コロナパンデミックを機に、「リモート」という言葉が広く言われるようになりましたが、NHKが手掛ける「リモートドラマ」に、坂元裕二が脚本を担当する作品の放送が発表されました。
◯リモートドラマ【Living】キャストあらすじや音楽。広瀬すずアリス、永山兄弟、中尾仲夫妻らが阿部サダヲ主演作出演
広瀬すず主演のドラマ「anone」以降、ドラマの仕事からは遠ざかっていた坂元裕二が地上波に戻ってくると、ファンの方も喜んでいるはず。
絵的に変化が少なくても会話だけで魅せることができる人といえば、坂元裕二しかいない!(そんなことはありませんが笑)という声もちらほら聞こえて来ます。
今作のゲストには広瀬すず、アリス姉妹だけでなく「家にいて撮影できる」という共通点のあるキャスティングがされています。
2020年以前は「瑛太」の芸名で活動していた永山瑛太と、実の弟の永山絢斗、さらには、青木崇高と優香、中尾明慶と仲里依紗の「夫婦」もキャスティング。
放送の発表後には、結婚を発表したばかりの窪田正孝と水川あさみ夫妻へのオファーがあったことも報道され、窪田・水川夫妻の共演も見てみたかったという声も聞こえてきそうです。
◯窪田正孝&水川あさみ夫妻、“初共演”ドラマをスピード降板! 「異常事態」とNHK関係者も驚きの事態(2020/05/25 08:00)|サイゾーウーマン
ということで、NHKリモートドラマ【Living】のネタバレです。それぞれのインタビュー記事も転載させていただいています。
企画から完成までのこちらのインタビュー記事もおすすめです。
◯坂元裕二脚本『リモートドラマ Living』がファンタジーになった理由 制作統括・訓覇圭に聞く|Real Sound|リアルサウンド 映画部
第1話 ネタバレ
初回放送|2020年5月30日(土)[総合]23:30~23:45
出演|広瀬アリス × 広瀬すず 壇蜜(声)/阿部サダヲ
あらすじ|一緒に暮らしている仲良し姉妹。はた目には平凡な生活を送っているように見える彼女たちだったが、実は誰にも見せない“裏の顔”があり…。
(*ここからネタバレ。)
「もう人類は滅んでいるのでは?」しばらく部屋から出ていない作家(阿部サダヲ)は、どんぐり(壇蜜)に打ち明ける。するとどんぐりは、「地球にとってはその方がいいことだ」と言う。人類は、地球にとって何一ついいことなどしていない。「人間の長所は何か教えてください。」というどんぐりに作家はパソコンに向かい言葉を紡ぐ…。
#1 ネアンデルタール
人間。ホモサピエンス。人間は地球上では弱者。弱いからこそ皆で協力して力を合わせる。それが人間の長所だ。私は、勅使河原クコ(広瀬すず)。21歳、獅子座、無職。特技はハーモニカを鼻で吹くこと。そして、姉の勅使河原シイ(広瀬アリス)は、25歳、魚座、ダンスインストラクター。特技、同じ。
昨日飲み過ぎたから、たまにはホモサピエンスが食べる「お米のおかゆ」がいいというシイ。シイは昨日、野本くんに誘われて行った。野本くんは沢谷さんが好きみたいで、野本くんは、ずっと、沢谷さんと話していて、シイは一向に相手にされなかった。シイは「愛は種を越えられると思うよ。」と言う。
パンケーキを食べて、長く歩けない。けれど優しい「ホモサピエンス」。そんなホモサピエンスのオスである野本くんに気にられたいシイ。しかしクコは、優しいのは、ただコミュ力があるだけで、ホモサピエンスは社会の輪から外れたら露骨にいじめてくるぞ、という。マンモスや日本狼やドードーのように、自分たちネアンデルタール人が滅びていいのかと訴えるクコ。ホモサピエンスのオスと付き合うということは、ネアンデルタール人の絶滅を意味する。絶滅は避けたい。けれど、ネアンデルタール人も最近はほとんど見られない。シイはこの間「ネアンデルタール人っぽい人」を見たという。その人は、アイスの蓋を舐めていて、足を大きく開いて、食べかすもいっぱいつけていた…。
電話の相手と嬉しそうに話し、「本当?」を連発するクコ。クコはシイが部屋に入ってきたので慌てて電話を切り、勧誘の電話だと誤魔化す。
一緒にお酒を飲み始める二人。
ダンスを教えている生徒から頻繁に誘われるというシイ。ホモサピエンスたちは楽しいけどムカつくから誘いには乗っていないと言う。なぜならホモサピエンスの意味は、ラテン語で「賢い人間」だから。自慢かっ。そんなシイの話しに対して、いつも以上にホモサピエンスをかばうクコ。クコの携帯電話に葉山くんから電話がかかってくる。高校の同級生で、この間駅でたまたま会ってメールアドレスを教えただけだという。葉山くんはホモサピエンス。雨が降った時に傘を貸してくれたり、普段、先生にたてついているけど、卒業するときは先生の前で号泣してるような人。まさに”ちょっと悪くて、ちょっとかわいい人”で、ホモサピエンスの中で一番モテるやつだと騒ぎ立てるシイ。
「ミーティグのことを「MTG」といい、朝からシャンプーするホモサピエンスともんじゃに行く?プレイリストとか交換しちゃうの?」と興奮するシイ。
それでもクコはそんなホモサピエンスの葉山くんが好きだという。シイは、好きな人と一緒にいる方がいいと喜ぶが、クコは、ネアンデルタール人の40万年の歴史が終わってしまうと嘆く。
ホモサピエンスは長く歩けないかもしれないけど、いいところもあると信じよう。
こうして二人は得意のハーモニカを鼻で吹く…。
(こうしてネアンデルタール人は絶滅したのであった。)
どんぐりは言う。「ネアンデルタール人までは仲間意識があったが、その先はさっぱり…。」分厚い本でどんぐりをつぶす作家だったが、隙間から逃げ出したどんぐりは「センセー、締め切りですよ」と言い去って行く…。
広瀬すず、広瀬アリスインタビュー
〜以下【エンタメ】広瀬アリス&すず、リモートドラマで共演「ここだけの空間を楽しめた」から引用〜
――収録を終えて、共演した感想を。
アリス 初めて2人でお芝居をやったので面白かったです。姉妹だからこそ自由にできる感じもあって、まさにリビングで会話しているようでした。テイクを重ねれば重ねるほどテンポが自然になっていって、面白かったです。一度テストをやった後、ここはちょっとテンポアップしたいなって思ったところをお互い自然と修正していて、あぁやっぱり通じるんだなって。安心感がすごかったです。
すず お会いしたことがない初めましての役者さんだと、多少駆け引きしながらだったり、様子を伺いながらみたいな部分が必ず現場で出てきてしまうんですけど、(今回は)お互いが自由に、自分が思うようにやりたいようにやっている感覚があって心地よかったです。坂本さん独特のリズム感の二人芝居なので、大変かもしれないと思っていましたが、姉妹なので楽しく演じられました。
――リモートドラマの面白さは?
アリス 見慣れた場所での撮影ということで、なかなか普段は出せないようなリラックスした感じがありました。
すず 周りにスタッフさんがいない空間での撮影っていうのは今までなかったことですし、相手も姉だし、ここだけの空間を楽しめたような気がしました。
――見どころを。
アリス 姉妹でやるということもぜひ楽しみにしていただきたいですし、Livingという題名にしっかり合ったリビングでのゆるーいひとコマ、自然体なゆるーい掛け合いだったりを楽しんでいただければ良いなと思っております。
すず お芝居の中で私たち2人にすごく特殊な設定があるので、見ている方全員が突っ込みたくなるような会話や、私たちのシュールな葛藤をくすっと笑ってもらえたら嬉しいなと思います。
〜引用終わり〜
第2話ネタバレ
初回放送|2020年5月30日(土)[総合]23:45~24:00
出演|永山瑛太 × 永山絢斗 壇蜜(声)/阿部サダヲ
あらすじ|舞台は近未来の日本。“過去にはやった料理”を作ることを生業なりわいとする兄弟のもとに、ある朝、1通の手紙が届いて…。
(*ここからネタバレ)
人間が終わっても世界は終わらない。と言うどんぐり。作家は、それは間違っている。そのことを証明してやると言って、パソコンに向かい文字を打ち始める。「人間は…、人間は…」
#2 国境
令和の次の時代。「とりあえず」「怒る」「悲しい」と言う言葉が使われなくなっていた。学校の道徳の教科書では「どうせ失敗するんだから諦めなさい」「どうせ誰が何やったって、最後は失敗しますの気持ちで行いなさい」と教えられている。
過去に流行った料理を作る仕事をする兄弟。この日作るのは、潰したひき肉と玉ねぎとじゃがいもを平たい円形にしてパン粉をつけて油で揚げるものだが、二人はこの料理の名前を知らない。
憧れである管理人さんの話をする二人。白いブラウスを着ていて、髪を下ろしていたと大盛り上がり。このキッチンに管理人さんを呼んでおしゃべりして食事を食べたらなんて嬉しんだろうと話す二人。二人の仕事も、昔の食べ物が好きな偉い人たちによって成り立っていたが、この頃、その偉い人たちによって再び戦争が始まっていた。この間まで休みになっていたこの戦争のきっかけは、令和時代のインターネット上の匿名のアカウントが突然、本名アカウントに変更したことがだった。その結果、兄弟でも別の国籍になると言う「国境」ができた。
弟にはアプリコットオレンジ、兄にはペパーミントグリーンの「紙」が来ていた。二人は戦争は面倒だと話すが、兄は弟に聞く。「あんた、もし戦争のところで俺にあったら撃つ?」
そう聞かれてはっきりと答えない弟は話始める。「溺れちゃった子と一緒に川で遊でたの僕です」と言う代わりに、兄から「欲しかった石」をもらったことがあった。その後によそに預けられることになっても、そのことは内緒にしていた、と話をする弟。特に意味はない、思い出しただけだと言う。
「それ、戦場で思い出したとしたら撃つ?」と聞く兄。
反対に「あんたは俺撃つ?」と聞く弟に、話をはぐらかす兄。
兄は傘を忘れた話を始める。女の人と一緒に住んでいた時に弟が傘を忘れていった。傘を届けに行こうとしたら、階段の一番上で滑った、「300円の傘だからいい」と言ったのに、彼女は滑ってしまった。
「二人とも撃つかもね。しょうがないか」と言う二人。
そこへ、管理人さんがやってくる。「管理人さんとはもうすぐ会えなくなるから」と兄に言われ管理人さんに会いに行く弟。管理人さんは一人ではなかった。弟は兄に、管理人さんに次あったら「おめでとうございます」と言った方がいいと言う。
完成したコロッケを食べる二人。「うまい!うまいね!」
「人類は嫌われ者だと言うことはわかってる。そうなりたくて作家になったのだ。しかし、現実の人間が醜すぎて作家の毒が毒ではなくなってしまった。」それでも作家は、「人は素晴らしい。」と言う。仕事の邪魔だとどんぐりを投げ捨てる作家だったが、三つに増えたどんぐりは言う。「センセー、そろそろ、この世の締め切りですよ。」
https://twitter.com/amekkos/status/1266856092207681537?s=20
永山瑛太、永山絢斗インタビュー
〜以下永山瑛太&永山絢斗、兄弟初共演「最初は照れた」「芝居は楽しい」 | ORICON NEWSから引用〜
――収録を終えて、共演の感想?
【瑛太】兄弟だからといって特に意識することなくやれました。いろいろなことを少しずつ微調整しながら、キャラクターはこうだよねっていうディスカッションをしつつ、リハーサルの過程では監督がいなかったので、あんまり決めすぎないように、2人で作りながらも余白を残して楽しんでいったっていう感じです。
【絢斗】初めて兄貴と共演したので最初は照れましたけど、それはすぐになくなりましたね。せりふの量が多いので、買い物行くときも台本を手放せなかったですし、寝る時も枕元に置いて朝起きてもお風呂の中でもトイレの中でもせりふのことで頭グルグルしてました。無事に終わってよかったです(笑)
――リモートドラマの面白さは?
【瑛太】画面越しに監督とディスカッションをしながら進めたのですが、リモートで打ち合わせや衣装合わせを重ねていくうちに、お会いはしてないけれど信頼感が結ばれていくという感覚がすごく新鮮でした。今、こんな大変な状況の中だけれど、やっぱりお芝居をするのは楽しいなということを感じました。
【絢斗】視覚から入ってくる情報も、場所も、普段の撮影と違うなって思いましたし、スタッフさんが周りにいないっていうのもやっぱり不思議でした。でも、スタッフの方たちと、何分割かで見てる(リモート打ち合わせの)画面の中でお会いするというのは新鮮で良かったです。
――見どころは?
【瑛太】兄弟姉妹夫婦という、実際の関係性が濃い2人がお芝居をするので、その2人の関係性を見るという面白さはあると思います。それと、坂元さんの本が素晴らしいので、本当に見ていただきたいです。
【絢斗】僕も同じです。3話・4話の内容はまだ知らないので、そこは視聴者として楽しみにしている部分もありますが、撮影が楽しかったので、ちょっと今終わってしまって寂しいです。
〜引用終わり〜
第3話ネタバレ
初回放送|2020年6月6日(土)[総合]23:30~23:45
出演|中尾明慶 × 仲里依紗 壇蜜(声)/阿部サダヲ
あらすじ|「妻より怖い存在はこの世にいません」、愛しているからこそ、妻に怒られ、捨てられることを恐れる1人の夫。そんな気弱な彼がある日、ちょっとした特殊能力を手に入れた。その能力とは…
(*ここからネタバレ。放送後更新予定)
〜以下こちらから引用〜
― 収録を終えて、共演の感想
中尾:もっと笑ってしまってNGを出したりするのかなと思っていたんですが、意外と照れはありませんでした。ストーリー自体が短いので、キャラクターをつかむのは普通の共演者相手でも難しいと思います。短いドラマですけど、2人で稽古もしました。家族ならではだと感じたのは、たたくシーンで遠慮がない(笑)。普通の共演者だったらもっと遠慮すると思います。
仲:普通だったらたたかれるほうも気を遣って「痛い」とは言わないと思いますけれど、今回はすぐに「痛い」って。そういう気遣いがありませんでした(笑)。今回リモートに挑戦してみて、短くても即興で面白いムービーを自分たちで作って世の中に届けられる可能性を感じました。
これを私たちの新しい武器にできたら今後の役者人生がもっと楽しくなるんじゃないかと思います。
― 脚本について
仲:セリフに出てくる「靴下が脱ぎ散らかされている」エピソードなどがリアルなので、当て書きかなと一瞬思いました(笑)。辛いときもぶつけ合わないとだめなんだ、楽しいことも辛いことも全てを一緒に共感して夫婦なんだというのは脚本から強く感じました。
中尾:ちゃんと相手に向き合わなければいけないというのは、夫婦に限らず、友人や両親が相手であっても言えると思います。本当に素敵な物語です。
― 見どころ
中尾:最終的には大事なメッセージがありますが、序盤はかなりコメディなので夫婦だから出せるコミカルな雰囲気を楽しんで頂きたいなと思います。笑える作品になっていると思います。
仲:私たち2人を結婚してから見てくださっている方はSNSのイメージが強いと思うので、こういう形で、2人の雰囲気を持たせつつ、お芝居をしているというのは新鮮に楽しんで頂けるのではないかと思います。どういう反応があるかすごく楽しみです。
〜引用終わり〜
第4話ネタバレ
初回放送|2020年6月6日(土)[総合]23:45~24:00
出演|青木崇高 × 優香(声) 壇蜜(声)/阿部サダヲ
あらすじ|出産直後の妻に風邪をうつさないよう、自室に籠もって過ごしている夫。会社を休み、ぼーっとテレビを見ていると、ある野球中継が目に留まる。野球の試合は自粛されているはずなのだが…。
(*ここからネタバレ。放送後更新予定)
〜以下青木崇高、初経験のリモートドラマ「自分の人生に残るドラマになる」:北海道新聞 どうしん電子版から引用〜
――一人で収録を終えた感想は?
【青木】空間的には一人芝居ではあるのですが、坂元さんの本のおかげで孤独ではありませんでした。キャラクターが成立するための感情や、その人が生きてきた道筋がちゃんと描かれていますし、奥さんがモニターの向こうにいるという細かい設定があって、一人ではないという状況を作ってくれていました。リモート画面の向こうに大勢のスタッフさんもいらっしゃったので、一人という感覚はありませんでした。
――脚本については?
【青木】単純にすごく感動して泣けました。注目される側ではない人生のストーリーを掘り下げていて、共感もしましたし、引き込まれました。まさかのタイミングではあるけれど、ずっと心の底にこびりついていた出来事に向き合わせてもらえたこの人は幸せな人なんじゃないかと思います。ファンタジーな部分もあるんだけれども、とてもリアリティのある、本当にすごく素敵な脚本ですよね。
――見どころは?
【青木】見どころは映像だけでなく、制作する段階から始まっていると思います。リモート制作でドラマを作るということ自体、すごく考えることがありました。やはりドラマはいろいろな事が落ち着いてから撮影する方が良いんじゃないかという思いもあったんですけれど、最終的には制作の意欲に乗りたいという思いで引き受けさせていただきました。この時期にこのドラマを制作したという姿勢も見どころというか、誇らしいことになったらと思います。間違いなく自分の人生に残るドラマになるので、しっかり向き合いたいと思って頑張りました。
〜引用終わり〜