ドラマ【ゴーイングマイホーム】全話ネタバレ。目に見えないものと広告CM業界の物語

2018年の10月から再放送されたドラマ【ゴーイングマイホーム】

映画「万引き家族」のカンヌ国際映画祭での受賞をきにBS12にて放送された今作。

是枝裕和監督唯一のドラマ作品として話題となりましたが、2012年10月からの本放送の視聴率は振るわずも、コアなファンを獲得する良作として知られる作品です

ここでは、ドラマ【ゴーイングマイホーム】の全話のあらすじをネタバレでご紹介しています。

ドラマ【ゴーイングマイホーム】登場人物とキャストネタバレ版。バカリズムと川口春奈が親子役

第1話 あらすじネタバレ|小心者の男に訪れた人生のヘンテコな転機 突然現れた美女&伝説の生き物 クーナの謎≪前編≫

小学校の作文で「小人ほどの大きさの弟が生まれた」と書いたことで問題になっている娘・坪井萌江(蒔田彩珠)を持つ、タックプロモーションのエグゼクティブプロデューサーの坪井良多(阿部寛)と、料理研究家の坪井沙江(山口智子)。

「名前はフロド。オーストラリアと日本のハーフで、神社とか学校とかあちこちにいて、テレパシーでやりとりできる」

非科学的なことは信じないという良多だったが、可愛い一人娘をきつく叱ることはできず、沙江に呆れられる。

「中学生にもなれば、家に口うるさい女房が二人いるように感じる」いつものように、隣人で文芸出版社勤務の小林悟(バカリズム)と同じバスで通勤する良多。

お菓子会社の社長・池堀慶二(丸山智己)へのCM試写で指摘され作り直しとなり対応に追われる中「父が倒れた」との連絡が母・坪井敏子(吉行和子)から入る。急遽、オキナ製薬役員の父・坪井栄輔(夏八木勲)の故郷の長野県の杜耶町に向かった良多は、その途中電車の中で夢を見、幼少期、テレビの前でみかんを食べながら、スキージャンプの真似事をしていることを思い出していた。

脳が原因で倒れた父の意識は戻らず手術もできない状態だが、命に別状はないことからすぐに家に戻ろうとする良多だったが、父の秘書・山下鎌作(清水章吾)の判断で、姉の伊藤多希子(YOU)とその夫・伊藤健次(安田顕)と母と共に、長野び一泊することになる。

その頃、良多の妻・沙江は、良多からの連絡を受けて母・辻時子(りりィ)に、萌江の面倒を見るように連絡する。母・時子が萌江のために作ろうとして失敗したホットケーキを作り直し萌江と共に食べる沙江。学校の作文のことを萌江に問いただす沙江だったが「世界はね、目に見えるものだけでできてるんじゃいないんだよ」としたり顔で言い返される。

良多の次の仕事は「ペロンチョコ」のクリスマスキャンペーンCMの製作。クライアントの洋菓子屋、橘家社長の瀬戸洋三郎(笹野高史)のジョギング担当者が異動になったことから、良多のアイデアで部下の真田隼(新井浩文)が、ジョギングのお供をして、そこからCM製作を進めていくことになる。

父の看病のために交代で長野に通うという話になり、母・敏子と姉・多希子とのじゃんけんの末に再び杜耶町にいくことになった良多。そこで看護師の堤千恵子(江口のりこ)から「お孫さんが看病しに来ていて、坪井さんは幸せですよ」と聞いた良多。姉・多希子の子供たちが来たのか?と思いながら、病室から出た良多は、入れ替わりに父の病室に入って行った謎の女性(宮﨑あおい)を目撃する・・・。

第2話 あらすじネタバレ|小心者の男に訪れた人生のヘンテコな転機 突然現れた美女&伝説の生き物 クーナの謎≪後編≫

父の病室から謎の女性(宮﨑あおい)が帰っていくところをデジタルカメラでこそこそと撮影する良多。家に戻りその様子を話す良多に沙江は「親子でも他人。知らないところもある」という。

若手人気女優・松谷真乃(佐津川愛美)を起用したCMで、髪の毛をぬらすのはNGだということから、当初予定していた食材を「ソラマメ」に変更することになった良多。そのCMを担当した沙江は、女優のわがままを受け入れる夫にダメ出し。散々な仕事に、沙江は今回のCMに自分が関わったことは伏せてくれと言い、二人は軽い夫婦喧嘩状態に・・・。

そのころ萌江は学校の昼食時、夏に亡くなった同級生・めぐみの机に男子生徒が乗って遊んでいたことに腹を立て、その男子生徒を突き落としまう。沙江は萌江のクラスの担任教師・園田千春(千葉雅子)に呼び出されるも、友達の死を受け入れる時間は一人一人違うと萌江をかばう。

盗み撮った謎の女性の写真を母・敏子と姉・多希子に見せる良多。それが誰なのか?と気になる良多たちは、無断で父・栄輔のバッグをあさる。バッグの中から、机のカギとリンドウの種、栄輔に似つかわしくない映画のチケット、さらに、その女性と思われる「下島菜穂(宮﨑あおい)」の名前を手帳に見つけ、三人は栄輔の秘書・山下に話を聞きにいく。しかし、山下は何かを隠している様子だったが、結局は何も知ることはできずじまい。

三人が去って後に山下は菜穂に電話を入れ、これからお見舞いに行く時は気をつけてほしいと伝える。菜穂は勤めている役場で、移り住んできた中国人のチェンに中国風食堂「萬里」の調理の仕事を紹介していた。

「菜穂が腹違いの姉妹なのではないか」事の真相を知ろうと姉と母に半強制的に頼まれ、菜穂と会うため再び長野を訪れる良多。そこで良多は菜穂の息子の下島大地(大西利空)に出会い、案内された「鳥居歯科医院」で栄輔の親友で、菜穂の父親の鳥居治(西田敏行)と知り合う。役場の仕事を終えた菜穂と対面することになった良多は、そこで父・栄輔が「クーナ」という小人を探していたということを知り、この「クーナ」を探すイベントは、この辺りのお祭りのようなものだった。

そこで良多は、菜穂が治の娘であることを確かめるが、治は、かつて自分たちが「クーナ」を殺してしまったと後悔を滲ませる。

第3話 あらすじネタバレ|妻は抜擢、夫は仕事干され逃亡?

菜穂が父・栄輔の親友・治の娘であることを確認し東京の戻った良多。そこで知った森に住む小さな存在「クーナ」は萌江も知っている存在で今は長野に戻っているという。

その後、良多の仕事は、部下の真田がジョギング相手として通っていた橘家の社長、瀬戸洋三郎(笹野高史)が高田純次の大ファンだったことから「ペロンチョコ」のCM制作は大きく進むことに。

同じ頃、萌江は沙江の作ったお弁当の食材をお金をとって友達に売ったことから、一週間の謹慎となっていて、沙江は、良多とも知り合いで、沙江のかつての恋人であった映画監督の山中健太郎(宅間孝行)から映画の仕事の依頼があり地方ロケに行くことになる。こうして、「ペロンチョコ」の担当を真田に譲り、降りることになった良多も有給を取り、萌江とともに長野に一週間ほど行くことになる。

「手に職を持つ人が強い。調整役のような自分は不況の時に真っ先に首を切られる。」朝から良多一家の様子を見ていた隣人の小林(バカリズム)は、長野に旅立つ良多にしみじみと話す。

その頃、食堂「エンゼル」で山中監督の映画の仕事をしていた沙江は、萌江から「クーナ」のことを教えられる。さらに、沙江の助手の若木潤(菅野莉央)もクーナのことを知っているということから「小さい人」の話になる。クーナみたいな存在がいたら面白いなと思っているという潤に「神様とか天使とか、根拠のないものに頼って生きるのが嫌いだ」という沙江。

栄輔のお見舞いの後に良多と萌江は、鳥居歯科医院に併設するクーナ事務局で、菜穂が子供達にクーナの話をするイベントに参加する。その帰りに良多は来月に予定されている「クーナ」イベントの下見に行くことになる。大の虫きらいで大量の虫除け対策をして菜穂、大地と萌江の四人で森に向かった良多。森のダムができる時に、菜穂の母が中心になって「ダム建設反対運動」をしたが、住民たちはお金を積まれ結局は「クーナの森」を守れなかったという。森の中の大きな木の根元で萌江たちが鳥の巣を見つけ、さらにその木の幹の上の方に赤いものがあることに気づく。良多が木の枝を使ってとった赤いものは、クーナが被っている「赤い帽子」だった・・・。

第4話 あらすじネタバレ|良多、母には言えぬ父の秘密を知る

帽子が見つかり浮かれる良多(阿部寛)と萌江(蒔田彩珠)。祖母・敏子(吉行和子)とともに栄輔(夏八木勲)の見舞いに行った萌江は、敏子に自分が休んでいるのは学級閉鎖ではなく、お弁当を友達にお金をとって売ったために謹慎中だからだと告げる。その後一人でクーナ事務局に向かった萌江は、歯科医で菜穂の父・治(西田敏行)の目を盗み「クーナの木彫りの像」をホテルに持ち帰る。

クーナ事務局に出向き父がつけていた「クーナノート」を見つけた良多。クーナの特徴が事細かに書かれているノートを頼りに手がかりを探していた良多は、廃れた社で菜穂(宮﨑あおい)と出会う。菜穂とともに昼食をとっていた良多は、かつて栄輔が「ダム建設反対活動」をしていたこと、菜穂の母・久実(天光眞弓)が栄輔と恋仲だったこと、その久実を捨てて突如東京に行ってしまった過去を知る。

その頃映画監督の山中健太郎(宅間孝行)の映画撮影で地方ロケに行っていた沙江(山口智子)は、監督の指示で急遽撮影用の「お重」を探すためハメに。古い蔵を持つ家から思い出の詰まった「お重」を借り受けた沙江は、考えあぐねた末に持ち主の思い出深い「おはぎ」を作ることに。その後夜のお酒の席でかつて交際をしていた山中監督から映画に誘われる沙江。映画は本物でCMは偽物だと言う山中監督に沙江は「私にはどっちも同じくらい嘘かなぁ。どっちも一生懸命嘘をつく、それが私の仕事だ」と言う。

ハロウィンの日。父の見舞いのあと、菜穂や萌江、大地たちとサッカーをしたことをきっかけにハロウィンに参加することになる良多。子供達が楽しむなか良多は、栄輔が倒れたのは、ゴルフ場ではなく大地とサッカーをしていたこの庭だった、と菜穂から教えられる。ハロウィンからの帰り良多は、萌江がかつて栄輔とクーナの話をすると決まって1000円をくれていたと教えられる。「きっと信じてくれそうな人に聞いて欲しかったのかな。」

その頃、栄輔の病室を後にしようとする敏子は、栄輔が目をさましていることに気づく・・・。

第5話 あらすじネタバレ|妻と娘よりも大切な女

ソファの下にクーナが住み着くことになった夢を見た良多。彼らは、付けひげをつけていないとクーナだとわかってもらえないのだと言う。

意識の戻った栄輔を見舞いに行った良多、萌江。栄輔は記憶が曖昧で思い出せたのは「良多」の名前だけ。菜穂と大地、多希子(YOU)、健次(安田顕)夫妻、さらに沙江も急遽ロケ先から見舞いにくる。その頃治(西田敏行)は栄輔の意識が戻ったことを聞き、一人森の中で好物の焼きそばを食べながら喜びを噛み締めていた。

治の元で歯の治療を受ける良多は、かつて栄輔が、栄輔の父の病気をきっかけに科学者になる夢を諦め、東京に出て製薬会社を始めたのだと治から教えられる。その後治は栄輔を見舞いに行き、かつて三人でクーナを見た場所がどうしても見つけられない、あれは夢だったのか?と栄輔に問いかける。そんな治に栄輔は「あれは本当だ」とつぶやく。「後悔はそこに愛があった証拠だ」良多は「クーナノート」にはさまっていた写真の「空き地」へ立ち寄り、その後栄輔の見舞いに向かい、目を覚ました栄輔にクーナの帽子を見つけたことを伝えると栄輔は、「いいか、世界は、目に見えるものだけでできてるんじゃないんだ。」と言い、良多に財布から千円を渡すのだった。

良多はその後向かったクーナ事務局で、これまでスポンサーをしてくれていた栄輔の幼馴染の呉服屋から今年のイベントのスポンサーを断られたこと知る。そして、事務所に置いてあった行方不明中のクーナの木彫りの像は「散歩中」だと菜穂から教えられる。

「あれはおじいちゃんじゃない」栄輔の頬を触った時に違和感を感じそう言う萌江に良多は、栄輔から千円をもらったことを伝える。ホテルの戻った良多は、もらった千円を前に物思いにふけっていた。

第6話 あらすじネタバレ|クーナ探しに 1 億!?職場復帰で良多暴走

「ここにもゴキブリがいる」良多からそう告げられ慌てふためくソファ下に住むクーナたち。良多がそんな夢を見た日、良多と萌江は長い休みを終え東京に戻り、クーナの木彫りの像は萌江の部屋の押入れに収められていた。

高田純次を起用したペロンチョコのクリスマスCMの撮影を終えた良多は、親孝行の話題に弱い真田(新井浩文)を説得してクーナイベントのスポンサーを、ペロンチョコの橘家社長・瀬戸洋三郎(笹野高史)に話を持ちかけるよう促す。その後完成したCMの試写の席でクーナイベントに1億円出すと言われる良多。さらに瀬戸から、もしクーナが見つかったら戦争で生き別れた母に会いたいと言われ、こうして良多は真田とともにイベントへ向けて企画を練ることになる良多。

その日沙江は母・時子(りりィ)に頼まれ弁当を作ることになり、そこで、子供の頃の沙江もぬいぐるみとおしゃべりをしていたことを教えられる。

近所に住んでいた家族の引っ越しを見送る菜穂と大地。その日菜穂は、中華料理屋で夕食をともにしていた治と話している時、3年前突如、菜穂の元を出て行った元夫・惠(加瀬亮)の話がきっかけで険悪になってしまう。その後、お見舞いに行った栄輔と大地とともにトランプをしていた菜穂は、看護師の堤(江口のりこ)から三人は家族に見えると言われる。

久々の学校で、夏に亡くなっためぐみちゃんの机が教室から撤去されていることを知った萌江は、放課後にその机を探し出し、元あった場所に勝手に戻してしまう。翌朝登校したクラスは、突如戻されている机に君が悪いと騒然となっていたが、萌江は全くの素知らぬ顔でいた・・・。

第7話 あらすじネタバレ|良多、良からぬ事をたくらみバチ当たる

ブームがきてるからCMで使ってくれというクーナ。取り分は人間が3でクーナが7。そこへ帰ってきたクーナの女性陣はいう「少しは表でて働け、この役立たず。」

「めぐみちゃんの机の場所はクーナが教えてくれた。」そのことを聞いて返す言葉がなくなる良多と沙江。

真田とともに長野に向かった良多は、お金目当てになるのは嫌だという菜穂を説得し、宣伝費と子供へのお菓子支給という形でクーナイベントに関わることになる。こうして地元住民のインタビューを取り始めた良多たち。自称クーナ研究家への取材中、かつて木の幹で見つけたクーナの帽子が、偽物であることを知ってしまう良多たちだったが、その後、真田の提案で沙江もイベントに参加することになる。

栄輔の秘書・山下鎌作(清水章吾)の働きにより元夫の惠(加瀬亮)の居場所を教えられた菜穂。その夜、自宅で食事をともにする良多に、菜穂は母・久実の写真を見せる。その後ホテルに戻り「クーナの脚」を作った良多は、廃校の体育館に足跡をつけに向かうが、そこで同じく足跡をつけていた治に遭遇し、大声をあげ互いに驚く。それを聞きつけやってきた町の警察官・梶鉄也(山中崇)に見つかってしまった二人だったが、梶を言いくるめ、足跡のことは誰にも言わない約束をする。

沙江は、仕事を終え萌江の机の件で担当教師に呼び出されるが、沙江も過去に同じ思いをしたことがあるため、これは「見えない暴力なのでは」と萌江をかばう。その夜、沙江は萌江に「出汁」について教え、世界が目に見えないものでもできているように、料理も目に見えない「出汁」があるからおいしくできるんだ、と教えるのだった。

第8話 あらすじネタバレ|あなたには”故郷”がありますか?

「手に職を持つものが最後には残る」工芸品を作っていたクーナたちから教えられる夢を見た良多。

真田を長野に戻し、退院する栄輔とともに東京に戻った良多。退院まえに栄輔は、治から長野にはもう来ないでほしいと懇願される。

イベント参加者は人気フードスタイリストの沙江の参加効果もあり看護師の堤(江口のりこ)や警察官の梶(山中崇)、クーナ研究家の錦織光成(古舘寛治)らも参加することになる。

その頃、沙江は、萌江が仲の良かっためぐみちゃんと亡くなる前日に喧嘩をしてしまい本を返せなかったことを悔やんでいることを知り、萌江に頼まれ、めぐみちゃんが好きだったハンバーグを一緒に作っていた。

東京の実家の退院祝いの席で密かに栄輔に呼び出された沙江は、栄輔の葬儀の際の精進料理を作ってほしいと頼まれる。良多は「クーナノート」にはさまっていた写真の土地が栄輔の生家のあったところで、そこで栄輔が死のうとしていたことを知り、萌江は、栄輔から「クーナは見つからないこともあるが、信じて探すこと。」という言葉とともに、自分はもうすぐ死ぬと告げられていた。

家に戻った沙江は、良多の母・敏子から「お餅ピザ」を教えられたことで、萌江に教えられる「母の味」がないことに小さな寂しさを感じたという。良多もまた、今住んでいるマンションが萌江にとっての故郷になるのか?と疑問を抱くようになるのだった。

第9話 あらすじネタバレ|人生で”後悔”してることは何ですか?

「小さいものを大切にしろ!」電気をつけっぱなしで寝たこと、大きな足音をクーナに注意される夢を見た良多。

その朝、良多はマンションに置かれたクリスマスツリーの短冊に書かれた娘の願いを知ろうとする隣人の小林悟(バカリズム)に協力する。

真田が指揮をとる新たな仕事が進んでいたが、仕事に「メッセージ」を求めようとする真田は、良多たちからクライアントの意向に沿うことが仕事で「表現」はよそでやってくれと言われてしまう。

その日、授業中にひと月前の話題を持ち出したことがきっかけで、萌江は担任教師の園田千春(千葉雅子)から新たな本を借りることになる。

クーナイベントの前日に長野に入った坪井一家。沙江は菜穂の提案で昼食のおにぎりに味噌を使おうと考え、「クーナの木彫りの像」をこっそりクーナ事務局に戻した萌江は、菜穂にクーナの右手に何があったのかと聞く。そのことを聞いた良多は、その右手には「目に見えないものを持っていたのでは」と菜穂に意見する。

長野に行く前に、夫への物足りなさと、母・敏子が栄輔が戻ったことで生き生きとしている姿を見てショックを受け行方不明になっていた良多の姉・多希子(YOU)は、良多の説得もあり、無事健次(安田顕)たち家族の元へ戻っていた。

人口減少対策に「ウェイクボード」をダムで取り入れることが決まる菜穂の勤める市役所での会議。その後、坪井一家の様子を見たことから元夫・惠(加瀬亮)を説得に向かった菜穂だったが、惠から「後悔していない」と言われてしまう。息子の大地を預けていた父・治の元に戻った菜穂は、治に後悔してることはないのかと聞く。母・久実のことで後悔だらけだという治に菜穂は久実が言っていた「後悔というのは、かつてそこに愛があった証拠だ」と伝える。その言葉を聞いた治が持ち出してきたのは、トイレの日めくりカレンダーに書かれていた同じ言葉だった。それはフィンランドの古いことわざだという。

第10話 あらすじネタバレ|クーナの森で起きた美しく”青い”奇跡

クーナのイベントを控え、味噌蔵を訪れた良多、沙江、萌江たち。その帰りに木彫りのクーナの像をクーナ事務局に戻した萌江は、鳥居治(西田敏行)に坪井栄輔(夏八木勲)が「もうじき死ぬ」と言っていたと伝え、悲しみを共有する。東京から急遽呼んだアシスタントの若木潤(菅野莉央)と合流した沙江、そして、かつてのインタビューの最中に預かることになった「クーナの帽子」が、これまでのものと違うことに胸躍らせる良多は、その足でクーナ事務局に向かう。そこにいた菜穂からクーナの右手にあったものは何か?と聞かれた良多は、目に見えない何かを持っていたのでは?と答える。

クーナイベント当日、それぞれにクーナ探しをする参加者たちを見て回る良多と真田(新井浩文)。そこで治から「クーナは石炭クズにおびき寄せられる」と聞いた良多は、密かに森に仕掛けを作る。

イベントの昼食を作る沙江は味噌蔵で聞いた「菌」の働きを知り、潤や周りの人が自分にとって「菌」のようなもので、「気づかないところで、自分が生かされているのかも」と話す。

無事イベントが終わり、帰路につく良多たち。途中クーナの声に気づいた良多が石炭の仕掛けのところを見ると、カゴの中に何かが動いていることに気づく。「逃がしてあげてください!」菜穂の言葉を受けた良多は、仕掛けの中を覗くが、そこにあったのは、ぽっかりと空いた穴だった。

その様子を見ていた萌江、沙江、菜穂、大地と治たちは、良多と共に下山中、道に迷ってしまう。何かに引き寄せられるように脇道に入っていく治を追いかける良多たち。その先には、少年時代に治と栄輔、菜穂の母・久実が見た「リンドウの群生地」が広がっていた。「さぁ、帰ろう。ここは長いこと人間が居ていい場所じゃない」自分が賛成したダム建設のせいで、クーナが少なくなってしまった。その後悔から涙を流す治を見て、良多たちも様々に思いを巡らせていた。

無事、集合場所にたどり着いた一行。そこで良多に、父が亡くなったという連絡が入る・・・。

第11話 あらすじネタバレ|あなたの、いなくなったあとに【終】

クーナたちの長老が死去した。そんな夢を、葬儀の準備のために訪れていた実家で見た良多。

沙江が栄輔と約束した葬式の精進料理のため到着するなか、良多は栄輔が死ぬ間際に良多が作った「ペロンチョコCM」を見て「笑っていた」ということを知る。そんな中か、好評を受けて「ペロンチョコCM」の続編が決定した吉報が入る。

精進料理は、沙江の母・時子と潤たちの協力で無事完成。通夜を終えたあと、良多は棺の中の栄輔の顔を覗き、空いた口を塞ごうとした時、不意にヒゲに触れる。その時良多は、少年時代の父との暖かな記憶を思い出し「もっと話しておけばよかった」と涙を流し、後悔を滲ませる。その様子に気づいた沙江は、良多にそっと寄り添う。

翌日菜穂と大地、治が長野から葬式に訪れる。「お葬式に来たんだね。おじいちゃんの」大地と萌江は、探検に出かけた家の裏庭でクーナの話し声を聞き、その夜良多もまた、葬儀を終え帰る前に、萌江とともにクーナの声を聞くことになる。良多から「もっと父親の話を聞かせてほしい」と言われた治と菜穂。大地と共に長野まで帰り着いた二人は、久実が亡くなった今でも、久実はいなくならないと想いを共にしていた。

葬儀からの帰り、今度の正月は母と姉一家を家に呼ぼうと話す良多。「初めは誰だって似合わないんだから」沙江は、「自分には似合わないかな」と躊躇する良多の背中を優しく押す。

マンションに戻った良多たち。ベッドで休んでいる沙江の元に、「フロドが引っ越した」と、萌江がやってくる。萌江と一緒にベッドに入った沙江は、長野のリンドウ畑を見た時に、亡くなった萌江のおじいちゃんを思い出したと萌江に話す。

家に戻ってから、中庭の扉を修理していた良多は、誤って扉を締めてしまい中庭に閉じ込められてしまう。助けを求める良多に気づいた沙江は、体が冷えてしまった良多にクーナの帽子をあしらったスープを作ってあげるのだった。

それぞれに「見えないもの」への様々な思いを抱いていた良多たちの日常は、いつもと少しだけ優しさに包まれながら過ぎていった。

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