第100作目となる朝ドラ「なつぞら」
広瀬すず主演の今作は、戦争を機に両親を亡くし、兄妹とも別れ離れとなってしまった少女が主人公です。
身寄りのなくなった主人公・なつは、父親の戦友だった、北海道の酪農家の婿養子に引き取られ、牧場を手伝いながら高校を卒業し、漫画家を目指すというストーリー。
そんな朝ドラ「なつぞら」の各話ごとのあらすじをネタバレでご紹介します。
第25話
泰樹(草刈正雄)の呼びかけにより十勝の酪農家は農協の元に団結し、不当な買い取り価格を提示する乳業メーカーに農協が介入することになり、十勝の酪農は新たな一歩を踏み出す。
なつ(広瀬すず)もまた、演劇で使われた道具を処分する中、これまで頑張ってきた演劇の終わりを噛みしめる。そんな中、突然の門倉努(板橋駿谷)からの「嫁になってほしい」という告白を受けるも、なつは即答で断る…。
この時期の牧場では、牛の飼料となる干し草づくりに取り組んでおり、晴れの日が三日間続く時期を見計らい作業をするため、山田天陽(吉沢亮)たちも手伝いに来ていた。そんな中なつは、天陽の家で、油絵の具をもらうことになる。それは東京にいる天陽の兄、陽平(犬飼貴丈)からのプレゼントだという。同席していた泰樹はその帰り、なつに牧場を継いでほしいと告げる。強制するつもりはないが、そのことについてしっかりと考えてほしい。そんな泰樹の思いを知ったなつは一人、油絵の具を持って近くの丘へ向かっていた。
その頃家では夕見子(福地桃子)が北海道大学へ行き、もっと広い世界を見たいということを両親に告げるも、夕見子と富士子(松嶋菜々子)の意見の対立により結論は出ずにいた。そこへ来た明美(平尾菜々花)から、なつにお客さんが来ている、と聞いた富士子や剛男(藤木直人)たち。
高校三年の夏、北海道のなつを訪ねてやってきたのは、かつて空襲の最中になつを助け、なつたちが孤児院に入れられるまで共に生活をしていた佐々岡信哉 (工藤阿須加)だった。
第26話
なつ(広瀬すず)の元へやってきた佐々岡信哉 (工藤阿須加)。信哉はなつが孤児院に送っていた手紙を見て、なつに会いにやってきたのだった。
信哉は孤児院で育ち、定時制の高校へ通った後、今は新聞配達をしながら夜間の大学に通っていると言う。信哉もまた奥原咲太郎(岡田将生)のことを探していたが、咲太郎は4年前に潰れてしまった芝居小屋で働いていたが、その後の行方は分からないと言う。ただなつの元気な姿を見にきただけだと言う信哉は、なつに住所を渡し、その日の船で帰っていってしまう。
「なつを連れ去っていくつもりでは?」と心配する柴田一家は、信哉がやってきたことで、それぞれ影響を受けていた。
「兄貴がどうであれ 会わなきゃ、なつは昔のまま一生忘れられんだろう。」咲太郎がなつに会いたいと思っているか?と言う問いに答えた泰樹(草刈正雄)の言葉を聞き、富士子(松嶋菜々子)は心を決め、なつに「東京へ行かないか」と相談する…。
第27話
富士子(松嶋菜々子)とともに新宿へ向かった奥原なつ(広瀬すず)は、佐々岡信哉 (工藤阿須加)の案内で新宿で有名なカフェ「川村屋」へ向かう。その店のマダムの前島光子(比嘉愛未)に兄・咲太郎(岡田将生)を探していることを伝えると、光子の知り合いで新宿の書店「角筈屋」の社長、茂木一貞(リリー・フランキー)を紹介され、さらに茂木から、咲太郎が出入りしていたムーランルージュ新宿座で戦前から歌っていた煙カスミ(戸田恵子)を紹介され、なつと富士子は彼女のいる近くのクラブを訪れる。カスミの歌う「りんご追分」に魅入っていたなつだったが、カスミから咲太郎の行方を知る手がかりは得られず、二人は再び「川村屋」へ戻る。
マダムから「宿に、店の寮を使えばいい」と言われたなつと富士子は、夕食に店のカレーライスを食べることに。二人が料理を持ちわびるなか、マダムと店のフロアマネージャー・野上健也(近藤芳正)は咲太郎のことについて話していた。
「よろしいんですか。あんなやつ(咲太郎)の身内に情けをかけて。」「だからよ。あの子がいれば、捕まえられるかもしれないでしょ。」「あの子は人質ですか?」「そうよ、逃すものですか。」
第28話
夕食に川村屋の名物料理「インドカリー」を食べたなつ(広瀬すず)と富士子(松嶋菜々子)。その夜富士子は、なつの兄・咲太郎(岡田将生)がもし見つかったらなつは兄と一緒にいたいだろうと思い、なつに「その時はきっぱりと私たちのことを忘れてもいい」と親切心から伝える。しかし、その言葉を聞いたなつは、再び親を失うことは嫌だと、泣き出してしまう。なつはそれほどまでに、富士子のことを本当の母と思い慕っていたのだった。
その頃帯広の「雪月」に来ていた夕見子(福地桃子)は、店主・雪之助(安田顕)の新作かき氷「雪月の夏」を食べていた。そこでなつと富士子が東京へ兄を探しに行っていると話すと、戦前に東京に修行していた雪之助は、新宿の「川村屋」で働いていたのだと話す。
その後、泰樹(草刈正雄)の好物の「雪月」のシュークリームをお土産に持ち帰った夕見子は、作業中の泰樹や戸村悠吉(小林隆)たちに差し入れとして持っていくが、今までにない女の子らしい夕見子の行動に男性陣は驚いていた。
翌日「川村屋」で朝食を食べていたなつと富士子の元へ佐々岡信哉 (工藤阿須加)が息急き切ってやってくる。信哉曰く、浅草の芝居小屋に咲太郎らしい人がいるという。
その頃「六区館」にいた咲太郎は、付き人をしていたお笑いコンビの相方が芝居小屋に現れないため、師匠の島貫健太(岩谷健司)から「森繁久弥の真似でステージに出ろ」と言われ困惑していた。
浅草の「六区館」を訪れた富士子、なつ、信哉だったが、ステージではエキゾチックな大人のダンスが繰り広げられ、三人は言葉を失っていた。
第29話
芝居小屋「六区館」の客席から咲太郎(岡田将生)を探すなつ(広瀬すず)たち。踊り子・ローズマリー(エリザベスマリー)の踊りが終わったあとにステージに登場したは咲太郎だった。咲太郎のステージが始まり、タップダンスをし始めた時、なつはステージ上で歌い踊っているのが咲太郎だと確信する。咲太郎の踊りは客席からのヤジで中断してしまうが、その瞬間、なつは周囲の目を気にせずに咲太郎を呼び求めていた。およそ10年ぶりのなつとの再会に、咲太郎はなつをステージに上げ抱きしめていた。
その後四人で夕食へ向かったなつと咲太郎たち。なつたちが「川村屋」にお世話になって泊まらせてもらっている、と話すと、何かおかしい様子を見せる咲太郎。なつは妹の千遥にも会いたい考えていたが、咲太郎が数年前親戚に手紙を出した時、千遥が兄たちのことを思い出して里心がついてしまうと大変だから、手紙は出さないで欲しいと言われたことがあり、今では連絡は取っていないが、千遥は幸せに暮らしているだろうという。それでも千遥に会いたいというなつに、「このことは自分に任せろ」と咲太郎はなつを安心させる。
しかしその笑顔にはどこかスッキリしないものがあり、なつもそこに嫌な予感を感じとっていた。
第30話
新宿のカフェ 「川村屋」で待ち合わせしていたなつ(広瀬すず)と咲太郎(岡田将生)だったが、咲太郎は姿を現さず、そこへやってきた佐々岡信哉 (工藤阿須加)から、咲太郎が警察に捕まったと教えられる。咲太郎は、昨夜、パチンコで勝ったという芸人師匠・松井新平(有薗芳記)に10万円を貸して欲しいと頼み、博打の戦利品である腕時計を譲ってもらい、それを換金しようとしたところその時計が盗品であり捕まっているという。
芝居小屋「六区館」でローズマリー(エリザベスマリー)から咲太郎は犯人ではないと教えられたなつたちが「川村屋」に戻ると、マダム光子(比嘉愛未)から茂木一貞(リリー・フランキー)とともに、閉館したムーランルージュ新宿座の元支配人で咲太郎の親分だった藤田正士(辻萬長)を紹介される。藤田の話によると咲太郎は戦後のマーケットでムーランのダンサー・岸川亜矢美(山口智子)に引き取られ、その後、愛着を持ったムーランを買い戻そうと共同経営者になる話を持ちかけられ、騙されて10万円の借金を作ってしまたっという。その保証人がマダムで、咲太郎は挨拶に来る前に返済金を作ろうとしていたのだった。
そこへ信哉が、師匠の松井をかばってなのか時計の出所を言わず、牢屋から出ることができない咲太郎から手紙を預かって来る。そこには「自分のことは忘れて、北海道で生きろ。俺もなつを忘れるから」と書かれていた。なつは悲しさのあまり富士子(松嶋菜々子)たちの前で泣き崩れてしまう。
一方その頃、十勝の柴田牧場では泰樹(草刈正雄)が照男(清原翔)になつと結婚するようにと告げていた。