1964に公開された映画「007/ゴールドフィンガー」
原作は1959年の同名小説で、実は、原作者のイアン・フレミンングが、この映画を最後に死去(イギリス公開の1ヶ月前ほどに死去)しています。
またショーン・コネリーが主演した作品の中で、唯一「スペクター」が悪役ではない作品でもあります。これは、脚色に関する訴訟が和解に至ったため、今作の制作者側は「スペクターやブロフェルド」を劇中で使用できなくなった、という経緯があったためでした。
と言いつつ、この後も「スペクターらしき組織」が暗躍する作品は続きました。
ということで、まずは、イギリスやアメリカの諜報業界のキーパーソンとも言える、今作の脚本家「ポール・デーン」という人物について見てきいます。
ちなみに今作では「核爆弾」や「放射能汚染」という概念が登場しますが、「核の脅威」はすべて嘘ですので、「恐怖支配」を助長するのが、今作の目的の一つです。
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脚本家とCIAの前身組織「キャンプX」
今作の脚本にはポール・デーンという人物が関わっています。
彼の経歴の一部をドキュメンタリー映画「キャンプX 実録・スパイ養成学校(字幕版)」から抜粋します。
ポール・デーンは、CIAの前身組織の一つである「キャンプX」の手引書を書いた元映画評論家。
イギリス特殊作戦執行部/SEOのエリート工作員養成所「ビューリー」に見出されて映画評論家からキャンプXへ指導者として転属します。
そこでポール・デーンは「キャンプX」の工作員が学ぶ「手引書」を書き上げます。
彼は、今作「007/ゴールドフィンガー」や映画「寒い国から帰ったスパイ」、1974年の「オリエント急行殺人事件」などの脚本に関わりました。そして映画「オリエント急行殺人事件」の公開から2年後の1976年に死去しています。
また、ポール・デーンと共にCIAの手引書を書いたのがソ連のスパイであるキム・フィルビーだったことも有名です。
ところで「キャンプX」とはカナダのトロントにあった、アメリカの工作員養成施設(設立時の名前は特別訓練施設103)のことで、現在のアメリカ諜報機関のCIAの前身組織の一つと言われます。
映画にもなった「チャーリーとチョコレート工場」や「007は2度死ぬ」などを手掛けたロアルド・ダールは参加していたことが知られ、さらに「007」の原作者であるイアン・フレミングも「キャンプX」に参加していたという噂があるのです。
ちなみに、証拠があるとは言えませんが、CIAの組織を構想したのはイアン・フレミングだったという描き方をしている作品があります。
それが映画「オペレーション・ミンスミート」です。
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ミンスミート作戦を含め、「20委員会(文書上は『XX委員会』ローマ字でXは10を表すことから20委員会とも)」が話し合っていることの一つに、「キャンプX」も関係していたとされています。
20委員会は「イギリス諜報部において陸・海・空の各軍諜報部の橋渡しをする連絡委員会」で、この委員会の一員で、ミンスミート作戦の実行に当たっていたのがモンタギュー海軍少佐とチャムリー空軍大尉でした。
ナチスドイツはなぜ「ミンスミート」を丸呑みしたのか | アゴラ 言論プラットフォーム
この映画「オペレーション・ミンスミート」でCIAの全体像を発案したのがイアン・フレミングだということが描かれています。
(ちなみに日本語のウェブを見る限り、CIAの設立については書かれていますが、構想した人物について言及している記事は見当たりません。ご存じの方がいらっしゃたら、コメントなどをお願いいたします)
またCIAの訓練施設に「ファーム・農場」というものがあることが知られていますが、これは「キャンプX」の頃から(少なくともその呼び名は)あったようです。
ちなみに「キャンプX」の設立が1941年12月6日(真珠湾攻撃の前日)で、翌年の1942年6月13日にはOSSが設立(ここにはFRBを草案したウォーバーグ一族や、金融王のモルガン家などのアメリカ上級国民の一族が工作員として参加していたそう)。
戦後の1947年になってソ連対策として「CIA」という組織になり、その人脈が受け継がれます。
またこの「モンタギュー海軍少佐」らが、恐ろしい上官の「ゴドフリー」のことを”おっかなお母さん”になぞらえて「Mother」の頭文字の「M」を使ったと映画では描かれます。
「007」シリーズでは、ボンドたち「007セクション」の上官が全て「M」と称されますが、実在したイギリス軍のジョン・ヘンリー・ゴドフリーがMであり、実はこのゴドフリーが「フレミング」をスカウトした人物でした。
このようにアメリカもイギリスもお仲間であることがわかります。
なぜなら彼らはどちらも「バチカン・教皇派」で、利害関係が一致しているからなのです。
RAPT | NATOとBRICSの戦いは、バチカンと天皇の権力闘争が表面化したものと言えます。
で教皇派はどちらかというと「庶民出身」で、この世を支配しているのは日本の天皇なのです。
RAPT | 世界を支配しているのはイエズス会 (イルミナティ) であり、イエズス会のトップは天皇です。
最近ではオリンピックで堂々と「悪魔崇拝」をしていることが大問題になっていました。
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彼らが悪事ができないほど裁きが下されるよう、心から祈ります。
紛らわしい金の延棒の保管庫フォートノックス
アメリカ財務省管理のフォートノックス(地金じがね保管所)が、今作のキーとなる舞台です。
実は、この施設に隣接する米軍基地の名前も「フォートノックス」と言います。非常に紛らわしいですね。
「地金保管所」のフォートノックスには連邦政府保有の「金・ゴールド」の半分が保管されていると現在のWikipediaでは書かれています(作中ではアメリカのすべての金がフォートノックスにあると言及されます)。
「地金保管所」のフォートノックスは、1936年にニューヨーク市査定局とフィラデルフィア造幣局にあった「金塊」を収容するために、アメリカ軍から譲渡された土地に建設されました。
1933年からの世界的な大恐慌で「信用の高いアメリカ」という状況が発生したために、1939年までの六年間で、アメリカの金の保有量が倍以上に増えました。
金融ユダヤたちが仕掛けたアメリカの資産を増やす作戦が「1933年からの大恐慌だった」と考えてもいいようです。
1933年末に1億9,400万トロイオンス(6,019トン)だった埋蔵量は、1939年末には5億300万トロイオンス(15,641トン)に急増した。この成長を促した要因としては、1934年の金価格の切り上げ(ドルの切り下げ)が世界的な金生産の増加に拍車をかけたこと、欧州の政治的不確実性が米国への資本逃避を引き起こしたこと、欧州の再軍備計画が米国の商品純輸出を増加させたことなどが挙げられる[15]。
2億7,700万トロイオンス(8,620トン)という増加のほとんどは、海外からの金の輸入によるものでした。その内訳は、外国の鉱山(主に南アフリカ)から1億7,400万トロイオンス(5,421トン)、外国の中央銀行の準備金(主にフランス)から8,900万トロイオンス(2,755トン)、外国の中央銀行の準備金(主にフランス)から8,900万トロイオンス(2,755トン)であった。
出典:United States Bullion Depository – Wikipedia
実は現在の連邦準備金制度=FRBが発行する110億ドルの金券(紙幣など)の担保がフォートノックスの金塊だそう。
この記事を書いている2024年8月ごろは、世界的な投資家たちが持ち株を手放すという出来事が話題を呼んでいます。
【これから何が?】ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ、ジェフ・ベゾス、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスなど、世界の名だたる投資家たちが次々と持ち株を手放す | RAPT理論+α
日本の「金塊」にまつわる話といえば、麻生太郎の力が弱くなった途端、政府の不正が次々と出てくるようになっています。
【究極の税金の無駄遣い】財務省が使うあてのない「金塊」129トンを保有 1600億円もの無駄遣いも発覚 | RAPT理論+α
また岸田政権では、度重なる「大暴落」を引き起こし、これまで以上に国民から資産を奪い、政権に近い上級国民のみが肥え太るような政策が横行しています。
【岸田ショック】“東証大暴落”で100兆円吹き飛ぶ 個人投資家から資産を剥奪し、ベーシックインカム導入を計画か | RAPT理論+α
日経平均株価が2200円超の歴史的な下げ幅を記録 1987年のブラックマンデーに次ぐ2番目の下落幅 政府推奨のNISAで大損する人が続出 | RAPT理論+α
悪人たちの悪事が全て明るみに出され、相応の報いが行われることを願います。
ちなみに、サブカルチャーで「フォートノックス」が登場する作品があり、1937年の映画「ビハインド・ザ・ヘッドライン」は、フォートノックスに向かう装甲車から金塊を盗むというストーリーです。
もう一つ、1951年のコメディ「カミング・アラウンド・ザ・マウンテン」は、登場人物のアボットとコステロが宝の地図に従っていたら、無意識のうちにフォートノックスに辿り着き逮捕されるというストーリーです。
気になる方はぜひ鑑賞して感想を教えてください。
登場人物
ラミレス|メキシコの革命家で麻薬を供給する悪人。ジェームズがその工場を爆破する。麻薬で稼いだ金は革命の資金源だった。
オーリック・ゴールドフィンガー|イギリス人。国際的な実業家で、アメリカいちの競走馬の馬主。合法的な金の売買業者で、多角経営をする宝石商としても知られ、冶金工場を経営できる資格も有する。工場はケントにある。イギリス政府は彼の密輸方法が解明できていない。カードゲームでイカサマをしてカモから金を巻き上げている。イカサマに協力していた女性がジェームズに誘惑されたことから、全身を金箔で覆って皮膚呼吸をできなくして殺害。2000万ポンドの金を世界各地に保有。国によって金の価値が違う(例えば一オンス30ドルの金が、パキスタンでは約4倍)のでさまざまな国で保有するメリットはあるが、金を溶解する設備が必要。
オッドジョブ|ゴールドフィンガーの部下。大男。演じているのは日系アメリカ人のハロルド坂田(本名サカタトシユキ・ロンドンオリンピックで重量挙げの銀メダリストでプロレスラー)。
プッシー・ガロア|ジュネーブの工場で麻酔銃を打たれたジェームズを送り届けた女性。パイロットで、女性飛行士を育成する組織のトップ。飛行場の名前が「プッシー・ガロア・フライング・サーカス」。途中からゴールドフィンガーを裏切り、最終的にジェームズと結ばれるボンドガール。
ドクター・リン|オーリック社の核分裂専門家。中国人。グランドスラム計画を進める中心人物。
ソロ|ゴールドフィンガーの会社と取引をするマフィアで、海運業の大物。グランドスラム計画に賛同せず、暗殺される。ソロの力で税関を潜り抜けたアイテムが、グランドスラム計画を成功させるために不可欠だった。
ティリー・ソームズ(マスターソン)|フィギュアスケートをする女狙撃手。身体中を金・ゴールドで覆われて殺されたジル・マスターソンの妹。ゴールドフィンガーへの復讐を目論むが、オッドジョブに殺害される。銃の腕前は素人。
Q|「私はジョークは言わんよ、007」
大佐|Mとジェームズに「ゴールド・金」についての現状を教えていた男性。長テーブルにて3人だけで食事をとりながら、イギリスとアメリカの現状を話す。
フィリックス・ライター|白人男性。元々はCIA職員だが、原作の「死ぬのは奴らだ」の設定に合わせ、本作でもピンカートン社所属の探偵として登場している。
地名・ロケーション
フロリダ州マイアミ|ジェームズがフェリックスと合流し、ゴールドフィンガーとの関係を持つようになった場所。
ロンドン|MI6のMのオフィスの所在地。
スイス ゴルフ場|ゴールドフィンガーがオーナーのゴルフ場。
スイス ジュネーブ|ゴルフの後にゴールドフィンガーが向かった。
スイス グラウビュンデン州サンモリッツ|ティリーがアイススケートをしていた場所。
ニューファンドランド島|輸送されていたジェームズが目を覚ました場所。カナダの東海岸に位置する島。
ワシントン州ケント|ゴールドフィンガーが所有する冶金工場の所在地。
メリーランド州ボルティモア|通関港。ジェームズが、プッシーガロアの飛行機で通過した。
ケンタッキー州|プッシーガロア・フライングサーカスの飛行場や、ゴールドフィンガーの経営するオーリック牧場がある。
オーリック牧場|アメリカのマフィア・シンジケートのボスたちが集い、グランドスラム計画について説明があった場所。イタリアやアメリカ東部、西部のマフィアが集結していたが、全員残らずガスで殺され、ソロ氏のみはオッドジョブによって暗殺され、車ごと圧縮される。
フォートノックス/合衆国金塊貯蔵庫(地金庫)|世界最大の銀行。ゴールドフィンガーが150億ドルの金・ゴールドを預けている基地。(ゴールドフィンガー曰く)アメリカのすべての金・ゴールドがここに集められている。警備兵は4万1千人配備。ポラリス潜水艦基地、ケープ・ケネディ、ホワイトハウスなどを経由して核装備(爆弾)が、フォートノックスへ運び込まれる手筈になっている。
キューバ|ゴールドフィンガーが高跳びしようとしていた場所。
世界観・設定
イングランド銀行(英国銀行)|正式な金・ゴールドの保管所の一つ。アメリカとともに金の保有量を確認し、産業用の動きも監視している。これによってドルとポンドの価値を保っている。密輸に関しては常に監視を行なっているが、金を溶かして密輸するのは足がつきにくいため、大物が争って手を出しているのが「金の密輸」
MI6|ゴールドフィンガーの金の密輸を暴くため、トプリッツ湖に沈んでいたナチスの金塊(1940年エッセン製造)をイギリス大佐の権限で利用する。
オーリック社|オーリックエンタープライゼズ。ゴールドフィンガーの所有する会社。ロールスロイスの車体を金・ゴールドで作っているため、この工場で解体し、金・ゴールドに戻すという手法で、密輸入を行なっている。工場長は中国人のドクター・リン。そのほかの下っ端の作業員のほとんどがアジア系の人間。
グランドスラム計画|ゴールドフィンガーが15年の間計画を練った作戦。フォートノックスに保有されているアメリカの金のすべてを放射能汚染状態にして、金の価値を暴騰させ、その後、58年に渡りボロ儲けするのが「グランドスラム計画」。フォートノックスの軍隊に対してプッシーガロア空中サーカスが神経ガスを散布、メキシコから潜入した機動部隊が大金庫まで到達。しかし、CIAにその予定を通達していたジェームズの働きや、プッシーガロアが寝返りCIAがガスをすり替えたことなどで計画は阻止させる。マフィアの一人ミスターミッドナイトが輸送してきたガス「デルタ9」を使用。デルタナインは15分で消滅する神経ガスで、24時間の失神させられる。この計画を知ったマフィアたちは、残らず暗殺される。
核装備/アトミックデバイス|コバルト製の小型で強力な爆弾。フォートノックスの金塊を汚染させることで、価格をおよそ10倍に暴騰させることが「グランドスラム計画」の真の目的だった。
レーザーカッター|特殊な光線を発射する工業用レーザーで月をも照らし、鋼鉄を切断できる。
ゲルト・フレーベ(ゴールドフィンガー役)|かつてはナチス党員で第二次世界大戦中に、ドイツ国内のユダヤ人を国外脱出を援助し、オーストリアのウィーンでユダヤ人を匿った。また原作でゴールドフィンガーは、ソ連の「スメルシュ」の支援を受けているという設定。、原作で「スメルシュ」にあたる組織は、映画化されると「スペクター」になっている。