2018年10月から放送のドラマ【昭和元禄落語心中】。
主演は100作目の朝ドラ「なつぞら」への出演が話題の岡田将生。その役は落語の名人・八雲。
そんな主人公八雲に弟子入りするチンピラに竜星涼、八雲の養女に成海璃子がキャスティングされました。
ここでは、ドラマ【昭和元禄落語心中】のあらすじをネタバレでご紹介しています。
概要|ドラマ【昭和元禄落語心中】
昭和50年代。「昭和最後の名人」である落語家・有楽亭八雲(岡田将生)は、「弟子を取らない」と有名だった。
しかし刑務所帰りの青年・与太郎(竜星涼)が、なぜか弟子入りを許された。八雲の家に住み込み、修行を始めた与太郎は、八雲とその養女・小夏(成海璃子)の深刻な不仲を知る。
小夏の実の父は、やはり落語家だった有楽亭助六(山崎育三郎)で、母の芸者みよ吉(大政絢)とともに、昭和30年代に謎めいた事故死を遂げていた…。
引用元:NHK
第1話「約束」ネタバレ|ドラマ【昭和元禄落語心中】
昭和52(1973)年春。
「一番偉い人についていくことに決めたんだ!」身寄りもなく刑務所から出た与太郎がその足で向かったのは、刑務所落語慰問会で見た落語家の八代目八雲のところだった。弟子入りを伝える与太郎に、弟子を取らないと決めていた八雲だったが何を思ったか突如弟子入りを認める。八雲と共に暮らす小夏という女性が八雲と無二の親友でかつての人気落語家の、今は亡き助六の一人娘だと聞いた与太郎。
「落語と心中する」という八雲に怒りを覚える小夏の思いを知り、六畳間とビール、八雲の稽古の三味線の音という落語がある環境に身を置き、こんないいもんがなくなってしまうなんて悲しいと思う与太郎。早速弟子として八雲と行動を共にし、落語の寄席「浅草演芸ホール」で周囲に挨拶する与太郎。そんな与太郎に、演芸評論家のアマケンは助六の落語は「落語じゃない」と辛口の批評。楽屋から八雲の「死神」を嬉しそうに見る与太郎は、その噺を二度聞いただけで覚えてしまう。そんな与太郎に小夏は助六の「死神」を実演して見せる。そこで与太郎から声を褒められた小夏は、父の助六にも同じことを言われたことを思い出すのだった。
そこへ帰ってきた八雲に弟子として落語のことをしっかりと教えて欲しいと願いでる与太郎。さらに与太郎は小夏にも八雲に弟子入りすればいいと促す。「私に喧嘩売ろうっていうのかい。不愉快な子だよ」小夏が持っていた父・助六の落語がびっしり書かれているノートを横取りする八雲はそれを小夏に投げつけ怒りをあらわにする。そんな八雲に小夏が言い放つ「助六はお前が殺したんだ!」
その真意はわからないまま迎えた夏。落語協会会長の萬歳師匠との「二人会」に付き添うことになった与太郎は、萬歳の弟子で息子の萬月から八雲が弟子を取ることがどれほど珍しいことかを教えられる。さらに萬歳は与太郎が二代目助六にどことなく似ていると八雲に話す。
家でアルバムを見ていた小夏はお手伝いの松田から八雲と助六が大の仲良しだったことを聞き、さらに小夏は「本当は助六が八代目八雲を継いでいたのではないか」と松田に話すのだった。
「あたしゃ生涯、妻と名のつくものは持たないから、それで許しておくれ」
八雲の「たちきり」を見る与太郎は、八雲が本当に誰かに謝っているような真に迫る落語を見て改めて師匠のすごさを実感する。小夏の働く料亭「柳しま」で食事をする八雲、萬月、与太郎たち。老いには勝てない落語家の因果を話す八雲と萬月。その横で女中たちにせがまれた与太郎は、ベロベロに酔っ払ったまま師匠の前で落語を披露する。家に帰り八雲に呼び出されきつく叱られる与太郎だったが、八雲は与太郎の前座昇進を許す。
小夏は母・みよ吉の過去を知る「柳しま」の女将・お栄に母と父の過去を教えて欲しいと願うが「過去に囚われずに、育ててくれた八雲に感謝していなさい」とはぐらかされてしまう。小夏はアルバムに入っていた八雲と助六の鹿芝居の写真を真っ二に切り、父・助六の方だけを大切に手にする。
ひと月後の夏の終わり。初めて高座に上がった与太郎は、ガラガラの客席を前に緊張しすぎて全く客が見えず散々なデビューとなる。小夏が母の死の真相を探っていることを知った八雲は「女には落語はできないようにできている」と小夏に伝える。
「助六は今も、あたしん中に生きてる。お前さん中の神様みてぇな助六とおんなしにな。」助六の落語を絶やしたくないという小夏に八雲は助六の型で「野ざらし」をやってみせ、与太郎に落語を仕込んでやってくれと小夏に伝える。
ひょんなことから与太郎の背中に刺青があることを知り問い詰める小夏に、刑務所に入る代わりにヤクザとは縁を切ったという与太郎。
小夏から落語を教えられる日々が始まった秋のある日。落語を人に聞かせるという気持ちがないと指摘される与太郎の元にやってきたのは、ヤクザ時代に世話になっていたヤクザの兄貴だった。「そう簡単に組みを抜けられるわけないだろ」また一緒に仕事をしようと誘い、落語なんてくだらないという兄貴。二人の間に入った八雲は、兄貴を連れて一緒に寄席に顔を出すという。
こうして兄貴、八雲、小夏、松田らが見守る中、高座で「出来心」をかける与太郎。その落語は実感がこもり、大いに客に受け八雲も認めるほどの出来になる。「にぃさん。あれにいいこと聞いてくれたね。なんで落語なのかって。」その姿を見た兄貴は与太郎に用はないといい帰っていく。与太郎に助六落語を仕込んでいる小夏に八雲は不愉快だといいながらも、「お互い同じようなものに引っかかるように神様から作られてしまった」と声をかけるのだった。
冬になり助六にのめり込む与太郎。しかし、三日後に迫った八雲の独演会に出演することをすっかり忘れていた与太郎は、文字通り寝る間も惜しんで練習に励む。こうして迎えた八雲の独演会当日。前座として「たらちね」をかける与太郎だったが、寝不足の影響もあり散々な落語で高座を降りる。
こうして八雲の「鰍沢」を袖で見ることになった与太郎は、寝不足が祟り八雲の落語を聴きながら舞台の端で居眠りを始めてしまう。会場中に響き渡る与太郎のいびきにざわめく観客。そのいびきを噺のネタにして高座を終えた八雲だったが、帰り際に与太郎に言い渡す。
「与太郎。お前さんはうちに戻らなくてよろしい。破門だよ」
帰る場所もなく八雲の家の前でうずくまる与太郎。小夏に引き入れられて八雲に捨てないで欲しいと懇願する与太郎に 、八雲は三つの約束をしなければならないという。
二つ目になるまでに助六と八雲の落語を全て覚えること。助六と八雲が約束して果たせなかったことを成し遂げるために、助六不在の”穴”を埋めること。そして、自分より先に死なないこと。こうして八雲は小夏の父・助六と八雲の二人の間に起きた過去のことを二人に話し始めるのだった。
「なげぇ夜になりそうだ・・・覚悟しな」