【なつぞら】ネタバレ4月~6月の物語前半分。演劇、漫画映画との出会い。兄との再会、アニメを開拓、突然現れた妹

第100作目となる朝ドラ「なつぞら」

広瀬すず主演の今作は、戦争を機に両親を亡くし、兄妹とも別れ離れとなってしまった少女が主人公です。

身寄りのなくなった主人公・なつは、父親の戦友だった、北海道の酪農家の婿養子に引き取られ、牧場を手伝いながら高校を卒業し、漫画家を目指すというストーリー。

そんな朝ドラ「なつぞら」の4月から6月(第13週)までの週ごとのあらすじを、ネタバレでご紹介します。

前半分(2019年4月~6月)ネタバレ

第1週「なつよ、ここが十勝だ」第1週 1~6話 4月1日(月)〜4月6日(土)

1955年、18歳の奥原なつ(広瀬すず)。いつものように十勝で絵を描いていたなつの元に、かつて空襲を受けて逃げ惑っていたなつの手を掴み助けてくれた佐々岡信哉(工藤阿須加)がやってくる…。
戦争で両親を亡くし兄妹ともバラバラになり、9歳の時に父の戦友・柴田剛男(藤木直人)に引き取られ、十勝の酪農家「柴田牧場」で暮らすことになったなつ(粟野咲莉)。親を亡くした戦災孤児として、兄妹とその日暮らしで生き抜いてきたなつは、柴田家の人たちに認められよう頑張り、柴田泰樹(草刈正雄)には酪農の手ほどきを受け、学校にも通うようになった。生き抜くために必死だった東京での生活が染み付いていたなつは、自分の素直な気持ちを表現できずにいた。
そんな中なつは、兄・咲太郎(渡邉 蒼)に出した手紙が戻ってこないことをきっかけに、ある日の早朝、一人東京を目指し柴田家を飛び出して行ってしまう。

第2週「なつよ、夢の扉を開け」7~12話 4月8日(月)〜4月13日(土)

1946年の5月。どうしても兄に会いたくなり柴田家を突然飛び出してしまった奥原なつ(粟野咲莉)。なつを探し、あとを追い河原でなつを見つけた柴田泰樹(草刈正雄)たち。なつは、自分が抱えていた怒りを吐き出すことで、ここ十勝で生き抜くとを決意していた。その後なつは、泰樹から「世界一のバターを作る」という夢を教えられ、さらに自らの夢となる漫画映画を始めて見ることになる。馬の絵を上手に描くクラスメイトの山田天陽(荒井雄斗)が、開墾を諦め十勝を離れると知ったなつは、泰樹に協力して欲しいと頼み込む。こうして天陽の父・山田正治(戸次重幸)を説得した泰樹の指導のもと、作物が育たずどうしようもできないでいた山田家の土地はジャガイモ畑として生まれ変わっていた。
そして9年の歳月が流れた1955年。この歳、なつ(広瀬すず)は高校三年生になっていた。

第3週「なつよ、これが青春だ」13~18話 4月15(月)~4月20日(土)

1955年、十勝農業高校の三年生になったなつ(広瀬すず)。学校で学んだことを生かし、これまで通り賢く、明るく生きていたなつだったが、地元、音問別の農協へ就職した柴田剛男(藤木直人)と柴田泰樹(草刈正雄)との間では十勝の酪農のあり方について対立がおこっていた。
十勝を酪農王国にするためには、今のやり方を変えるしかないが、これまで多くの苦労を一人で乗り越えてきた泰樹には、そう簡単に受け入れられることでもない。自分が泰樹や剛男の立場だったらどう思うのか?農協や泰樹、剛男たちのそれぞれの思いを知ったなつは、農協と泰樹との問題そのものを題材に演劇として作品を作りたいという演劇部顧問の倉田隆一(柄本佑)に相談の末、自らが女優として舞台に立てと勧められる。
こうして、泰樹からも背中を押されることになったなつは、演劇という「表現」の世界に足を踏み入れる。

第4週「なつよ、女優になれ」19~24話 4月22(月)~4月27日(土)

泰樹(草刈正雄)と農協との牛乳の買取に対する問題について考えているうちに、導かれるように演劇に参加することになっていたなつ(広瀬すず)。「FFJの魂」の元、番長と呼ばれる門倉努(板橋駿谷)や、女子クラスメイトの居村良子(富田望生)が演劇部の一員に加わり、舞台の背景絵を山田天陽(吉沢亮)が書くことになる。当初は泰樹のためにと思って演劇をやっていたなつは、ある時から自分のために演劇に取り組むようになる。舞台上で自分の魂を込めて芝居をする表現のあり方をつかむことができたなつは、この演劇を通して周りの人たちに恩返しがしたいとも考えていた。
その思いを知った富士子(松嶋菜々子)が相談したのは、帯広のお菓子屋「雪月」。小畑妙子(仙道敦子)の発案により、「十勝農業高校」で育てている牛の牛乳を使った「アイスモナカ」を会場で振る舞うことになり、思わぬ形でなつの思いは達成される。演劇コンクールでなつたちの出番が始まる頃、舞台を観に行くはずだった泰樹は、天陽に呼ばれ急遽天陽の牛の病変の世話することになる。泰樹はそこで天陽の家の牛乳を飲み、乳業メーカーが不当な買い取り価格を提示している現状を思い知ることになる。
こうして会場へ駆けつけ、途中からなつたちの舞台「白蛇伝説」を鑑賞した泰樹。そこで描かれていたのは、農協と対立している泰樹そのものだった。その演劇に心動かされた泰樹は、これまでの考えを改め、十勝の酪農の発展を第一に、農協を通して酪農家たちと団結することを決意する。

第5週 「なつよ、お兄ちゃんはどこに? 」 25~30話 4月29(月)~5月4日(土)

「うちの牧場を継いで欲しいと思っている。」天陽(吉沢亮)の家からの帰り、泰樹(草刈正雄)から唐突に告げられ困惑するなつ(広瀬すず)。同い年の夕見子(福地桃子)が大学進学を決めた頃、なつを訪ねて来たのは、なつが戦後、生活をともにしていた佐々岡信哉 (工藤阿須加)だった。なつの無事を確かめにきたという信哉から、なつの兄・咲太郎(岡田将生)が4年前まで新宿にいたと教えられたなつたち。富士子(松嶋菜々子)に誘われたなつは、二人で咲太郎を探しに東京の新宿へ向かう。
このころ咲太郎は、浅草の芝居小屋「浅草六区館」で芸人の手伝いをしており、なつとの数年ぶりの再会に信じられない様子で、なつの長年の願いも叶えられることになる。しかし咲太郎の様子はどこかおかしく、盗品の時計を所持していたことから警察に捕まっていて、なつと待ち合わせの約束に現れることはなかった。
咲太郎は戦後のマーケットでダンサーの岸川亜矢美(山口智子)に拾われ、ムーランルージュ新宿座に出入りしていた。しかし4年前に閉館したムーランに愛着を持ち、再建しようと共同経営の話を持ちかけられるも騙されしまい、10万円の借金を作っていた。そのお金を作るために、自らの師匠が博打で手に入れたという時計を売りお金を作ろうとしたところ捕まってしまったという。
牢に入れられている咲太郎は、なつへの手紙を信哉に託す。その手紙の中で咲太郎は「俺のことは忘れて、北海道で今まで通りに生きろ」となつとの別れを告げるのだった。大きな悲しみにショックを受けるなつだったが、その頃、十勝の柴田牧場では、泰樹が孫の照男(清原翔)になつとの結婚を勧めていた。
「お前、なつと結婚しろ。そしたらなつは正真正銘の柴田家の家族になる。一生この家にいることになるんだ。お前がそうしろ。」それは、なつのことを案ずる泰樹の大きな決断でもあった。

第6週「なつよ、雪原に愛を叫べ」 31~36話 5月6(月)~5月11日(土)

1955年8月。兄・咲太郎(岡田将生)を探しにきた東京で大学に通う天陽(吉沢亮)の兄・陽平(犬飼貴丈)と偶然再会したなつ(広瀬すず)と富士子(松嶋菜々子)。陽平が手伝っているアニメーション会社を訪れたなつはそこでテストを受け、アニメーターの仲 努(井浦新)から、なつにはアニメーターとしての素質があると言われ、これまでにない夢を抱くようになった。
その頃結婚対象としてなつのことを見なければならなくなった照男(清原翔)は、なつに好意を抱く天陽と映画を見てくるように、と、ディズニー映画「ファンタジア」のチケットをなつにプレゼントする。しかし天陽にとっても、なつが本当に望んでいることは分からず、なつへの好きな気持ちを伝えられずにいた。その後スキー大会で照男と約束し、はっきりとなつに気持ちを伝えることになった天陽。しかしなつが天陽の家へ向かう日、泰樹(草刈正雄)は、照男との結婚のことをなつに打ち明けてしまう。
「じいちゃんが自分のことを家族だと思ってくれていない」とショックを受けたなつは、天陽の家に向かう途中、吹雪の中意識を失ってしまう。その後気が付いたなつがいたのは、森に暮らす阿川弥市郎(中原丈雄)と娘の砂良(北乃きい)の家だった。

第7週| 「なつよ、今が決断のとき」37~42話 5月13(月)~5月18日(土)

吹雪の中、天陽(吉沢亮)の家へ向かう雪道で出口のない悩みに意識を失い、森の中で彫刻をして暮らす阿川弥市郎(中原丈雄)と砂良(北乃きい)親子に助けられたなつ(広瀬すず)。そこで一夜を過ごしたなつは、帰路に着いた早朝、そこでみた十勝の風景を前に、東京に行き「アニメーター」になることを強く決心する。
なつは泰樹(草刈正雄)たち家族にその決意を伝えるはずだったが、自分が東京へ行くことは泰樹を裏切ることになるという思いが拭えず、兄を支えたいと言うことを東京行きの理由に泰樹たちに話す。そこで泰樹から勘当されたような言葉を投げられたなつは、感情に任せて家を出ようとするが、富士子(松嶋菜々子)からは一人で悩むなと叱られ、後日、天陽(吉沢亮)からは、なぜ漫画映画をやりたいことを言わないのかと、責められてしまう。
家を出て行けと、なつにつらく当たったことを後悔していた泰樹は、帯広の「雪月」を訪れ、息子を新宿「川村屋」へ修行に出す予定の雪之助(安田顕)に、春になつと一緒に東京へ行って欲しいと頼んでいた。その後、「いつでもここ柴田牧場へ戻ってこい。」と泰樹から東京行きを後押しされたなつは、自分は裏切り者だという思いを抱え「雪月」へ向かっていた。
そこで泰樹と同じ開拓一世のとよ(高畑淳子)から、泰樹に本心を伝えるべきだと背中を押されたなつは、その日の夕食の時、東京行きの目的はアニメーターを目指すためだということを、初めて自分の口から話す。「東京を耕してこい。それでこそわしの孫じゃ。」泰樹からの思いも寄らない言葉に喜んだなつ。それから月日はずぎ、なつは高校の卒業式を迎えていた。卒業の日に立ち寄った天陽の家からの帰り、なつは天陽から本心を打ち明けられる。
「なつのことをここで待つつもりはない。どこにいても、それぞれの「心のキャンバス」に向き合う時、僕たちはいつも一緒だ。」親友以上の間からの天陽と、自らの人生の目標である泰樹と、自分が目指すものとの間の軋轢に苦しんだなつは、ようやく全てのことに区切りをつけ、1956年の3月、初めて自分が心から望む夢に向かって歩みだそうとしていた。

第8週「なつよ、東京には気をつけろ」43~48話 5月20(月)~5月25日(土)

夕見子(福地桃子)は北海道大学に進学、雪次郎(山田裕貴)は川村屋で「雪月」を継ぐための修行、なつ(広瀬すず)はアニメーターを目指し、6月の臨時試験を受けるため雪次郎とともに上京。3月に開かれた送別会で、それぞれに抱負を話し、十勝から飛び立っていった三人。
雪之助(安田顕)、雪次郎とともに上京したなつは川村屋で皿洗いをしながらアニメーターとしての勉強をすることが決まるが、新宿での初日、夏に新宿に来た時にあったことのある煙カスミ(戸田恵子)が歌っているクラブ「メランコリー」を訪れたなつは、カスミに連れられて亜矢美(山口智子)が営むおでん屋「風車」へいく。そこで酔っ払った雪之助は、なつの苦労話を亜矢美に聞かせ、亜矢美はなつが、子供のようにともに過ごしてきた咲太郎(岡田将生)の生き別れた妹だと知り、三人で一緒に暮らそうと、咲太郎になつのことを話して聞かせる。
後日、咲太郎に強引に「風車」へ連れてこられたなつは、強引な二人のやり方に馬鹿にされたと思い、店を飛び出してしまう。
その失礼を謝ろうと再び訪れた「風車」でなつは、咲太郎が孤児院から逃げたのは北海道のなつに会うためだったこと、そして、亜矢美が咲太郎を助け本当の母と子のように生活して生きたことを教えられる。そしてその生活は、希望を失っていた亜矢美にとって心の支えでもあった…。
こうして新宿の兄の家族とのわだかまりが消えていく中、なつは仕事とアニメーターとしての勉強に精を出しあっという間に2ヶ月が過ぎていった。
そして1956年6月、なつは東洋動画の臨時採用試験の会場に足を踏み入れていた。

第9週|「なつよ、夢をあきらめるな」 49~54話 5月27(月)~6月1日(土)

「おじいちゃん行くべ!」泰樹(草刈正雄)からプレゼントされた懐中時計に向かい、東洋動画「作画課」の臨時試験に臨んだなつ(広瀬すず)。なつの絵を採点した仲 努(井浦新)も、高評価をつけたが東洋の大杉満 (角野卓造)社長の鶴の一声で「不採用」となってしまう。
それは、大杉社長に挨拶をした兄、咲太郎(岡田将生)が反社会的な劇団と見られていた新劇に関わっていたことが原因だった。
咲太郎はなつが落とされたのが戦災孤児が理由だと思い怒りを感じていたが、自分がなつに対して何もできない無力さも感じていた。そんな中、落とされた理由を教えられたなつは、他人のためにしか生きられない咲太郎を受け入れられず、咲太郎に対してモヤモヤしや感情を抱えてしまう。
その後、9月に東洋動画の「仕上げ課」の臨時試験があり、それに再挑戦する決意をするなつは、その後亜矢美(山口智子)や光子(比嘉愛未)から「人のために生きること」が咲太郎の生きる原動力で、なぜか裏方の仕事で満足してしまう、という兄の言葉に、なつもまたそのような仕事をしたいと思っていることに気づく。
なつは東洋動画の「仕上げ課」の試験に合格し、1956年の9月から働くことが決まり、同時に咲太郎と亜矢美の三人で「風車」で暮らすことになり、兄の近くにいれることに喜びを感じていた。
こうしてなつは、上京して半年たち、晴れてアニメーターとして新たな一方を踏み出そうとしていた。

第10週|「なつよ、絵に命を与えよ」55~60話6月3(月)~6月8日(土)

東洋動画仕上課に入社し、隣の席の同い年の先輩森田桃代(伊原六花)に手ほどきを受け、仲 努(井浦新)たちがいる作画課へ入ることを夢見ながら働き始めたなつ(広瀬すず)。亜矢美(山口智子)の派手なコーディネートを身にまとっていたため、作画課でセカンドの麻子(貫地谷しほり)に「将来の夫探しをしにきているのか」と、目をつけられてしまうなつ。そんな中なつは、勉強目的で書いた麻子が担当するシーンの動画を高く評価され、仲の力添えもあり、12月に行われる作画課の試験を特別に受けることになる。咲太郎(岡田将生)の劇団が来年の春に「人形の家」をやることが決まり、北海道では天陽(吉沢亮)が美術展で受賞したと言う知らせが入り、さらになつの兄・柴田照男(清原翔)と森に住む阿川砂良(北乃きい)が結婚すると言う吉報に、なつも喜んでいた。
しかし12月に受けた試験の結果は不合格。目標のアニメーターへの道を諦めずに追い続けることを決意するなつは、今はまだ十勝に戻らないことを天陽に手紙で伝える。「私はここ(新宿)で、おいしい牛乳を絞れるように、自分を育てていきたいと思っています。十勝に帰りたい、みんなに会いたい。だけど、今は、振り返りません。私は、ここで生きていきます。」
両親から、十勝で生きていくためにもなつのことを忘れ、自分の家族を持って欲しいと言われていた天陽もまた、ベニヤ板に描いたなつの絵を赤い色で塗りつぶし、想いを寄せ合っていたなつと、別々の道を生きていくことを決意していた。

第11週|「なつよ、アニメーターは君だ」61~66話 6月10(月)~6月15日(土)

作画課と仕上課は6万5千枚という動画を書き上げ、「白蛇姫」におけるなつたちの作業が終わる。そのころ照男(清原翔)と砂良(北乃きい)が新婚旅行で新宿のなつを訪ね、なつは久しぶりに北海道の風を吸い込んだような気がしていた。
その後、兄・咲太郎(岡田将生)が所属する劇団の公演「人形の家」がスタートし、なつも雪次郎(山田裕貴)とともに初めて本物の演劇を体験し、そこで舞台女優の亀山蘭子(鈴木杏樹)と知り合うことになる。そのころ、仕上課でトレースを学び、作画課で必要となるクリーンアップの技術向上のため練習の日々を続けていたなつは、同時に、戦後に生き別れたままになっていた妹、千遥に会いたいという思いも強くなり、信哉 (工藤阿須加)に千遥を探してもらうことになる。
「白蛇姫」の声優に急遽、蘭子が抜擢され、なつはアフレコ現場を見学し作品が出来上がる喜びを大きく実感する。さらになつは仲 努(井浦新)から再び作画課のテストを受られるという朗報を得る。こうしてなつはテストで、その実力を十分に発揮し試験に合格。ついにアニメーターの夢を実現させる。
これからは泰樹(草刈正雄)のように、アニメーターの道を切り開いていくと決意を新たにするなつの元に、「千遥を見つけた」と信哉がやってくる。1957年8月。公開された「白蛇姫」がヒットし、東洋動画スタジオの次回作「わんぱく牛若丸」の製作が始まるころ、なつは咲太郎とともに千遥が暮らす可能性のある船橋の親戚の家を訪れる。そこで見かけた千遥と思しき女性になつは思わず声をかけてしまう…。

第12週|「なつよ、千遥のためにつくれ」67~72話 6月17(月)~6月22日(土)

1957年8月15日。なつが20歳の誕生日を迎える日、千遥が預けられた親戚の家に向かったなつ(広瀬すず)と咲太郎(岡田将生)。しかしそこに千遥の姿はなく、戦後まもなく家出をしたきり10年余り行方不明になっているという事実を知る。生きている可能性があまりに低く絶望するなつだったが、咲太郎の言葉や、下山克己 (川島明)の話にいつしか「千遥はどこかで必ず生きている」という確信を持ち、千遥のためにもアニメーターとして成長しようと考えるようになる。
こうしてなつは東洋動画の新作「わんぱく牛若丸」の制作の中で下山班に所属し、アニメーターとしてさらに実力を上げていく。そんな中、なつが描いたシーンの描き直しが決まる。その動画に違和感を訴えたのは東大卒で哲学を専攻していた演出助手の坂場一久(中川大志)だった。「東洋動画の方向性が見えない。」誰もが抱える疑問を明確に口にする坂場の言葉はなつたちアニメーター達にも影響を与える。
その頃なつとともに上京し、新宿「川村屋」で実家のお菓子屋を継ぐために修行を積んでいた雪次郎(山田裕貴)は、咲太郎が所属する劇団「赤い星座」のオーディションを受け、審査結果が出ないまま「川村屋」を辞めると言い出す。家族の期待を完全に裏切ってまでも、役者になるという夢を追いかけることを決意した雪次郎を、なつは必死に引き留めようとする。

第13週|「なつよ、“雪月”が大ピンチ」 73~78話 6月24(月)〜6月29日(土)

「わんぱく牛若丸」で、馬と主人公が崖を下るシーンを書き直すことになったなつ(広瀬すず)。坂場一久(中川大志)の指摘を受けて下山克己 (川島明)が書き直した原画をもとに動画を作成するなつだったが、思うように描くことができずにいた。
ちょうどその頃、役者となることを決意した雪次郎(山田裕貴)の家族、雪之助(安田顕)、とよ(高畑淳子)、妙子(仙道敦子)たちが北海道からやってくる。当初一方的に息子に反対していた雪之助だったが、なつの説得を受けて心変わりしていく。こうして雪之助は、雪次郎を「風車」に呼び寄せ、川村屋での二年間の修行の成果として、ケーキを作り食べた皆を納得させろと雪次郎に課題を出す。限られた状況の中、皆を納得させるケーキを作った雪次郎は、晴れて「赤い星座」の劇団員としての人生を歩み始めることになる。
その顛末を見届けたなつは、取り掛かっていたシーンの動画で、誰もが驚くような解決策を見出して乗り越え、「わんぱく牛若丸」は作画、美術、仕上げまでの製作を終えることになる。
1958年春。なつは作品完成の祝賀会の中で、天陽(吉沢亮)がこの冬に結婚することを陽平(犬飼貴丈)から教えられ、言葉に詰まったなつの頭には、走馬灯のように天陽との記憶が駆け巡っていた。さらにその後、信哉 (工藤阿須加)が帯広への転勤が決まったと教えられる。
その後「わんぱく牛若丸」は無事公開を迎え大ヒット、それからの一年も、なつは新たな作品でアニメーターとして活躍していたが、いまだにポスターに名前が載ることはなかった。
1959年5月。東京と北海道をつなぐ電話が開通し、今年こそ北海道へ里帰りするとなつが富士子(松嶋菜々子)たちに電話口で伝えていた頃、北海道の柴田牧場へ向かう一人の女性の姿があった。

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