ドラマ【スキャンダル専門弁護士 QUEEN】ネタバレ。芸能界とマスコミの情報操作の裏側

2019年1月10日から放送のドラマ【スキャンダル専門弁護士 QUEEN】。

ドラマ「ミスシャーロック」での演技も記憶に新しい竹内結子を主演に、星野源のミュージックビデオなどで知られる関和亮が監督を務める今作。

聞きなれない「スピンドクター=芸能政治などの危機管理専門」という職業の弁護士たちにスポットを当てたチャレンジングな作品です。

ここでは、ドラマ【スキャンダル専門弁護士 QUEEN】のあらすじをネタバレで紹介しています。

第1話|国民的アイドルグループ「フォレスト」の不仲疑惑に端を発する物語

国民的人気アイドルグループ「フォレスト」が出演する番組「フォレスタジアム」の生放送中に突如起こったリーダーとセンターのいがみ合い。メンバー間の不仲説はその後またたくまにSNSなどで拡散され、番組存続の危機にミナトテレビプロディーサー深川章一(宇野祥平)が鈴木太郎(バカリズム)が副所長を務める鈴木法律事務所に翌日に放送予定の謝罪会見のために「リスク管理」を依頼。所属弁護士の氷見江(竹内結子)、与田知恵(水川あさみ)、藤枝修二(中川大志)、事務員の真野聖子(斉藤由貴)はそれぞれに動き始める。

生放送中にグループセンターの赤江桃子(中村ゆりか)に向かって暴言を吐き、その後も「解散をしても構わない」と強硬的な姿勢をとるリーダーの白石杏里(馬場ふみか)と、杏里と昔から仲が良く、現在センターで圧倒的人気を誇る桃子の間での確執がその原因かと思っていた氷見だったが、ある時から桃子の声のかすれなど、彼女の体調の異変に気付き始める。

万博イメージキャラクターとしても知られる国民的アイドルの解散の危機に世間中が注目する中、氷見はセクハラ被害を訴えていたかつてのクライアントで、テレビ局の人気報道記者だった東堂裕子(泉里香)から、杏里がある男性と二人だけで歩いているスクープ写真を入手。その男性が桃子だということに気づいた氷見たちは、あらかじめ「フォレスト」協力的なテレビ局スタッフと準備していた「プランB」を行うことを決める。

強引に「フォレスト」たちを生放送で謝罪させ解散を発表させる氷見に、芸能界のドンと言われ「フォレスト」を育ててきた芸能事務所社長の森尾は、これまでの苦労が水の泡となることに怒りを覚えるが、氷見と与田が提出してきたのは森尾の過去の悪事の数々。不正献金疑惑で世間を賑わせていた山川議員とも親密で、脱税、横領などを行なってきた森尾。森尾は「フォレスト」を万博に出演させるためにも多額の献金をしていたという。追い詰められた森尾に氷見は「フォレスト」が解散することで、森尾自身のリスクも「最小限に抑えられた」という。

無事仕事を終えた氷見たち。そこへ届けられた氷見宛ての小包に「爆弾なのでは?」と不審に思う。年下だからという理由で藤枝が開けたその中身は、次期首相候補の吾妻涼介と氷見が親しげに並んで歩いているスクープ写真だった・・・。

第2話|「デザイン盗作」と「元恋人カップル従業員」が絡まる、パワハラ・セクハラ報道の物語

突如事務所に送られてきた、元官房長官の娘・吾妻美咲を妻にもつ次期首相候補の吾妻涼介(山本耕史)と、氷見江(竹内結子)とのツーショット写真。これがバレたら事務所は立ちいかなくなる可能性も・・・。

そんななか、氷見たちは、元契約社員でセクハラ被害を訴える女性、佐藤瑠璃(成海璃子)を黙らせてほしいという依頼をある大手広告代理店から受ける。瑠璃へのセクハラを疑われているのはスタークリエイターの谷正輝(波岡一喜)。谷とともに依頼をしてきた人事部の藤原貴美子(国生さゆり)は、瑠璃が出そうとしている「暴露本」を何が何でも出版中止しろと氷見たちに要求する。谷を貶めようとした瑠璃だったが、氷見が「週刊文新」の編集者の堀川太郎(津村知与支)に提案した暴露本発売前の「顔出し」会見が大炎上。一転して瑠璃は世間を敵に回すことになる。

その後、谷による瑠璃へのパワハラの事実が暴露されるも、一向に謝罪を受け入れない谷と人事部の藤原たちに疑いの目を向け始めた氷見たちは、谷が通っていたスポーツジムで谷が制作した盗作と疑われかねない広告を発見。さらに、谷と瑠璃が交際していた事実を突き止める。

真野聖子(斉藤由貴)が谷から盗み取った経理記録、氷見と与田知恵(水川あさみ)が谷の同僚たちから聞き出した「経営が傾いたことによる会社の体質」、さらに藤原に接触した藤枝修二(中川大志)により、会社の経費を着服していたなどとして、会社が谷を「切り捨てるような発売前の週刊誌の記事」を見つける。

「暴露本」発売まで5日前のタイミングで、藤原たち会社側に谷を切り捨ててでも「出されたくない情報」があると感づいた氷見たち。

それは、業績悪化を改善するための広告の量産化による盗作や品質の低下、それを隠す「のし」の役割となる「スタークリエイター像」を、営業部だった谷を利用して作り上げるという会社の動きだった。さらに、谷と瑠璃が揃いの「ハリネズミ」のアクセサリーをつけていることも発見する氷見たち。

氷見は谷に、交際していたことを公にして謝罪させ、瑠璃に「暴露本」の出版中止を提案し、会社とは関わりのない「プライベート」な問題を解決させようとするも、谷との交際の事実が「死ぬほど恥ずかしい」という瑠璃の思いにより失敗。こうして氷見は代替案として、会社の盗作の事実を脅しに、会社と谷に謝罪会見をさせることに成功。さらに、フリーランスのジャーナリストで「氷見と吾妻のツーショット写真」を送りつけてた張本人である茂呂(佐野岳)に「谷と瑠璃が恋人だった」というスクープを渡したことから、発売直ぜだった瑠璃の暴露本の出版も中止となる。

「氷見と吾妻のツーショット写真」を公表しないで欲しいと茂呂に伝える氷見。外には出さないという茂呂が代わりに要求してきたのは、過去に氷見が容疑者として関係した「男性の事故死の真実を教えろ」というものだった・・・。

第3話|フィギュアスケート「氷上の女王」八百長騒動とスパルタ教育の物語

ライバルで、不仲として知られていたフィギュアスケーターの青山リナ(石田ニコル)に僅差で勝ち、念願の金メダルを獲得し「氷上の女王」となり帰国した相馬紀子(白石聖)。その翌日帰宅後に婚約者の塚越健太(穂満佳佑)が刺されて死んでいることを目撃。気が動転してナイフを触ってしまったという。ほとんど負け戦に近い状況に動き始める鈴木弁護士事務所。

リナが健太と交際していたと言う事実が明らかになり、氷見江(竹内結子)たちは「時間稼ぎ」としてその証拠を世間に公表。これに乗じて、テレビ出演で涙を流して訴えたことでリナは世間からの人気を得始める。

その頃、氷見たちのお陰で出世した「文新」の記者の東堂裕子(泉里香)は、林議員の息子から受けたセクハラの事実を暴露するといい始め、氷見たちは好評しないように動き始める

紀子と親友だというゲイのスケーター、フェルナンドからの情報を元に、大会の審査基準がリナに有利なものに変更されたこと、紀子に厳しい判定を下す審査員がいて、大会の演技では誰もがリナが勝つものだと思われていたことがわかり、さらに、リナからは、健太が紀子と別れようとしていたこと、紀子がアフターピルを飲んでいたことが判明するが、その後、紀子は逮捕され、黙秘を続け接見拒否状態となっていた。

「クライアントが守りたいものを守り、気づかせることが自分たちの仕事だ」という氷見は、紀子に接見し、彼女がメダルを取るために審査員と肉体関係を持ったことが事実ではないかと話し始める。

「あなたからスケートがなくなったら存在価値がない」という母のスパルタ教育で育てられた紀子は、周囲の期待に応えるためにはこうするしかなかった、そして、こうして得た金メダルをガンで危篤状態の母親に見せることが何よりの復讐になると話す。しかし、氷見は「母親から解放されることが、本当の復讐になるのでは」と紀子を説得し、その結果、紀子は審査員と肉体関係を持ったことを世間に公表することになる。

紀子に肉体関係を求めた審査員は協会から追放、さらに、紀子がメダルを取れるように一連のことを画策して紀子に強要し、紀子から教えられコーチの教養の事実を世間に公表しようとしていた健太をその手で殺害した紀子のコーチ、渡瀬美央(村岡希美)も逮捕されることになる。渡瀬が、事実を隠すために、紀子に嘘をつかせていたことが事の真相だった。

紀子の記者会見のせいで、林議員の暴露記事発表をもみ消される結果となった東堂は、未だ諦めていない様子。さらに、フリージャーナリストの茂呂(佐野岳)は、再び氷見に接触し、かつて氷見が容疑者として関係した事件の話を改めて聞かせてほしいという。

第4話|氷見の過去と待機児童、発達障害、教員不足の教育問題

「タワーマンションのご近所トラブル解決」という依頼を大手ゼネコン社長から受けた鈴木法律事務所。依頼者の妻・佐久間京子(原田佳奈)が、マンション内の何者かから嫌がらせを受けていること、さらに、息子の佐久間怜(南出凌嘉)が発達障害の兆候がありながらも、勉強に突出した能力を持ち、名の知られる中学校への進学が決まっているという現状を知る氷見江(竹内結子)たち。そんな最中、京子が何者かに突き落とされるという事件が起きる。その後の調査で、怜の発達障害が発端となり、怜の担任教員だった佐野太一がうつにより退職し、自殺未遂後に意識不明で入院中だということから病院を訪れた与田知恵(水川あさみ)と藤枝修二(中川大志)。病室に飾られていた写真から、藤枝が取り逃がした不審人物が太一の妻・佐野亜矢(木下あかり)であることがわかるが、そこへ怜が突如行方不明になったとう一報が入る。

亜矢に追い詰められ、周囲から「変だ」と言われる苦痛から死のうとしていた怜。藤枝の説得で思いとどまるも、怜は中学進学で仲の良い友人となはれ離れになることでも苦しんでいたことが明らかになる。

その頃政界では、氷見と通じ、待機児童問題を訴える女性議員・土方朝子(江藤あや)と、京子と同じマンションに住み、ヨガ教室を運営する「カリスマママ」として有名な柿崎美恵(楊原京子)の夫であり議員の柿崎英孝(アキラ100%)が度々攻防を繰り返していた。

氷見は怜のせいで夫が病気になり、京子一家に嫌がらせを繰り返していた亜矢と、美恵の夫・英孝に「怜が学校に居られるよう」と、金銭の受け渡しがあった京子との今回のイザコザが、全て「社会制度」に問題があると二人を説得し、児童待機問題に関わる朝子を通じて世論を誘導し、問題解決を画策する。

氷見は、議会の質疑応答の中で朝子に「喉が潤うタイプのミント」を食べさせ、英孝が苦言を呈すことで、英孝は世間から激しいバッシングを受け、妻の美恵もろとも肩身の狭い思いをせざるを得ない状況となる。そんな英孝のもとに赴いた氷見は、英孝が「息子を停学をさせないでほしい」と訴える鈴木事務所の事務員・真野聖子(斉藤由貴)との間に「関係を持てば問題は片付ける」と約束していた音声データなどの証拠を突きつけ、朝子に協力するように仕向けるのだった。

こうして英孝、京子、亜矢、朝子たちは「教員増員」などの職場環境の改善を訴えるデモを起こし、国を動かすことに成功する。

この最中氷見は、フリーランスの記者で、氷見の過去を探っている茂呂裕也(佐野岳)から呼び出されていた。5年前まで次期首相候補の吾妻涼介(山本耕史)の政策秘書の職に就き、愛人関係を疑われていた中、なぜ仕事を辞めたのかと問いただす茂呂。人が一人死んでいる事故を起こして辞めないわけにはいかなかったと話す氷見は、茂呂の抱える「住所の名義貸し」とその全ての秘密を突きつける。その事実を知った茂呂は、同じく氷見の過去を探っている東堂裕子(泉里香)にこれ以上詮索するなというほどに衝撃を受けていた。

第5話|拝み屋と落ち目タレントの離婚騒動

主婦のオピニオンリーダーとしてワイドショーに出演して人気の木村よう子(遠野なぎこ)からの依頼は「DVの夫と離婚させろ」と言う内容。世間ではおしどり夫婦として知られていただけに困惑する氷見江(竹内結子)たち。
東堂裕子(泉里香)にリークした木村の腕の「アザ」は瞬く間に話題となり、木村の夫で落ち目のタレント、中山昌平(デビット伊東)は、謝罪会見を開くも、DVは事実ではなく「離婚はしない」と主張。

真野聖子(斉藤由貴)の調べで、木村が化粧品でアザを作り、DVを偽装していたこと、更に、氷見と与田知恵(水川あさみ)の調べで中山が、借金をしながらも、ジュエリーを購入している事実を突き止める。

こうして、張り込んでいた藤枝修二(中川大志)が押えた不倫写真から状況は大きく動き出す。

中山が高額なジュエリーをプレゼントしていたのは「拝み屋」の神田貴理子。かつて与党の大物政治家が数億単位で騙し取られた洗脳のプロだった。

これらの状況を、クライアント木村の望み通りに解決できるプランを実行に移す氷見たち。

手始めに木村の不倫を偽装し、世論を受けた木村は謝罪会見を開き、タレントとしての生命を絶たれるほどのバッシングを受けて、離婚が成立。これを受けて慰謝料を目当てに中山に”寄生”していた神田は、その金を元手に、真野が偽装して送ったインサイダー情報に食いつく。真野は、この情報を知り合いの警官に流し、神田は現行犯で逮捕されることになる。
こうして、中山は心から愛していた妻・木村も、スピリチュアルカウンセラーとして、そばで励まされていた神田をも失うことになる。

絶望する中山の元に木村と氷見、与田が訪れ、全ては計画だったと話す。

全てを失っても喜びに満ちているように見える木村に、与田は「仕事を全て失ってまでするほどのことだったのか」と問いただすが、木村は、心底、中山のことを愛してしまっているのだと言う。

タレント人生が終わった木村と対照的に、中山のテレビでの仕事が増え始めるなか、氷見は東堂から「茂呂裕也(佐野岳)が消えた」と伝えられる。

第6話|人気作家の秘書たちの遺産相続騒動

秘書3人からパワハラを訴えられ、鈴木法律事務所に危機管理を依頼した大御所作家の浮田千代子(真野響子)。半年ほど前に浮田の所にやってきた若い男性秘書、若月礼二(杉野遥亮)曰く、浮田が仕事に対して厳しくなったのはここ二、三ヶ月のことで以前は優しかったと言う。唯一浮田の所に残った若月は、浮田のお気に入りでもあり、中でも彼の文章力を高く評価していた。更に浮田は、若月のような才能ある若い人のために、遺産を使って欲しいとすでに遺書を残していると話す。

氷見江(竹内結子)たちは、辞めた秘書3人の能力がなかったことを強調するために、若月の特集番組を組ませ、浮田のイメージアップを狙う。

その際、若月がクラブに通っていることを突き止め、与田知恵(水川あさみ)が潜入することに。同じくクラブに潜入した週刊誌「文新」の記者・東堂裕子(泉里香)と与田が目撃したのは、若月が三流出版社の編集者・秋代(松永玲子)と密会している所だった。若月の正体は、人気作家の作品を売りたい出版社が送り込んだ人物で、若月が過去にホストで働いていたあることが判明。更に与田は、「若月は欲の深い男で、浮田の全てを奪おうとしている」と秋代から聞かされる。

東堂のリークにより謝罪会見をするまでに追い込まれた若月。仕事がひと段落した氷見たちだったが、そこへ浮田が末期ガンで死去したと言うニュースが飛び込んでくる。更に、浮田の元を去った若月の代わりに戻ってきた三人の秘書たちは、自分たちで指揮をとり浮田の資産管理を始める。手際の良すぎる秘書たちに疑念を抱く氷見たちは、秘書たちの元へ乗り込む。

若月だけが隠し場所を教えられていた遺書には、遺産の全てをある財団に寄付すると書かれていた。こうして三人の秘書たちが、遺産目当てだったことが明らかになる。

さらに氷見は、浮田を騙していたことから、浮田の元を去っていこうとする若月に、浮田が危機管理を依頼した真意を教える。生前、若月が出版社の手先であることに気づいていた浮田は、口のうまい若月には、自分の全てをさらけ出すこと、そして、作家としてこれからも文章を書かせ続けなければいけないと考えていたと言う。その思いを受けた氷見たちは、若月に謝罪会見をさせ、本性を世間い晒すことにしたのだった。

浮田の思いを知った若月は、氷見の提案するままに、浮田との回想録を出版し、作家としてデビュー。師弟愛を描いたその著書はベストセラーとなり、若月は新人賞を獲得するまでに。

若月の才能に可能性を感じながらも、自らの死期が迫っていることから、その願いを危機管理という形で実現することになった浮田の願いは、こうして叶えられることになった。

後日、若月から新作を書いていると言う手紙が、氷見たちの元に届いた頃、政府主導の総合型リゾート計画「IR構想」に、かつて氷見が秘書として関係していた吾妻涼介(山本耕史)が、国内レジャー大手の社長、西村社長(飯田基祐)と協議を進めていると言うニュースが飛び込んでくる・・・。

第7話|電子マネー決済詐欺騒動とスピンドクターと政治家のつながり

顧客のカード情報が第三者に不正利用される事件がワイドショーで取り上げられ、その被害を受けたという藤枝修二(中川大志)。問題を起こした会社はスマートフォン決済サービス「ペイグッド」。あまりにもゆるいセキュリティが問題となり会社社長の工藤海斗(柳下大)は早速報道陣の前で謝罪会見を開く。しかしその会見で、あくまで会社側は被害者で問題は開発責任者にあるという印象操作をしており、すでにネット上でも開発責任者へのバッシングは大きくなっていた。

「ペイグッド」の開発責任者は、与田知恵(水川あさみ)の大学時代の先輩のエンジニアで、育休のため現在は経理職についている芦原江梨子(西山繭子)。しかし彼女はサービス開始時には育休に入りいわれのない被害を受けており、与田は彼女から話を聞き、依頼を受け危機管理を担当することになる。大学生の時に担当教授からセクハラを受けた時、江梨子に助けてもらったことのある与田は、経理職ではなくエンジニアとして再び働きたいという江梨子への恩返しとばかりに意気込む。氷見江(竹内結子)たちが東堂裕子(泉里香)に情報を渡したことから世間で「ペイグッド」の悪評が広がる。決済アプリ開発チームの社員に話を聞いた与田は、そのプロジェクトが政府の方針の影響を受けたもので、会社側が強引に発表した200億円キャンペーンによって、無謀なスケジュールで進められていたことを知る。

その後、江梨子の協力を得て、「ペイグッド」の金回りを調査した与田たちは、実際には2億円しかキャンペーンには使えないこと、さらにセキュリティに問題があったにも関わらず、それを無視して強引にキャンペーンを進めていたことを突き止める。与田は社会的制裁や損害賠償の可能性をちらつかせ、工藤に社長辞任を促す。素直に辞任を認めた工藤がだったが、後日、政府のリゾート開発「IR構想」を政府とともに主導するレジャー会社「マネークアミューズメント」が、ペイグッドを買収したというニュースが入る。工藤は、あらかじめマネークの社長、西村信太郎(飯田基祐)を通じ買収を準備していたのだった。村西から引き継いだ子会社の社長に就任した工藤だったが、その会社の株価が暴落。それは、マネークグループ内の不採算会社ばかりを集め、村西が工藤に”つかませた”ものだった。これらは全て決済サービスを欲しがっていたマネークの村西に氷見が話を持ちかけた計画だった。

そのことに気づいた与田は、マネークの村西と「IR構想」を主導する吾妻涼介(山本耕史)が普段から仲が良く、相当な額の政治献金をしていることを突き止め、全てを裏で仕切っていたのは氷見だったのではないかと疑いの目を向ける・・・。

第8話|大学裏口入学の起業家と会社社長とスピンドクター氷見の繋がり

髪の毛一本で、様々な病気を診断できる検査キット「フィニシス」。それは、帝都医科大学の、和久井純菜(森矢カンナ)と柏木さつき(伊藤麻実子)の二人の女性研究員による医療ベンチャー。純菜が研究費を得るために広報活動をし、さつきは研究に専念する形で役割が分担された共同研究は、テレビの特集番組の放送を機に世間での知名度は一気に上がり、出資者も続出、研究は順調かのように思えた。そんな最中、純菜の研究論文に不正があったことが明らかになり状況は一転。「フィニシス」の実用化をなんとしても成し遂げたいと考える純菜は、危機管理を鈴木法律事務所に依頼する。

帝都医大がすでに「血液」から様々な病気を診断できる技術で一定のシェアを得ていたことから、「フィニシス」の活動を快く思っていないのではないかと考えた氷見江(竹内結子)たちは理事長の葉山大作(長谷川初範)に話を聞きに行く。そこで、帝都医大が持つ「男尊女卑」の現状を知った氷見たち。

氷見は純菜に論文の不正を認める記者会見を開かせ、会見場で東堂裕子(泉里香)から純菜にとって不都合な情報を暴露させる。こうして純菜は完全に信用を失墜。同時にその裏でさつきがアメリカで「フィニシス」の研究を続けられるように手配し、「フィニシス」の研究は海外で続けられることになる。

さらに氷見は帝都医大の外部理事を務めるマネークアミューズメント社長、西村信太郎(飯田基祐)に、「セクハラ・パワハラ発言」の音声を証拠に葉山を理事長から退かせ、代わりに「女性の地位向上」を願う純菜を大学の理事につかせる。同時に会見で、大学が過去に行っていた女性に不利な入試試験での不正などを純菜から暴露させる。 その上で、純菜の「不正論文」が大学側の陰謀だったという情報を週刊誌に流し、純菜の名誉も回復させた氷見。

無事、帝都大学で理事となった純菜は、女性の地位向上を進めるべく、大学内の改革を進めることになり、氷見たちは、さつきと純菜の願いを全て叶えることになる。

しかし、理事長解任などが、あまりにもスムーズに進んだことに疑問を持ち始めた与田知恵(水川あさみ)は、氷見が今でも吾妻涼介(山本耕史)の政策に有利になるように動いていることに気づく。選挙を控えている吾妻のために、純菜たちクライアントの状況を利用し、吾妻と村西が帝都医大への裏口入学斡旋をしているという事実を揉み消していた。

アフターファイブの事務所で、与田からその事実を問い詰められていた氷見の元に、同じくその事実に気づいていた東堂から、発売を控えた週刊誌の記事が送られてくる。「お疲れ〜だね。」全てのことが明らかになってしまった氷見は、その一言を残し事務所を後にする。

第9&10話(終)|政党の不正選挙、五年越しの決着

五年前、明時党の若手議員、吾妻涼介(山本耕史)が初当選。その裏には明時党のドン・五十嵐幸夫(小野武彦)と現総務大臣の林光蔵(山田明郷)、さらに、マネークグループ・西村信太郎(飯田基祐)らによる不正選挙が行われていた。五十嵐らは、マネークグループの子会社でシンクタンクの「マネークアナリティカ」で働いていた田村光一を利用して、フェイクニュースを流し明時党が有利になるように画策していた。田村はその悪事を公表しようとするが党の圧力により阻止されついに自殺を選んでしまう。田村の同僚で、吾妻の妻であり、五十嵐の娘であった美咲(山崎紘菜)は、田村が悩んでいたことを夫・吾妻の政策秘書をしていた氷見江(竹内結子)に相談する。氷見は田村の自殺の真実をもみ消されないよう自らが「田村を殺した犯人」として罪を被り容疑者として逮捕される。その後、大学の同窓の鈴木太郎(バカリズム)に弁護士として雇われることになった氷見は、これまでの五年間、五十嵐らの悪事を完全に世に知らしめるために時機を見計らっており、鈴木と氷見の同窓だった吾妻も、義理の父である五十嵐が行なった悪事を暴くべく、この五年の日々を送ってきた。

氷見は与田知恵(水川あさみ)が自らのデスクにあった過去の不正選挙の記事を発見したことをきっかけに「鈴木法律事務所」の辞職を装って、五十嵐との最終決着へと動き出す。世間では吾妻議員の初スキャンダルが話題となり、不倫相手として氷見の名前が挙がる。そこで氷見は与田に連絡を入れて、氷見たちが行なっている計画を教え、協力を仰ぐ。

明時党から「危機管理」の依頼を受けた与田ら「鈴木法律事務所」は吾妻夫妻のイメージアップと対照的に、氷見の悪い部分を晒し炎上させる。それに対して氷見も「吾妻は嘘をついている」と反撃。こうして五十嵐と林大臣らはさらに厳しく氷見を追求するように与田らに指示。真野聖子(斉藤由貴)の情報網から「シンクタンクの個人情報の不正利用の顧客リスト」に氷見の名前がある証拠をあげる。与田が五十嵐らに「完全に氷見を潰す準備ができた」と話すころ、氷見は過激な男に襲撃されたことがワイドショーで報道され、世間で注目を集めていた。東堂裕子(泉里香)により「氷見の五年前の選挙違反」が報道されたことを最後に、あらかじめ準備していたマスコミを入れた明時党の「調査会」が開かれる。

「調査会」で完全に追い込まれたかのように見せかけた氷見は、会が終わる頃にこれまでの真実を話し始める。吾妻の説明により五年前の明時党の「不正選挙」が公にされ、追い込むように、藤枝修二(中川大志)が隠しとっていた五十嵐、林、村西らの極秘の会話と、真野が手に入れた五十嵐の「メール偽造」の証言も暴露。これらには東堂や茂呂裕也(佐野岳)の協力もあったことだった。

こうして、明時党のドン・五十嵐と林総務大臣は辞職、二人に協力していたマネークの村西も社長退任に追い込まれる。明時党は新たに吾妻を党首として再出発をすることになる。

「なすすべを持たない弱者のために権力者の不正を暴く。そのためにリスクを最小限にして最善の結果を出す」と言うスピンドクター氷見たちの仕事は、政党の悪事を世に知らしめる形で決着を迎える。

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