第100作目となる朝ドラ「なつぞら」
広瀬すず主演の今作は、戦争を機に両親を亡くし、兄妹とも別れ離れとなってしまった少女が主人公です。
身寄りのなくなった主人公・なつは、父親の戦友だった、北海道の酪農家の婿養子に引き取られ、牧場を手伝いながら高校を卒業し、漫画家を目指すというストーリー。
そんな朝ドラ「なつぞら」の各話ごとのあらすじをネタバレでご紹介します。
第79話
「短編映画をゼロから作る」
麻子(貫地谷しほり)とともに仲 努(井浦新)に呼び出されたなつ(広瀬すず)は、若手育成目的から企画・構成・演出・アニメーション全てをゼロから行うプロジェクトメンバーに抜擢される。元々は、麻子を中心に考えたものだったが、なつも可能性を期待され参加することになり、演出には「イッキュウ」こと坂場一久(中川大志)が参加しチームを組むことになる。こ話し合いの末、描きたい題材を探し翌日に発表することになったなつ。そんななつの職場に富士子(松嶋菜々子)から電話がかかってくる。
その頃北海道の柴田牧場を千遥(清原果耶)が訪れていた。
かつて咲太郎(岡田将生)が送った手紙を頼りにやってきたという千遥だったが、自分が来たことを姉・なつには知らせないで欲しいという。事情を話したがらない様子の千遥を見て泰樹(草刈正雄)は、「来てくれただけで嬉しい。ここは千遥の家でもあるから、ゆっくりしていけばいい」という。
こうして柴田家に温かく迎えられた千遥だったが、富士子は千遥の願いとは裏腹に”伝えないわけにはいかない”と考え、千遥には伝えないままなつに電話したのだった。
ロケ地・撮影場所 |服部牧場
千遥(清原果耶)が乳搾りをしていた柴田牧場の新牛舎のロケ地|神奈川県愛川町 「服部牧場」愛甲郡愛川町半原6087)
第80話
「素敵なお嬢さんのように見える。」富士子(松嶋菜々子)が伝える千遥(清原果耶)の様子に安堵し、千遥が生きていることに感涙するなつ(広瀬すず)は、北海道へ戻ることを決意する。動き出したばかりのプロジェクトが進まなくなってしまうが、事情を知っていた下山克己 (川島明)は快く快諾し、麻子(貫地谷しほり)も企画を考えることならどこでもできるから大丈夫だという。
早速「風車」に戻ったなつは、咲太郎(岡田将生)と合流し今一度柴田家に電話を入れる。
その頃、柴田家にいた千遥だったが、連絡を聞いた剛男(藤木直人)が帰宅した頃、柴田家を後にしようとしていた。そこへなつからの電話を受け、緊張したまま千遥は電話口でなつの声を聞く。電話を代わった咲太郎と話していた最中に突如電話を切ってしまった千遥。千遥は幼少期の記憶がおぼろげでだったが、電話口で姉と兄の声を聞いた途端記憶が蘇り、混乱のあまり電話を切ってしまったという。
かけ直したなつから「今すぐに北海道に行くから待ってて欲しい」と終われ、千遥は柴田家で兄と姉のことを待つことになる。
ロケ地・撮影場所|農道
柴田牧場までの緩やかなカーブを描く道のロケ地|茨城県つくばみらい市
第81話
13年ぶりの電話越しの再会となったなつ(広瀬すず)たち兄妹。その日の夕食で千遥(清原果耶)は、柴田家から様々な話を聞いてなつが恵まれた生活をしていたことに喜びを感じていた。そして千遥は自分が六歳で叔母の家を出た後、置屋に引き取られそこの女将に娘として育てられてきたという。
明美(平尾菜々花)からなつの写真を見せられ漫画映画について聞くが、それは直接なつから聞いて欲しいと富士子(松嶋菜々子)に言われる。そんな富士子は「辛いことはないはずだ」と千遥に対してかすかな心配をしていた。
翌朝、なつの服を着て泰樹(草刈正雄)から搾乳を教えられすぐにコツを掴み搾乳することができ喜んでいた千遥の元へ、帯広で働いていて連絡を受けた信哉 (工藤阿須加)がなつたちより一足先にやってくる。そのさい千遥は、信哉が撮ったカメラに嫌悪感を抱き、その写真は誰にも見せないで欲しいと言う。
その翌朝、なつと咲太郎(岡田将生)は帯広に到着し「雪月」を訪れていた。
第82話
雪之助(安田顕)の運転で柴田牧場まで向かったなつ(広瀬すず)と咲太郎(岡田将生)。久々の再会を喜ぶのもつかの間、なつたちがくる直前に千遥の姿が見えなくなってしまったと言う。その後、朝食の席で千遥が置屋で幸せに育てられたこと、そして驚いて電話を切ってしまったことを教えられたなつと咲太郎。そこへ佐々岡信哉 (工藤阿須加)がやってきて昨日撮った千遥の写真を見せる。写真を嫌がる千遥を撮影した信哉のせいでいなくなったのかもしれない、と、すっかり打ち解けたのに千遥が突然いなくなったことに誰もが困惑していた。
泰樹(草刈正雄)は千遥が搾乳をした時の嬉しそうな笑顔を見て、かつてのなつのように”その笑顔に嘘はなかった”こと、だから、千遥の方から必ず知らせが来るはずたとなつを励ます。
さらになつは千遥がなつの服を着て作業をしていたこと、砂良(北乃きい)のことを勘違いして「お姉ちゃん」と呼んだ千遥のその声が、なつを嫌っているわけではなく心から会いたがっていたことをなどを教えられる。
そんな翌朝、バターづくりをしようとしていたなつたちの元に、千遥から一通の手紙が届く。
第83話
千遥(清原果耶)が柴田家から姿を消してから二日後になつ(広瀬すず)と咲太郎(岡田将生)あてに届けられた千遥の手紙は、帯広から送られたものだった。なつは手紙を柴田家の皆に聞こえるように読み上げる。
手紙には、叔母の家を出てから線路をたどっていたところ一人の復員兵に助けられ、今暮らしている置屋に売られたこと、その後、その置屋の女将・光山なほ子(原日出子)の養女となり本当の娘のように育てられ、立派な家柄の男性に見初められ結婚が決まった、と書かれていた。そして、それを機になほ子からかつて咲太郎が叔母宛に送った手紙を見せられ、北海道まで会いに来たのだと言う。
しかし、嫁ぐ先で千遥が浮浪児だったことがわかってしまた場合、それは「破断」を意味していて、本当の姉と兄とは縁を切らなければならない。だからこそ最後に姉が幸せに暮らしていることを確認し、永遠に別れることを決意していたのだと書かれていた。
実際に柴田牧場を訪れ、なつが恵まれて育ったことすぐに実感し、なつと咲太郎と電話口で話したことで、今まで思い出せずにいた記憶が次々と蘇り、今直接会ってしまったら別れられなくなると思い逃げ出してしまったと言う。
なつはあまりの悲しさに涙が止められずにいたが、その手紙の最後には、千遥が記憶を頼りに描いたと言うなつと咲太郎の似顔絵が描かれていた。
「うまいな」「うまいね、上手だね、千遥…。」なつは咲太郎とともにその絵を見て涙を流す…。
その後なつは一人絵やに戻り、千遥が置いていったままだった千遥が着てきた服を抱きしめて、千遥のことを思い涙を流すのだった…。
第84話
千遥(清原果耶)が写真を撮るのを嫌がったのが二人に残したくなかったと知った信哉 (工藤阿須加)。咲太郎(岡田将生)は、「これからは千遥が生きていると言う確信を持って祈ることができる」と感謝を伝える。
その頃なつ(広瀬すず)は、三年ぶりに天陽(吉沢亮)の元を訪れ、自分の仕事のことや妹が来たことを報告する。そこで天陽が青年団の演劇を手伝っていた時に、開拓農家の娘・靖枝(大原櫻子)と出会い、結婚したことを教えられる。以前とは変わってしまった天陽との関係に戸惑い寂しさを感じていたなつ。そのことを泰樹(草刈正雄)に打ち明けたなつ。「わしだって寂しい。寂しくてたまらん。人間は家族といても一人で生きなきゃならん時がある。だから、離れていても支え合う。わしとお前は支え合ってるべ。」
その夜、いつものように夕食をとっていたなつや咲太郎と柴田一家のところへ夕見子(福地桃子)が帰ってくる。「ただいま。何さこの家は、女は働いて飯を作り、男は座って飯を待つ。相変わらず遅れてますもね。」