アニメ「昭和元禄落語心中」二期の第一話と第二話でかかった根多と、端唄などをまとめます。
原作コミックで登場したものは(コミック第〇巻)と但し書き。その他はアニメで初登場。
- アニメ第一話。与太郎の真打お披露目興行で八代目有楽亭八雲(菊比古)が披露した「つるつる」@雨竹亭
- アニメ第一話。端唄「奴さん」三代目有楽亭助六@柳しま
- アニメ第一話。与太が寄席でかけていた演目「なめる」@雨竹亭
- アニメ第二話。大雨の中、アニさんとの「二人会」で与太郎がかけて半裸になり大失態を犯した「錦の袈裟」&「かっぽれ」@二人会 区民ホール
- アニメ第二話。客席でケンカがおこるなか寄せ出かけた「黄金餅」@雨竹亭
- アニメ第二話、八雲に稽古してもらっていた「鮑のし」@八雲宅
- アニメ第二話、寝ながら泣く小夏に八雲が聞かせた「あくび指南」*小夏の子守唄代わり@八雲宅
- アニメ第二話、アニさんが三代目助六(与太郎)との「二人会」でかけた「笠碁」@二人会 区民ホール
- アニメ第二話、稽古していたが信之助に邪魔されてやめた「柳の雨」@八雲宅
- アニメ「昭和元禄落語心中-助六再び篇-」のブルーレイ&DVD 2017年6月7日発売!
- アニメ「昭和元禄落語心中」を見たあとは、落語を見に行こう!
アニメ第一話。与太郎の真打お披露目興行で八代目有楽亭八雲(菊比古)が披露した「つるつる」@雨竹亭
(コミック第五巻其の二)
あらすじ
幇間の一八(いっぱち)が芸者小梅を口説くと 「今夜二時に忍んで来て」と色好い返事だが、その日の客が一八をなかなか帰してくれない。
文楽演出バージョンの「つるつる」に登場する、旦那さん通称「樋ィさん」は実在の人物で、本名が樋口由恵といい、「昭和元禄落語心中」の樋口栄助先生のモデルの可能性も。
こちらには、その樋口由恵のお孫さんからコメントが書き込まれています。
場面
三代目有楽亭助六(与太郎)の真打お披露目興行で、八代目八雲(菊さん)がかけた。
立川談志や桂文楽の十八番として有名だそうですね。個人的には、志ん生が好きなのでこちらをご紹介。
アニメ第一話。原作コミック第五巻「助六再び篇」其ノ二。
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アニメ第一話。端唄「奴さん」三代目有楽亭助六@柳しま
(コミック第五巻其の二)
あらすじ
奴さんは、大名行列などで、槍や箱を担ぐ髭面の男性のことで、和凧に描かれているものが「奴さん」今で言えば社長や重役のカバン持ちのような人。そのような、職業の人の悲哀を歌ったもの。
「サテ、お供はつらいネ」というのが、決めゼリフ。
人に代わって願掛けや、水垢離(みずごり)をするところから、”願人坊主”と呼ばれた僧が、街頭で囃して最後に「♪エ~ ヤッコさんどちら行く・・・」とお定りの様に唄った。
それが寄席や花柳界に広まって、独立。大衆に大いにウケ、端唄(俗曲)と言えば、”奴さん”と思われるほどになった。
場面
料亭「柳しま」にて、三代目有楽亭助六(与太)が樋口に披露する。アニメ第一話。原作コミック第五巻「助六再び篇」其ノ二。
アニメ第一話。与太が寄席でかけていた演目「なめる」@雨竹亭
(第五巻助六再び篇其の一)
あらすじ
評判の芝居を観に行ったある男。そこで偶然であったお嬢さんに頼まれた”あること”をしたら思いもやらぬ事態に・・・舐めるのはもう懲り懲り?
アニメで与太郎が面白おかしく叫んでいる「おとわや〜(音羽屋)」とは、歌舞伎役者の屋号のこと。音羽屋の初代は尾上菊五郎というが、その父の生まれが東山の清水寺付近で、境内の「音羽の滝」にちなんで、音羽屋半平と名乗ったことが音羽屋の由来。
出典:http://the-plusone.com/kiyomizudera-otowanotaki-rennai-1049
場面
「雨竹亭」で与太郎(三代目助六)が披露。それを客席で見た作家の樋口栄助が終演後与太郎に声をかけ、二人の出会いとなった。
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アニメ第二話。大雨の中、アニさんとの「二人会」で与太郎がかけて半裸になり大失態を犯した「錦の袈裟」&「かっぽれ」@二人会 区民ホール
(コミック第六巻其の三)
あらすじ
町内の連中が、錦の布を下帯にする趣向で吉原へ繰り込むことになったが、生地が足りず、与太郎は自分の分は「自分で都合を付て来い」と言われ、なんとか和尚から袈裟を借りて吉原に行く。翌朝花魁に「もっと一緒にいましょう」と甘えられる。モテモテの与太郎が見どころ。
上半身裸になって、歌ったのが、端唄の「かっぽれ(活惚れ)」。幕末、上方で流行。大阪の豪商・紀伊国屋文左衛門が江戸にみかんを運んだことをたたえて作られたといいます。
場面
大雨の中、アニさんとの「二人会」で披露。落語評論家のアマケンに「君にはまだ自分の落語がない」と言われ、考えすぎた与太は、お見もよらぬ行動で大失態。第6巻
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アニメ第二話。客席でケンカがおこるなか寄せ出かけた「黄金餅」@雨竹亭
あらすじ(5代目志ん生)
下谷山崎町に暮らす、僧侶・西念(さいねん)
風邪を引いた西念のもとに、お隣さんの金山寺味噌の行商・金兵衛がやってきて「食べたいものはあるか」と聞かれるので、「あんころ餅が食べたい」という。金兵衛は、なけなしの金で大量のあんころ餅を買って西念に送ると西念は人の前でものを食べるのは好きではないと金兵衛を追い出す。
すると西念はお金を餅を一緒に食べて倒れ息絶えてしまう。
その後西念の腹の中のお金を自分のものにしたい金兵衛は、大家に自分が家族代わりになって、弔いたいと願いでる。棺桶ではなく、樽に遺体を入れ、選ばれたメンバーと共に木蓮寺までの運ぶ。
木蓮寺で包丁を盗み、メンバーたちを長屋に戻した金兵衛は、桐ケ谷の火葬場で腹のところだけ生焼けにして遺体を焼却する。その腹の中からとった金銀を元手に、目黒で餅屋を開き、商売は大成功。江戸の名物「黄金餅」として有名になる。
場面
元ヤクザであることが週刊誌にでて世間を騒がせ、真打昇進をしたが、肝心な「てめぇの落語」が見つけられずに焦る与太郎は、席亭さんに心配されるほど調子が悪い様子。そんな中、かけた「黄金餅」の最中に不調をみとった客客と、与太郎をかばう客の喧嘩が始まる始末に・・・
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アニメ第二話、八雲に稽古してもらっていた「鮑のし」@八雲宅
あらすじ
主人公甚兵衛(上方では喜八)が大家に、ご祝儀のアワビを持っていくが、縁起の悪いものだと追い出される。
その事情をしった親分に、入れ知恵された甚兵衛だったが、大家の予想外の質問に戸惑う。
場面
与太郎が八雲に稽古をつけてもらっていたが、女房の下品さを指摘され、八雲に口答えして叱られる。与太郎は「自分の落語」が見つからず悩んでいた。
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アニメ第二話、寝ながら泣く小夏に八雲が聞かせた「あくび指南」*小夏の子守唄代わり@八雲宅
(コミック第六巻其の三)
あらすじ
習い事をするたびに、珍事が起こることから、習い事をしたくないと思っている八五郎。友人の熊五郎から「あくび」の習い事をしてみないか?と誘われ、行ってみることに。その稽古は思いのほか難しく、お稽古の先生から心無いことを言われ、帰ろうと一緒に来ていた熊五郎を叩き起こして帰ろうとすると、寝りから起きるときにしたあくびを先生から褒められる。
場面
稽古していた八雲(菊比古)のもとにやってきた信之助。その信之助を小夏のもとに戻しに行く、と寝ながら泣いている小夏。その小夏に腕を掴まれ布団で寝ながら、小夏が子供の時から子守唄代わりとして聞いている「あくび指南」を八雲が話す。
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アニメ第二話、アニさんが三代目助六(与太郎)との「二人会」でかけた「笠碁」@二人会 区民ホール
(コミック第六巻其の三)
あらすじ
碁の好きな二人のもとにやってくる男。一緒に碁を打ち始めたが、ひょんなことから喧嘩別れ。
数日後雨の日。二人のうちのひとりは喧嘩別れを反省し、店先に碁盤を置いて、相手を待っている。そこへ、古傘をかぶった相手がやってきて、勝負をするが、碁盤が濡れていることに気付き・・・
場面
大雨の中与太郎との「二人会」で落語の先輩のアニさんがかけたが、開演直前、楽屋に来たアマケンと与太郎のやり取りを見た影響でスベりまる。
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アニメ第二話、稽古していたが信之助に邪魔されてやめた「柳の雨」@八雲宅
(コミック第六巻其の三)
歌詞&由来
行く水に 雨はそぼ降る 河岸の灯よ
かさが二つに 人影も
更けて淋しき あの流し「籠で行くのは お吉ぢゃないか
下田港の春の雨
泣けば椿の花が散る」あれ 糸の音も忍び音に
柳は泣いているわいな
端唄「夕暮」の替え歌と、あんこ*に「唐人お吉の唄」が入っているもの。(*途中に別の曲が入っている唄のこと)
夕暮れ時の隅田川を唄った「夕暮」は幕末に流行した曲。「唐人お吉」こと斎藤きちは、1890年に死没した伊豆の芸者。
日本の初代アメリカ総領事が体調を崩し、看護婦を探していたところ、まだ看護婦の概念のなかった当時の日本人は、芸者だったお吉を送ることになる。婚約者のいて、行くことに反対するお吉だったが、徐々に羽振りが良くなると、周囲の人々から嫉妬と侮蔑(当時外国人に身を任せることは恥だという風潮だった)される。
芸者に戻ったお吉だったが、徐々に、酒に手を出し、髪結いや小料理屋を開くがともに廃業。数年間の物乞いの後、稲生沢川門栗ヶ淵に身投げをして自殺。享年50歳。
場面
与太郎の襲名披露興行ののち、体調のすぐれないことから、休みを増やし、家で稽古している。三味線をひきながら「柳の雨」の稽古をしているところに、小夏の息子、信之助がハイハイしてやってきたことから稽古を中断する。
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【出典一覧】
- 落語あらすじ辞典 千字寄席
- 落語一行あらすじ
- 江戸端唄・俗曲
- 端唄あれこれ 「柳の雨」
- https://ja.wikipedia.org
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アニメ「昭和元禄落語心中」を見たあとは、落語を見に行こう!
東京都内の四大寄席
- 浅草演芸ホール 東京都台東区浅草1-43-12 Tel:03-3841-6545
- 池袋演芸場 東京都豊島区西池袋1-23-1 エルクルーセビル2階 Tel:03-3971-4545
- 新宿末広亭 東京都新宿区新宿3-6-12 Tel:03-3351-2974
- 鈴本演芸場 東京都台東区上野2-7-12 Tel:03-3834-5906
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