、どこかで見てるかもしれない妹・千遥(清原果耶)のためでもあった。こうして1974年3月まで東洋動画で「魔界の番長」を手がけたなつは、その後、マコプロダクションへ移籍し、新たな環境で新たな開拓の道を歩み始めていた。

第24週「なつよ、この十勝をアニメに」139~144話 9月9日(月)〜9月14日(土)

東洋動画を退社し、温かな心で送り出され、幸せを噛み締めていたなつ(広瀬すず)。こうして迎えた「マコプロ」での初日、作画監督として手がける作品は「大草原の少女ソラ」となり、大正から昭和の北海道を舞台に描くことが決まる。社長が開拓者という縁から、日曜日のアニメ枠「ミルコス漫画劇場」での放送も決まり、期待の大きな作品でもあった。美術には、東洋動画を退職した陽平(犬飼貴丈)が参加し、なつたちは開拓者の取材を兼ねて十勝柴田牧場へロケハンに行くことになる。
開拓一世の泰樹(草刈正雄)やとよ(高畑淳子)に取材するなかで、*泰樹が両親を失って農家の養子だということが明かされる。なつと泰樹は全く同じ境遇だという事実に、感慨深いものを感じていたアニメーターたちは、開拓者が切り開いたからこそ見えている今の十勝の景色に感動を覚え、十勝の取材で大きく刺激を得ていた。
帰京したなつと坂場一久(中川大志)、優(増田光桜)の三人は、その足で「風車プロダクション」へ立ち寄り「雪月」で亜矢美(山口智子)と再会した事を咲太郎(岡田将生)に伝える。
亜矢美は、日本を南から縦断し新宿に戻り一旗上げる事を夢見てお金を貯めている最中だという。「必ず戻る」というその知らせを聞いてずっと心配していた咲太郎も喜ぶ。
主人公ソラのデザインに悩んでいたなつは、下山克己 (川島明)が十勝でスケッチした優の姿を見て、東洋動画時代では描くことのできなかった感覚を思い出す。こうしてたくましさと可愛らしさを併せ持った主人公ソラが完成する。
その頃、上司と部下の関係として東京で仕事をしていた佐々岡信哉 (工藤阿須加)と、柴田明美(鳴海唯)が坂場家を訪れる。製作中のアニメの内容を知った明美は、きっと千遥(清原果耶)にも届くはずだと期待する。
「大草原の少女ソラ」では、なつの実体験をそのまま描きたいという坂場。なつとともに二人で作り上げた絵コンテが完成し、新たにスタッフを迎え本格的に作画作業が始まる。その後、坂場の発案で声優を決めるオーディションを開いた「マコプロ」。それぞれ配役が決定し、主題歌に煙カスミ(戸田恵子)が起用されることになる。それは麻子と坂場が話し合っているときにカスミの歌を思い出したことがきっかけだった。
その後も作業は放送まで連日連夜、休みなく続いていたが、「マコプロ」のアニメーターたちはアイデアとワクワクで乗り越えていた。
こうして1974年10月「大草原の少女ソラ」は初回放送を迎える。
しかし期待とは裏腹に視聴率は低く、ひと月経つ頃には打ち切りが囁かれていた。そんな中アニメの視聴者からの、好意的なハガキが大量に届くようになり希望が見えてくる。
そんなある日曜日、一人の少女・杉山千夏(粟野咲莉)がマコプロを訪れる。
その様子を見ていたなつは、その母親が千遥(清原果耶)だと感じとり、少女の後を追うとそこには千遥の姿があった。
こうして二人は、幼少期に孤児院で別れて以来、初めて対面することになる…。

第25週「なつよ、千遥よ、咲太郎よ」145~150話 9月16日(月)〜9月21日(土)

およそ30年ぶりに再会したなつ(広瀬すず)と千遥(清原果耶)の血の繋がった姉妹。未だ過去のことは隠したままの千遥だったが、神楽坂の料理屋で働いているので食事に来てもいいという。
さっそく千遥が女将として切り盛りしている料理屋「杉の子」を訪れたなつと、咲太郎(岡田将生)、柴田明美(鳴海唯)、佐々岡信哉 (工藤阿須加)たち。そこでなつは、千遥が作った天丼を食べて、父(内村光良)が作っていた天丼の出汁とタレは、なつたちの母(戸田菜穂)が作っていたことを思い出す。全ての素性を明かせない千遥となつたちだったが、なつは帰り際に父の手紙を渡し、一人になり手紙を読んだ千遥は父の思いを知り涙する。その後やってきた「大草原の少女ソラ」の放送日、なつはようやく家族皆の時間がつながったと実感していた。
この頃千遥は、ほとんど家に戻らない夫・清二(渡辺大)と離婚することを決意しており、そのことをなつに伝える。
なつたちは「杉乃屋」の女将で、千遥に料理を教えた親方の妻である雅子(浅茅陽子)と、その息子で夫である清二と、千遥との話し合いに同席する。話し合いの結果、離婚することが正式に決まり、さらに、雅子の意向で千遥は今まで通り「杉の子」の味を守り続けることになる。それは、なつや咲太郎たちが本当の家族として、千遥と一緒に生活できることを意味していた。
千遥が離婚すると知って心配になり上京した剛男(藤木直人)は、なつの娘の優(増田光桜)が小学校に上がってから世話をしてくれる人がいないことを知る。その話を聞いた泰樹(草刈正雄)は、手の空いていた富士子(松嶋菜々子)になつを助けに行くように勧める。
こうして1975年の春頃までに富士子が上京する。
この頃、91歳を迎えていた泰樹は、牧場の仕事から完全に退き、照男(清原翔)たちの思い通りになるように牧場の経営を任せたりと、自らの死期を悟ったかのような穏やかの日々を過ごしていた…。

第26週(最終)「なつよ、あっぱれ十勝晴れ」 151~156話 9月23日(月)〜9月28日(土)

坂場優(増田光桜)は1975年4月に小学校へ入学。佳境を迎えた「大草原の少女ソラ」を手がけるなつ(広瀬すず)夫妻は、未だ多忙の日々を過ごしていた。締め切りギリギリという毎日の中、原稿が水浸しになり絶望的な状況に追い込まれるも、なつは「実力が上がっているみんななら絶対に乗り越えられる。待っている人のために頑張りましょう!」と「マコプロ」のアニメーターたちを鼓舞する。こうして最終回を迎えた「ソラ」は大成功のうちに幕を閉じ、スポンサーの社長・松武博(大泉洋)からも次回作の依頼を受ける。その後、おでん屋を再開するために東京に戻った亜矢美(山口智子)との再会を喜んだなつは、約束通り、千遥(清原果耶)親子とともに1975年の夏休みに十勝に帰郷する。
そんな中、柴田牧場を襲った嵐は、電気設備をダウンさせ、電気で動いていたミルカーが使えなくなってしまう。手で絞らなくても大丈夫だと判断した照男(清原翔)だったが、牛の鳴き声を聞いた泰樹(草刈正雄)、今すぐ絞るように指示し一家総出で搾乳作業にあたる。牛乳の保存設備も使えないため稼ぎは減ってしまうも、牛の病気のリスクを回避することができた照男たち。泰樹は「何よりも牛と生きることを大切にしろ。」と照男を導く。その翌日、なつは泰樹とともに、同じく嵐の被害にあった天陽(吉沢亮)の畑に向かい、靖枝(大原櫻子)とともにジャガイモの収穫作業を手伝う。そこで泰樹は、アニメーターとしてよく東京を耕したとなつに労いの言葉をかけ、さらに「なつの心には自分の魂が宿っているから大丈夫だ」と励ますのだった。
照男夫妻は、嵐を機に自分たちの開拓を決意し、麻子(貫地谷しほり)の「マコプロダクション」では次回作の企画が決まりつつあり、咲太郎(岡田将生)の「風車プロダクション」にも次の仕事が入り順調に発展し続けていた。
なつは十勝に戻ったことで改めて、これまでと同じように様々な困難を乗り越えながらも、自分たちの開拓を続けたいという思いを強くしていた。夫の坂場一久(中川大志)も思いを同じくし、いつかなつたち三兄姉妹のことをアニメ映画にしたいと構想を得ていた。
過去のしがらみから解放された妹・千遥との再会を機に、帰郷したなつは、改めて、十勝の大地で開拓者たちの魂の真髄に触れていた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)