第100作目となる朝ドラ「なつぞら」
広瀬すず主演の今作は、戦争を機に両親を亡くし、兄妹とも別れ離れとなってしまった少女が主人公です。
身寄りのなくなった主人公・なつは、父親の戦友だった、北海道の酪農家の婿養子に引き取られ、牧場を手伝いながら高校を卒業し、漫画家を目指すというストーリー。
そんな朝ドラ「なつぞら」の各話ごとのあらすじをネタバレでご紹介します。
第21週「なつよ、新しい命を迎えよ」121~126話 8月19日(月)〜8月24日(土)
なつ(広瀬すず)は妊娠を咲太郎(岡田将生)や、富士子(松嶋菜々子)ら十勝の家族に報告し、盛大な祝福を受ける。そんな中、麻子(貫地谷しほり)が日本に帰ってくる。なつたちの新居を訪れた麻子は、アニメの制作会社を設立したことを伝え、もう一度、現場に復帰しないかと坂場(中川大志)に話を持ちかける。坂場にとっては願ってもないチャンスだが、なつたち共稼ぎ夫婦には子育て問題が大きく立ちふさがる。そんな不安を抱えつつも、臨月を迎えたなつは仲(井浦新)や神地(染谷将太)らに見送られ、産休に入る。予定日が迫る中、なつは突然の腹痛に襲われる。一大事というタイミングで現れたのは、富士子や泰樹(草刈正雄)たちだった。
第121話
妊娠の報告のために兄・咲太郎(岡田将生)の声優プロダクション「風車プロダクション」を訪れたなつ(広瀬すず)。一人事務仕事をしていた光子(比嘉愛未)にいち早く報告し、直後に戻ってきた咲太郎たちにも新たな命を身ごもったことを伝える。このころテレビ漫画の製作は東洋動画以外でも盛んに行われ、蘭子(鈴木杏樹)、土間レミ子(藤本沙紀)、島貫健太(岩谷健司)、松井新平(有薗芳記)たち四人は、関東プロダクション製作のアニメ「バケモノくん」への出演が決まったと言う。
「柴田牧場」へ連絡を入れたなつ。富士子(松嶋菜々子)の声を聞いたなつは、感じていた不安から富士子に会いたくなったと心境を打ち明ける。「私も母さんになるの」その嬉しい知らせを受けた泰樹(草刈正雄)や悠吉(小林隆)、照男(清原翔)たちも大いに喜ぶ。
帰宅したなつは坂場一久(中川大志)に作画監督に指名されたこと、そして同時に、子育てと仕事を本当に両立してできるか不安だと伝えるが、坂場は絶対に乗り切るように頑張ろうとなつを励ます。
数ヶ月が経ち出産が近くなっていた頃、下山から”あの人”が帰ってきていると教えられ、帰宅したなつは坂場に大沢麻子(貫地谷しほり)が日本に戻ってきていて、しかもアニメメーションに復帰していると伝える。そんな話をしていた二人の元に麻子が訪ねてくる。
相変わらずのキツイ冗談を言う麻子は、二人が主導して製作した長編アニメ映画「神をつかんだ少年クリフ」に大いに感動し、それがきっかけで再びアニメをやりたいと思うようになったのだと話す。そして麻子は新たにアニメを始めないかと坂場を誘うのだった。
第122話
大沢麻子(貫地谷しほり)が新たに設立した少数精鋭の小さなアニメーション製作会社「マコプロダクション」 には、すでに下山克己 (川島明)の参加が決まっていて、テレビアニメを中心に作っていくつもりだという。子作りを諦めざるを得なかった麻子は夫と相談してやりたいことをやろうと決め、この会社では母親でも働ける環境にしていきたいと話す。本当はなつ(広瀬すず)を一番に誘いたいと思っていたという麻子。麻子に誘われてすぐにでも参加したいと考えていた坂場一久(中川大志)だったが、二人ともが働きに出ることはできないので、すぐに返事することはできず、解決策を考えることになる。
子供を預けるしかないと考えたなつは茜 (渡辺麻友)に相談する。なつは茜から0歳児で預けられるところを見つけるのは奇跡に近いが、1歳からなら預けられるところもあるだろうと教えられる。更に茜は、なつが働いている日中に坂場が茜のところを訪れ、子育てに必要なことを習っていて、坂場はそれを生まれてくる子供のために楽しそうにやっていたと教える。
その頃坂場はまだ整理されていない「マコプロダクション」を訪れ、新たにテレビ漫画「三代目カポネ」の製作が迫っていること、動画や仕上げは外注することになるが、だからこそ好きなものを作ることができること、そしてその”新天地”でアニメーションを作れることにワクワクしていた。
坂場がオムツを縫っている時なつが帰宅する。オムツ縫いを手伝おうとするなつに坂場は「今日『マコプロダクション』に行って、働くことを決めてきた」と話す。しかし、0歳で託児所を見つけるのは難しいので、働き始めるまでに一年待ってもらうことになったという。坂場もまたなつと同じように子育てと仕事の両立についてしっかり考えていたことを嬉しく思い、なつは坂場に感謝を伝える。二人は二人の夢のために、一緒に、そして着実に歩みを進めているようだった。
第123話
産婦人科で胎児の様子に問題のないことに安心するなつ(広瀬すず)。担当の先生、高橋秀子(田中裕子)からは「一人の母親としては”頑張れ”としか言えないけど」と、共働きのなか子育てをする大変さを乗り越えるようにと応援される
産休に入る最後の日、なつは一人の新人アニメーターに希望を託していた。
「ちゃんと作品評価しているかわからない子供のために、無駄なことはしたくない」とやる気のない後輩の新人アニメーター中島(坂口涼太郎)に、なつは「私たちは子供の創造力と戦っているの。だから、それ以上のものをアニメーションの中で表現しなければ勝つことはできないし、アニメーターになる資格はない」としっかりと自分の思いを確実に伝え、後進のためにも惜しみなくアニメーターの素晴らしさを伝えようとしていた。
映画班の仲 努(井浦新)、神地航也(染谷将太)、下山克己 (川島明)、井戸原昇(小手伸也)たちにも挨拶に行ったなつ。下山はなつの産休の間に「マコプロダクション」へ移動することになっていて、神地は、麻子(貫地谷しほり)や坂場一久(中川大志)と働けることを羨ましいと思いながらも、仲たちと同じく、しばらくは東洋動画で頑張るという。
保育園について福祉事務所へ相談に行ったなつだったが、小さい時ほど母が子供を育てるべきだと言われ、なつは自分が目指していることが、子供を犠牲にしてしまうと感じ落ち込んでしまう。そのことについて家で悩んでいたなつは、帰ってきた坂場にもその思いを伝えず苦しんでいた。
出産後の子供をどう育てるかついて明確に答えを出せずにいないまま、ある夜なつのお腹を痛みが襲う。坂場の看病を受けつつ、夜が明けても痛みは治まらず、ただ慌てる坂場とともにどうするべきか迷っていた朝、突如、富士子(松嶋菜々子)が家にやってく。
第124話
お腹が痛かったのは、お腹が張っていただけで、富士子(松嶋菜々子)にも”陣痛の前の陣痛のような痛み”を経験したことがあると聞き一安心するなつ(広瀬すず)と坂場一久(中川大志)。富士子と剛男(藤木直人)とともに東京に来た泰樹(草刈正雄)は、東京に来る前に子牛を産んだ母牛の初乳で作った「牛乳豆腐」を届けるためだけになつのところに来たと話すが、泰樹には70歳を超え、もう会えなくなるかもしれないという思いも少なからずあった。生後一歳で託児所に預けることを躊躇していたなつに、秦樹は「そこまで覚悟して結婚したなら、弱音は吐くな」と励ます。
富士子たちによると、「雪月」のあとつぎの雪次郎(山田裕貴)のところに嫁入りした夕見子(福地桃子)もお腹に子を宿し、大変なことになっているという。店の跡取りを心配する、とよ(高畑淳子)や妙子(仙道敦子)たちに対して、夕見子や雪次郎たちは働いても大丈夫だといい、小畑家ではちょっとしたパニックの日々が続いていた。
なつは春に、夕見子は秋、さらには照男(清原翔)と砂良(北乃きい)の間にも来年の一月に子供が生まれる予定で、柴田家ではちょっとしたベビーブームが起こっていた。何より泰樹は、照男がしっかりと牧場を継いでくれたと誇らしげに語るのだった。
皆で朝食をとっていたことろへ奥原咲太郎(岡田将生)と光子(比嘉愛未)が、生まれてくる赤ちゃんに必要なものを買ってやってくる。
こうしてなつのところに富士子が、咲太郎のところに剛男と泰樹が泊まることになったが、その夜、本物の陣痛がなつを襲っていた。
第125話
夜が明けて、なつ(広瀬すず)は出産の真っ最中。ソワソワする男性陣が待ちわびる中、出産中に子牛の出産を思い出し笑うなつは、無事女の子を出産。名前はまだ決めていないということから、なつの願いもあり泰樹(草刈正雄)がなつの子供の名前をつけることに決まる。その後七日間が経ち、なつが病院から退院したお七夜の日、泰樹はなつのように優しい子に育って欲しいという思いを込めて「優(ゆう)」と命名する。その翌日泰樹と剛男(藤木直人)は北海道へ戻り、富士子(松嶋菜々子)はなつを心配して、しばらく二人の元にとどまるが、”富士子のように強く逞しくなることが目標”と話すなつの思いを知り、富士子はひと月ほど滞在したのちに北海道へ帰って行く。
こうして産休の期間もあっという間に過ぎて、ついに職場復帰の日がやってくるが、なつは娘との別れを惜しみ家を出るときに思わず涙してしまう。
第126話
東洋動画への復帰後なつ(広瀬すず)は、新作の作画監督ではなく、これまで通り「魔法少女アニー」の原画を担当することになる。それは、会社側からの配慮でもあった。家で子守をしながら翻訳の仕事を続けていた坂場一久(中川大志)は、「マコプロダクション」とも連絡を取り、再びアニメに関われることを楽しみに育児にも専念していた。このころ「アニー」は大人気となり放送も三年目を迎えていた。桃代(伊原六花)からも”働く女の期待の星”と励まされるなつだったが、娘のことが頭から離れず、終業後は一目散に帰宅する。
娘のことが気になってしょうがない自分や、夜泣きで起こされる寝不足、娘の病気の心配などの”敵”も多くあるが、それ以上に仕事への情熱や娘の愛おしさ、娘の成長を見ることの喜びを感じながら、あっという間に一年近くが経過する。
保育園を探すため、なつは再び福祉事務所を訪れる。
以前、子供を犠牲にすることを責められたなつだったが、一転、当時の事務員・村川(田中真弓)はなつに協力的で、いくつかの保育園に応募することができた。こうして優が一歳になろうとしていた1969年の春、福祉事務所からの選考の結果が届けられる。しかし選考結果は全て落選。なつと坂場は又しても窮地に追い込まれてしまう。