第100作目となる朝ドラ「なつぞら」
広瀬すず主演の今作は、戦争を機に両親を亡くし、兄妹とも別れ離れとなってしまった少女が主人公です。
身寄りのなくなった主人公・なつは、父親の戦友だった、北海道の酪農家の婿養子に引き取られ、牧場を手伝いながら高校を卒業し、漫画家を目指すというストーリー。
そんな朝ドラ「なつぞら」の各話ごとのあらすじをネタバレでご紹介します。
第67話
千遥と思われた女性は、としの娘の幸子(池間夏海)で人違いだった。なつ(広瀬すず)と咲太郎(岡田将生)は、としの夫、幸一(岡部たかし)が復員した1946年の夏、千遥は家出をしたまま行方不明になっていると教えられる。戦後すぐの厳しい状況の中、非情な性格になってしまい、いつも笑っていた千遥をいじめていたとしのせいで、千遥は咲太郎からの手紙を持ったまま、川谷家から出て行ってしまったのだという。警察にも届け出ててもダメで、なつたちへの連絡先もわからずどうすることもできなくなっていた。
戦後すぐの混乱の中、6歳の子供が一人で生きられるわけがないとなつが希望を失うなか、事情を知った亜矢美(山口智子)や信哉 (工藤阿須加)たちは完全に希望がなくなったわけではないとなつを励ますがなつは「千遥を見捨てたのに幸せに生きてた」と、自分の全てを否定して一人部屋に逃げ込んでしまう。
部屋に入ったなつは、机の上に置かれていた富士子(松嶋菜々子)からの手紙を手に取り読み始める。「なつ、20歳の誕生日おめでとう。東京へ行って一年半だね。仕事には少しは慣れたかい。なつのことだから、きっと夢中で頑張ってるだろうね。二十歳の記念に万年筆を贈ります。父さんと選びました。たまには手紙書いてね。皆喜びます。母より」
妹との再会を喜ぶはずだったなつの20回目の誕生日は、これまでにないほどに悲しみと絶望を味わう時となってしまう。
第68話
生きている理由は自分で作るしかない。となつ(広瀬すず)に言葉をかける亜矢美(山口智子)。千遥はどこかで生きていると信じている、となつに伝える咲太郎(岡田将生)は、これからは千遥のためにもアニメを書けと言葉をかける。「千遥に見て欲しいものを作り、そのために絵を描け。」と。
なつが深い悲しみの中にいたその日、富士子(松嶋菜々子)は夢で子供の頃のなつが一人で泣いている姿を見ていた。なつのことを心配する富士子に剛男(藤木直人)は、「なつはもう子供じゃないから大丈夫だ」と言葉を掛ける。
咲太郎に勇気づけられたなつは、その日もギリギリまで絵を描き、翌日もいつもの通り会社へ向かう。
家を出る前にケーキで誕生日をお祝いされ、亜矢美の手作りのおにぎりを持ち家を出るなつ。
その日、一睡もできずにいた咲太郎は、なつを送り出した後激しく泣き崩れてしまう。
この日は、東洋映画の次回作「わんぱく牛若丸」のキャラクター検討会で、なつは遅刻しながらも千遥のためにアニメーターの道を変わらず開拓する決意をしていた。
第69話
キャラクター検討会で常盤御前を決める際、なつ(広瀬すず)と大沢麻子(貫地谷しほり)の描いた案で議論が起こる。母性を表現したなつの常盤御前と、成り上がりの強さを表現した麻子の常盤御前という、相対するアイデアはともに一面的で一度保留となる。
そんな中、なつの毎日の服装をデッサンしていた下山克己 (川島明)は、初めて同じコーディネートだったなつの異変に気付き話を聞き出そうとする。なつは元警官だった下山に”店の客の話”として、戦後の混乱期に行方不明となった6歳の子供が一人で生きられるかと聞いてみる。下山は、奴隷のように働かされていた一人の娘をクビにされることを覚悟で助けた警官の話をする。いくら世の中で混沌としていても人として当然のことをする人は必ずいる。だから、その子も誰かに助けられてるはずだ、と下山は答える。
「ゆっくりね」となつの肩に手を置いて立ち去っていく下山の言葉に、なつは涙を浮かべ亜矢美(山口智子)が作ったおにぎりを頬張っていた。
作画課で仲 努(井浦新)に呼ばれたなつと麻子。仲は二人の描いた常盤御前をミックスした深みのある常盤御前を書き上げていた。「口に出したことは、自分で責任ととり仕事で結果を出すしかない。じゃないと、本当に認めることは出来ない。それがアニメーターという仕事だ。」
キャラクター検討会で麻子と対立したことを経て、なつはまたひとつアニメーターとして大切なことを学んでいた。
第70話
「風車」から帰路に着こうとしていた信哉 (工藤阿須加)と話をしようと部屋に行こうとしたなつ(広瀬すず)は、店に来ていた書店社長、茂木一貞(リリー・フランキー)からディズニーのアニメーターが描いた本と、英語の辞書をプレゼントされる。
その後、なつは信哉に千遥のことについて話す。
6歳で家出した千遥の生きる力をを信じ、連絡する可能性のある柴田家には、手紙で事情を伝えるが、それ以外の人には言わないで欲しい。と。さらになつは、アニメ映画のポスターに”アニメーター奥原なつ”として名前が載るようになれば、いつか千遥につながることができるかもしれないと希望を抱く。
「千遥が生きていることを、一緒に信じてください。」富士子(松嶋菜々子)は、なつからの手紙を読み、なつの抱えていることに深く思いを馳せ涙を流していた。
こうして迎えた1957年の秋、漫画映画「わんぱく牛若丸」の制作が本格的に始まり、なつは原画の下山克己 (川島明)の下につき下山班に所属することになる。
同じ下山班の大沢麻子(貫地谷しほり)、堀内幸正(田村健太郎)、三村茜 (渡辺麻友)らとともに食事し、それぞれがアニメーターになった経緯を知ったなつ。
こうして、なつたちは、「わんぱく牛若丸」のライブアクションへ参加する。実際の俳優の動きを見てそれを絵にするという手法を取り入れたライブアクションで常盤御前を演じるのは亀山蘭子(鈴木杏樹)で、そんな芝居を始めようとする中、カチンコをやっていた露木重彦(木下ほうか)の助手で新人の坂場一久(中川大志)は、カチンコがうまくできずカメラマンに罵倒され目立っていた…。
第71話
東洋動画 総天然色長編映画第二弾「わんぱく牛若丸」の作画作業が始まり、「みつ穴のタップ」が導入され作業効率も上がり、アニメーター一人一人の机には表情を見るための鏡がつけられてた。
そんな作画作業が佳境に入った頃、なつ(広瀬すず)が描いた動画に、坂場一久(中川大志)が違和感を感じたと相談してくる。
「怖がっているのに、体が仰け反っていない」など感じた違和感を正直に質問する坂場に、なつは一生懸命に説得をする。
演出の露木重彦(木下ほうか)の意見でもあったため、最終的にそのシーンの動画を書き直すことになったなつ。
そもそも東洋動画としての”方向性”が見えない。そう言い残して作画課を後にする坂場だったが、仲 努(井浦新)や井戸原昇(小手伸也)たちも、東洋動画の漫画映画がどこへ向かっているのかと疑問を抱きながらも、その時その時に、自分たちができる新しい表現を見つけていくしかないと感じていた。
プライドの高い絵描きたちを納得させたことに感心する露木。そんな中久々に再会し、一緒に昼食を食べることになったなつと仕上課の桃代(伊原六花)。アニメーションで自分がやりたいことを考えずにいたことを反省するなつは、昼食後、坂場に指摘されたシーンを書き直していた…。
第72話
なつ(広瀬すず)がなんだかわからないことで悩んでいた頃、雪次郎(山田裕貴)は「赤い星座」のオーディションで、”かちのう”演劇部で三年の時の「白蛇伝」を精一杯演じ、オーディションに立ち会っていた咲太郎(岡田将生)や蘭子(鈴木杏樹)たちもその演技に注目していた。
仕事終わりに桃代(伊原六花)とともに「川村屋」へバターカリーを食べに向かったなつは、そこで買ったばかりの洋書を読んでいた坂場一久(中川大志)と遭遇し、桃代の勧めで同席することになる。読んでいた本に、食べていたカレーパンを落としてしまう坂場は、自分は不器用だけれど、絵をかけることは本当に素晴らしことだという。絵が下手なのになぜ、アニメの道を選んだのかという問いに、坂場は「アニメは、大人にも夢を与えることができると思った」と答える。アニメにしかできない表現は何か?というなつの問いに答えていた坂場だったが、なつを呼ぶ光子(比嘉愛未の声に遮られてしまう。
光子曰く、突然、雪次郎から「川村屋」の仕事を辞めて役者として生きていくと言われたのだという。早速雪次郎の元へ向かったなつは、すでに堅く決意している雪次郎に、「それは本当に裏切りになるから!」と家族を説得しなきゃダメだと訴える。自分はなつとは状況が違うから、こうするしかないと訴える雪次郎をなつは、「風車」へ連れていく。「雪次郎くんを役者にはできません!!」咲太郎やカスミ(戸田恵子)、レミ子(藤本沙紀)、亜矢美(山口智子)たちが思い切ったことをした雪次郎を褒める中、なつただ一人が雪次郎に反対していた。