第100作目となる朝ドラ「なつぞら」
広瀬すず主演の今作は、戦争を機に両親を亡くし、兄妹とも別れ離れとなってしまった少女が主人公です。
身寄りのなくなった主人公・なつは、父親の戦友だった、北海道の酪農家の婿養子に引き取られ、牧場を手伝いながら高校を卒業し、漫画家を目指すというストーリー。
そんな朝ドラ「なつぞら」の各話ごとのあらすじをネタバレでご紹介します。
第109話
奥原なつ(広瀬すず)が坂場一久(中川大志)とともに結婚の報告のため柴田牧場を訪れたのは、1966年の秋だった。
柴田家の面々との挨拶で無職であることを泰樹(草刈正雄)から指摘される坂場だったが、誤解は解かれ柴田家の皆から暖かく受け入れられる。
帯広でも上演された「神をつかんだ少年クリフ」は大学生になった明美(鳴海唯)などには好印象だったが、まだ小学生の地平(吉田隼)にはやはり内容が難解すぎたようだった。
戸村悠吉(小林隆)や菊介(音尾琢真)たち酪農家の働きぶりを間近で見た坂場は、酪農にも、”人を感動させる”と言う視点があってもいいと力説するが、菊介たちには難しすぎる話だと敬遠される。
この頃、剛男(藤木直人)は農協で専務となり、同じく農協で働いていた夕見子(福地桃子)は音問別農協の組合長の田辺政人(宇梶剛士)とヨーロッパ視察に行き、泰樹(草刈正雄)のバターをはじめとする十勝の酪農家たちで乳業メーカーを設立するために奔走している最中だった。
なつが東京で開拓していたように、十勝の地でも開拓者たちが生き生きとしていた。
第110話
ヨーロッパのように、酪農家たち自身が直接バターやチーズを作るため、農協と酪農家たちが協力して乳業メーカーを設立することを目指しているという剛男(藤木直人)と夕見子(福地桃子)。買取価格がどんどん下がっていってしまうなどの問題を解決するため、農協の田辺組合長(宇梶剛士)を先頭に泰樹(草刈正雄)たち十勝の酪農家たちは、既存のメーカーや国と対立していた。
翌日「雪月」へ挨拶に行ったなつ(広瀬すず)と坂場一久(中川大志)。雪次郎(山田裕貴)たちと新宿以来の再会を果たし、さらに演劇部の顧問の倉田隆一(柄本佑)や夫婦となっていた良子(富田望生)と門倉努(板橋駿谷)とも数年ぶりに再会する。
北海道で「神をつかんだ少年クリフ」を見ていた倉田は、「あの作品を演出した坂場なら、なつを任せられる」と坂場となつの結婚を喜んでいた。さらに、この頃天陽(吉沢亮)のところには男の子が生まれ、良子は3人目を身ごもっていた。
倉田は農協と酪農家たちがやろうとしていることは非常に画期的なことで、9割が赤字経営の北海道の酪農を大きく変える可能性があると力説する。
そんななか国とメーカーから横やりが入り、乳業メーカー設立の届け出を急遽翌日までに提出しなければならなくなり、泰樹(草刈正雄)やなつ、坂場たちは、届け出の日の午前に行われる組合長会議に出席することになる。
「絶対に乳業メーカーを設立してください!」酪農家たちが新たな挑戦をしていることに感銘を受けた坂場は、菊介(音尾琢真)たちに知った顔をして農業を語ったことを詫び、菊介たちの願いが叶うようにと熱い思いを伝えるのだった。
第111話
この日の11時までに農協で決議を出さなければ届け出が間に合わないという状況の中、なつは組合長の田辺政人(宇梶剛士)と高校の時以来の再会を果たし、そこでなつは、今回、乳業メーカーを設立できるのは、なつが演劇で泰樹(草刈正雄)に共同販売を承諾させたことがきっかけだと、感謝の思いを伝えられる。
酪農家として生計を立てている良子(富田望生)と門倉努(板橋駿谷)や、天陽(吉沢亮)、靖枝(大原櫻子)、正治(戸次重幸)たちも会議に参加する中、早速採決がとられるが、数名の組合長から反対の声が上がる。
「国が無謀だと判断したから、横が入ったのではないか。」設立後の失敗を心配する声が上がる中、菊介(音尾琢真)が「なぜ健全な競争を目指しているだけなのに迷う必要があるのか」と意見を述べる。開拓の二世や三世でも、まだやれることは沢山ある上に、自分たちでやったことでお客さんに感動してもらえればこれ以上嬉しいことはない、という菊介に、他の酪農家たちからも賛同の声が上がり、再び採決した結果、正式に酪農家たち共同による乳業メーカーの設立の合意をすべての組合長から得ることになる。
こうしてなつや酪農家たちとともに十勝支庁へ出向き、支庁長の大清水洋(森崎博之)に工場設置の届け出の書類を手渡した田辺たち。今回の国のやり方に不信感を抱いていた酪農家たちは、「それでも道産子か!」と大清水のやり方を責めるが、大清水は声を荒げ「この十勝を思う気持ちはあなた方にも負けない!必ず、十勝を酪農王国にしてみせる!どうか、皆さんも頑張ってください!」と新聞社の取材人たちがいる中で宣言するのだった。こうしてなつは、十勝の酪農界にとって重要な場面に立ち会うことになった。
第112話
取材に来ていた信哉 (工藤阿須加)と話をしたなつ(広瀬すず)は、信哉が昨年結婚して、二人だけでささやかな挙式を挙げたと教えられ喜びを伝える。
「いろいろな人から恵みをもらって、しっかりとそれを返している。」なつの北海道での様子を見て、なつの素質の由来を知り感動していた坂場(中川大志)は、自分も再び漫画映画に挑戦したいとなつに伝える。なつは坂場に寄り添い「こうすれば生きる力は二倍だ」と言い、坂場のことを励ます。
その日の夕食、テレビのニュースで信哉の嫁がキャスターの道子(三倉茉奈)であることに気づいたなつたち。明美(鳴海唯)は、信哉のような仕事をしてみたいと考えていた。
そこへ、夕見子(福地桃子)と剛男(藤木直人)が帰宅し、田辺組合長(宇梶剛士)を、静養のため入院させてきたとという。ヨーロッパ視察から働き詰めで、わずか三ヶ月でメーカー設立までこぎつけたため、体力的に限界が来ていたが、根っからの”開拓者”である田辺を休ませるには入院させるしかないという。
翌日、田辺に呼ばれ夕見子と坂場とともに病院へ向かったなつ。呼ばれた理由は、今回設立した乳業メーカーのブランド「たんぽぽバター」のロゴマークを考えて欲しいということだった。
それはなつがたんぽぽの咲く季節に初めて北海道へ来て、たんぽぽを食べていたと剛男から話を聞いていた田辺が、「たんぽぽバター」こそが、なつにとっての故郷にもなると考え、ぜひやって欲しいと願っていたことだった。
その頃「雪月」では、雪次郎(山田裕貴)がバターを使った新たなお菓子を考えていた。
詳しいことは伝えられずに「雪月」へ呼び出され夕見子と坂場とともに向かったなつ。そこには同じように呼び出された天陽(吉沢亮)や良子(富田望生)と門倉努(板橋駿谷)、さらに乳業メーカー設立の後日談を聞こうとしてたまたま来ていた倉田隆一(柄本佑)がいた。
こうして雪次郎は新たに考案したバターを使ったお菓子をなつたちに発表する。
第113話
「おバタ餡サンド」それが、雪次郎(山田裕貴)が新たに考案した「雪月」オリジナルのお菓子だった。なつ(広瀬すず)たちだけでなく、妙子(仙道敦子)やとよ(高畑淳子)からも美味しいと実力を認められる雪次郎。
焼き塩を使うなど、雪次郎独自のアイデアがたくさん詰まったそのお菓子は、「初めて先を越された」と雪之助(安田顕)に言わしめるほどのもので、「雪月」で販売することが決まる。これでようやく”一人前”だという雪次郎は、突如、「結婚してくれ!」と夕見子(福地桃子)とプロポーズをする。プロポーズを皆の前でするために、良子(富田望生)や倉田隆一(柄本佑)たちを呼んでいたという雪次郎。
「本当に私でいいのかい。東京へ駆け落ちした私には結婚する資格なんてない。」と躊躇する夕見子だったが、「結婚するならあんたしかいないと思っていた」とすでに心は決まっているようで、雪次郎のプロポーズは無事受け入れられることになる。
「本当にびっくりだわ。」こうして柴田家に結婚の承諾を得るために挨拶に行く雪次郎と夕見子。なつと坂場一久(中川大志)の結婚報告が先日あったばかりで、富士子(松嶋菜々子)たちはいっぺん娘たちの結婚が決まり驚きつつ喜んでいたが、明美は”昔から二人はぴったりだと思っていた”とも思っていた。
「うまいなこれ」と、「おバタ餡サンド」を褒める泰樹(草刈正雄)の承諾も得て、まるで”まるでバターとあんこ”のような夕見子と雪次郎の結婚がこうして正式に決まり、結婚式は一緒に北海道であげてはどうだろうと、話が進んでいた。
第114話
「たんぽぽバター」の商標を考えていたなつ(広瀬すず)に、富士子(松嶋菜々子)は「料理ノート」を手渡す。「生まれてきてくれてありがとう。夕見子(福地桃子)が結婚するという奇跡を再びこの家に運んできてくれて、この家になつが来て娘になってくれたことは奇跡以外の何物でもない、あんたは我慢強いけど辛いことがあったらいつでも帰ってこい」となつを励まし感謝を伝える富士子。
音問別農協の組合長、田辺政人(宇梶剛士)に「たんぽぽバター」の商標を提出するなつ。同席していた剛男(藤木直人)は、なつが成長したことを改めて実感していた。
天陽(吉沢亮)のアトリエに絵を見に行ったなつと坂場一久(中川大志)。「絵は排泄物のように、我慢できずに生み出してしまうもの。」絵を描くことは”価値を描くわけじゃない”と、坂場の質問に答える天陽。さらに天陽は「自分がここで生きることを選んだように、なつもまた、純粋に生きる場所を選んだだけ。そんななつを支えてあげられるのはイッキュウさんしかいない」と、坂場への想いを伝える。坂場は天陽の絵を見ていて、自分も漫画映画を作りたくて仕方がない、という。
その後、坂場の両親、一直(関根勤)とサト(藤田三保子)とも食事をして、正式に結婚の承諾を得ることができたなつ。
こうして1967年春、なつは夕見子と雪次郎夫妻と一緒に柴田牧場で結婚式を挙げる。
「わしもお前に育ててもろた。たくさん。たくさん夢をもろた。ありがとう。おめでとう、なつ。」泰樹(草刈正雄)からの深い感謝の言葉をもらったなつは、白無垢姿で今まで育ててくれたことを泰樹に深く感謝する。
「天国のお父さんお母さん、私はこの人と、坂場一久という人と結婚します。千遥がここにてくれたらと思わずにはいられなかったけど、私の心は喜びに満ち溢れています。なつは今日結婚しました。」集合写真に写ろうとも考えていたなつの父(内村光良)に、なつは感謝の想いを伝えていた。
「なつよ、未来永劫幸せになれよ。来週に続けよ。」