第100作目となる朝ドラ「なつぞら」
広瀬すず主演の今作は、戦争を機に両親を亡くし、兄妹とも別れ離れとなってしまった少女が主人公です。
身寄りのなくなった主人公・なつは、父親の戦友だった、北海道の酪農家の婿養子に引き取られ、牧場を手伝いながら高校を卒業し、漫画家を目指すというストーリー。
そんな朝ドラ「なつぞら」の各話ごとのあらすじをネタバレでご紹介します。
第61話
1957年春。なつ(広瀬すず)が仕上課で働き始めて5ヶ月経ったころ、動画の総枚数、およそ6万5千枚にも及ぶ「白蛇姫」の仕事は、作画課とともになつたち仕上課の仕事も終わりを迎えていた。
その日、新婚旅行を兼ねて北海道から新宿に来ていた照男(清原翔)と砂良(北乃きい)が、「風車」を訪ねてくる。なつの夢でもあったバターづくりを砂良が受け継いでいることに喜ぶなつ。亜矢美(山口智子)と咲太郎(岡田将生)も、二人と顔を合わせ、盃を共にする。「好きな仕事を頑張って、必ず夢を叶えてみせる」富士子(松嶋菜々子)にそう伝えて欲しいと砂良に言葉を託すなつだったが、気がかりなのは戦後に生き別れたまま親戚の家で暮らしている妹、千遥のことだった。
「風車」を後にする照男に、なつは新宿で買った家族全員分の手袋をプレゼントする。帰り際に砂良が気づいた満月をともに見上げるるなつ。その同じ月を泰樹(草刈正雄)もまた北海道で見上げ、なつのことを思っていた。照男と砂良と再会し、久しぶりに北海道の風を吸い込んだ気がしたなつは、その日も夜遅くまで、アニメーターになるため、絵を描き続けていた。
第62話
いよいよ幕が開けた咲太郎(岡田将生)の劇団の公演「人形の家」。雪次郎(山田裕貴)と共に初めて本物の演劇を観に行くことになったなつ(広瀬すず)。その演劇に感動したなつと雪次郎は公演後、咲太郎を通して劇団の看板女優、亀山蘭子(鈴木杏樹)に紹介してもらう。それぞれを紹介し合う中、蘭子から、芝居が好きなのにお菓子の道を選んだことに感心された雪次郎は、そのことにショックを受る。
「人形のように育てられ、結婚してからも大切にされてきた妻が、ある日、目覚めて家を出て行く。」これは”女は家の中にいるもの”という常識を打ち破るような運動だという咲太郎。しかし雪次郎は、演劇の本質は「人間を描写することだ」と、イプセンの言葉を引用し、蘭子の演技を見て初めてそのことを実感することができたという。
なつもまた蘭子の演技に影響を受け、もっとうまく絵を描きたいと、動画の線を綺麗に描くクリーンナップの練習に励んでいた。
このころ時間に余裕のできていた仕上課で、新人たちは新たにトレースの練習することになる。そこでなつは、石井富子(梅舟惟永)から十枚の絵をトレースするように言われるが、書き終えた全ての絵を重ねたなつの絵の線は、全く同じ絵をトレースしたのにも関わらず、どれもバラバラで線がずれてしまっていた…。
第63話
トレースでずれてしまった線は、アニメーションになった時に使い物にならない。現役のトレーサーでさえも、完璧にその線が重なることはないが、そのかすかな動きがアニメーションに命を与えることになる。石井富子(梅舟惟永)は、仕上課の新人たちを前に、てレースの仕事の重要さを伝える。
昼食の時、服のコーディネートについて話していた桃代(伊原六花)となつ(広瀬すず)。その話を聞いていた下山克己 (川島明)は、二人が一度も同じコーディネートをしていないと、これまで描いていた二人の洋服の絵を見せる。二人のどちらかが同じ服を着ていたら描くのをやめようと思っていたが、二人が毎回違うコーディネートをしているため、やめられずに描き続けているという。「同じ服装が来たら逮捕するからね」という下山に桃代は「絶対に逃げ切ろうね、なっちゃん!」と気合を入れる。
その後久々に訪れた「川村屋」では、昨年末からテレビが置かれるようになった影響から、ますます商売繁盛していた。光子(比嘉愛未)、野上(近藤芳正)、佐知子 (水谷果穂)たちとの再会を喜んでいたなつ、そこへ信哉 (工藤阿須加)がやってきて、自分が取材したニュースが流れるから一緒に見ようという。それは東京の迷い子のニュースで、なつはそれを観ながら妹、千遥のことを思い出していた。そしてなつは信哉に妹探しに協力して欲しいと願いでる。
「一目見るだけでもいいから、千遥を探したい。」なつの思いを聞いた咲太郎(岡田将生)は、かつて自分が孤児院を出てすぐに千遥を探しに行き、それでも会えなかったことをなつに伝える。なつの母のいとこ、川谷としが孤児院に送った最後の手紙を手に、なつは家族との再会を夢見ていた。
第64話
日本初のカラーアニメーション映画「白蛇姫」の製作が、アフレコの段階まで来ていたころ、なつ(広瀬すず)はトレースの練習に励んでいた。同時に、家で描いていた動画を、仲 努(井浦新)に手渡し評価を待っていた。しかし仲は、なつの描いた動画を麻子(貫地谷しほり)に手渡し麻子の評価を得ようとしていた。
アフレコの段階まで来た「白蛇姫」だったが、演出をする露木重彦(木下ほうか)との不仲からから、当初担当してた声優が降板してしまい、新たに白娘の声に蘭子(鈴木杏樹)がキャスティングされていた。活動弁士をやっていた豊富遊声(山寺宏一)とともに劇団のためと思い、咲太郎(岡田将生)とともに慣れない仕事をする蘭子。なつはそのアフレコスタジオに仲とともに見学へ向かう。
そのころ、なつの動画を見た麻子は、仕上課でなつの上司である富子(梅舟惟永)の元へ向かう。「彩色の仕事は丁寧だけど、とにかく作業が遅い。」なつは動画を描くのはとにかく早いと聞いていた麻子は”なつは天才なのかただの素人なのか”となつの実力をうまく測れずにいた。
アフレコスタジオで自分の案が採用された白娘が泣くシーンを、涙を浮かべながら見ていたなつ。見学を終えたなつは、仲から東洋動画で製作する次の作品が決まったこと、さらに再び作画課のテストを受けないかと誘われる。
第65話
4月に行われる作画課のテストに参加することになったなつ(広瀬すず)。その朗報に咲太郎(岡田将生)や亜矢美(山口智子)たちも喜ぶ中、煙カスミ(戸田恵子)の付き人の土間レミ子(藤本沙紀)は役者の夢を叶えるため、咲太郎の劇団「赤い星座」に入りたいと相談する。咲太郎もまた、付き人をしている亀山蘭子(鈴木杏樹)が「白蛇姫」のアフレコの仕事をしてからというもの、「声優」という仕事に感動していた。そして咲太郎は借金完済と挨拶のため「川村屋」に訪れた際に、外国のテレビ映画に日本語を吹き替えて放送する作品を見て、新たな可能性に希望を見出していた。
なつはクリーンアップの練習を続け、三度目となる東洋動画スタジオ作画課の試験を受け、誰よりも多い50枚の動画を描き、誰もがその成長ぶりと可能性を認めざる得ないという理由から、試験に合格し、ついにアニメーターという夢を叶える。作画課の大沢麻子(貫地谷しほり)や下山克己 (川島明)からも迎えられ、仕上課の上司、石井富子(梅舟惟永)からも励ましの言葉をもらったなつ。その気持ちをなつは泰樹(草刈正雄)への手紙に綴っていた。
「じいちゃんは、くわを手にまだ何もない大地を耕しました。私は鉛筆を手に、まだ何もない世界を耕しています。じいちゃんの歩いた道はまだまだ遠いけれど、いつかそこに辿り着けるように…。私頑張るからね、じいちゃん。じいちゃんに今度会うときまでに、私のこの道をしっかり歩ける人になっていたいです。それがどんなに小さな道でも、自分の大切な道を誇れるように、じいちゃんに示したいです。どうか、そのことをじいちゃんから父さんや母さんにも伝えてください。そっちに帰れなくても、大好きなじいちゃん。じいちゃんはいつでも私の一番の誇りです。」
第66話
1957年夏。東洋動画では次回作「わんぱく牛若丸」の製作が決まり、作画課ではその登場人物たちのデザイン案をアニメーターたち全員で出し合うことになる。期限はお盆明けとなり、なつ(広瀬すず)も参加することに。そこへ7月に公開された「白蛇姫」が大ヒットしているという報告とともに、東洋映画社長の大杉満 (角野卓造)が作画課に挨拶へやってくる。「お母さんは昔、こんな漫画映画を作っていたと誇れるように頑張って欲しい」大杉社長から言われたことに腹を立てていたなつだったが、麻子(貫地谷しほり)から「辞めないで欲しいと思われるほどに実力を持てばいいじゃない。期待してないけど。」と言われる。
自らの夢を鉛筆で表現するかのように、このころは仕事で悩むことにワクワクするような時を過ごしていたなつ。
そこへ千遥を見つけたと信哉 (工藤阿須加)が「風車」へやってくる。なつの母の仲のよかったいとこで、千遥を引き取った川谷としの夫・川谷幸一が、戦争で怪我をしたことを機に千葉県船橋へ引っ越し、そこで千遥らしき女性を目撃したという。なつと咲太郎(岡田将生)は、お盆の1957年8月15日に千遥の元へ行くことに決める。
こうして信哉から教えられた千遥がいる可能性のある親戚が住む家に向かったなつと咲太郎。足を引きずった中年男性とその男性を介抱する若い女性が、千遥が暮らしていると思われる「栄春荘」から出てくる。思わずなつは「千遥?」とその女性に向かって呼びかけてしまう…。