第100作目となる朝ドラ「なつぞら」
広瀬すず主演の今作は、戦争を機に両親を亡くし、兄妹とも別れ離れとなってしまった少女が主人公です。
身寄りのなくなった主人公・なつは、父親の戦友だった、北海道の酪農家の婿養子に引き取られ、牧場を手伝いながら高校を卒業し、漫画家を目指すというストーリー。
そんな朝ドラ「なつぞら」の各話ごとのあらすじをネタバレでご紹介します。
第13話
高校三年生になった奥原なつ(広瀬すず)は、気がかりだった。出産の近い牛のおなかの様子がいつもと違ったからだ。搾乳を終え、登校するために柴田夕見子(福地桃子)や、柴田明美(平尾菜々花)、柴田富士子(松嶋菜々子)とともにご飯を食べるなつだったが、登校しようと自転車にまたがった時、柴田照男(清原翔)から呼ばれ牛舎へ向かう。なつの不安は的中、生まれてくる子牛は逆子だった。母牛のお腹から引っ張りだされた子牛だたが、すでに息をしていない。これ以上できることはないという柴田泰樹(草刈正雄)や戸村悠吉(小林隆)だったが、なつは通っている農学校で知った方法を施してみる。すると子牛は息を吹き返し無事一人で立つことができたのだった。「よくやった」と泰樹たちと子牛の誕生を喜ぶなつ。
このころ、いまだに兄・奥原咲太郎(岡田将生)と妹・千遥の行くへはわからずにいたが、なつを十勝へ連れてきた柴田剛男(藤木直人)は農協で働き始め、なつは剛男のことを「父さん」と呼ぶようになっていた。
こうして午後からの授業に間に合うように、泰樹から勧められるがまま馬に乗って登校したなつ。遅刻の理由を担任の倉田隆一(柄本佑)から問い詰められたなつは、逆子を蘇生させた方法をクラスメイトたちに教えることになる。親友のクラスメイト・居村良子(富田望生)を子牛と見立ててその方法を熱心に教えるなつは、今までと相変わらず、明るくそして必死にこの十勝の地で生きていた。
泰樹から夕方の搾乳は休んでいいと言われたなつが放課後に向かったのは、かつて泰樹の指導のもと見事に生まれからった山田家のジャガイモ畑。「天陽くん!」そこで横になったいた山田天陽(吉沢亮)に、なつは元気に手を振る。
第14話
放課後に山田天陽(吉沢亮)の家に立ち寄り、互いに絵を描き合う天陽となつ(広瀬すず)。天陽の絵は上手いのではなく”すごい”、なつの絵は”躍動感がある”。絵を描くことで働くことも楽しくなる、だから、十勝で生きることも楽しくなる。天陽の母・タミ(小林綾子)になつは絵を描く理由をそう説明する。
柴田家の一員として馴染んでいたなつだったが、名前はまだ「奥原」を名乗り、心のどこかには「いつかは兄たちの元へ戻らなければ」という気持ちを抱いていた。
天陽の家で農協から乳牛を借り飼うことになったと聞き、早速、泰樹(草刈正雄)に協力をしてもらおうと、夕方の搾乳に間に合うよう戻ったなつ。そこで、泰樹に天陽の家の牛のために協力して欲しいと願い出たなつだったが、泰樹は「うちの牛とは関係ない」の一点張り。この頃、柴田牧場二代目として熱心に働くようになっていた剛男(藤木直人)の息子・照男(清原翔)曰く、どうやら剛男が働く農協と泰樹の関係がうまくいっていないのだという。
その頃、農協組合長で上司の田辺政人(宇梶剛士)から、牛の貸し出しについて泰樹の説得をお願いされていた剛男は、決意とともに帰路につく。
その頃柴田家の土間では、一切の家事をせず勉強に勤しむ長女・夕見子(福地桃子)が、次女・明美(平尾菜々花)が家事に忙しくする中、心を引っ掻き回すようなことを言い、なつに注意されるといういつもの光景が繰り広げられていた。
皆が帰宅し食卓を囲む柴田家だったが、剛男が天陽の家の牛の話を始めた途端、最近になって電気が通るようになり夜でも明るいはずの柴田家に、暗雲が立ち込めようとしていた。
第15話
「電気いらん。世の中無駄に明るすぎると大事なことが見えんようになる。」夕食の席で、農協が主導して牛乳を集める事業への泰樹(草刈正雄)の参加を説得する剛男(藤木直人)に、泰樹は唐突に言い放つ。
剛男は、何としても泰樹の首を縦に振らせるためになつ(広瀬すず)に泰樹の説得をして欲しいと頼み込む。直接乳業メーカーに卸すのではなく間に農協が入ることで小規模農家にも酪農へ挑戦することが可能になる、と。
「じいちゃんのために農業学校へ行き、その上、父の言うことを聞く必要はない」と、なつの心を乱すようなことを言う夕見子(福地桃子)。
モヤモヤしたまま朝を迎えたなつは、朝の牛舎での作業中、泰樹にその真意を聞いてみるが、泰樹は余計に頑なになってしまうだけだった。
「今の方法を変える必要はない。うちの牛乳を他のと一緒にされてたまるか。農協はなつを利用してわしを調略するつもりか。」
泰樹と剛男が対立してしまうと言う状況に、登校中、自転車に乗りながらなつは叫んでいた「私はどうしたらいいのさ。教えて、山、道、風!」
第16話
なつ(広瀬すず)が通っている十勝農業高校は「演劇」が盛ん。それは演劇部顧問で国語教師の倉田隆一(柄本佑)の存在が大きかった。農協と泰樹(草刈正雄)のことを、クラスメイトで演劇部に所属していた小畑雪次郎(山田裕貴)に相談したところ、倉田先生に相談してみてはどうかと勧められる。
早速倉田に相談しに行ったなつは、「自分自身がどう思うのか、その答えを見つけろ」と助言される。その後牛の様子が心配で山田天陽(吉沢亮)のところへ立ち寄ってから家に戻ったなつ。天陽の飼っている牛が発情していたとなつから聞いた泰樹は、突然感情的になりなつに対して怒り出し、まわりも手をつけられない状態に。
翌日の放課後、雪次郎から演劇の本を勧められたなつは、さらに、会わせたい人がいるから今度の日曜日に「雪月」まで来て欲しいと言われる。次の日曜日、約束の時間に店で待っていたなつのもとに現れたのは倉田先生だった。倉田はなつの祖父・泰樹と娘の婿・剛男(藤木直人)が働く農協との対立を演劇で描きたいので、その取材のため、当事者としてなつに手伝って欲しいという。
第17話
「雪月」で倉田隆一(柄本佑)から演劇に誘われたことを夕食の席で家族には言わずにいたなつ(広瀬すず)は、その翌日の放課後、倉田とともに、剛男(藤木直人)の働いている音問別村の農協を訪れる。
農協の組合長、田辺政人(宇梶剛士)が「十勝を酪農王国にしたい」という夢を持っていることを知り、農協のやり方にも正しさがあることを知ったなつ。なつとともに帰宅した剛男が目撃したのは、富士子(松嶋菜々子)が乳業メーカーの従業員、村松(近江谷太朗)から「奥様封筒」と呼ばれるお金を、受け取っている所だった。それを悪いことだと批判する剛男に、泰樹(草刈正雄)は、正当な牧場への評価だと考え「富士子が助かると感じているのであれば受け取ればいい」と言う。結局富士子は、そのお金を返却することになったが、そのことがきっかけでその夜の夕食に泰樹は姿を見せなかった。
このことについて、戸村悠吉(小林隆)と菊介(音尾琢真)の親子と話していたなつは、泰樹が、何十年とかけてここまで続けてきたこの柴田牧場はただの酪農牧場ではなく、泰樹そのものなんだと教えられる。
第18話
泰樹(草刈正雄)は一人で十勝の地に入植し、農家の手伝いをして認められ、そこの娘と結婚した。二人の娘として生まれた育った富士子(松嶋菜々子)が9歳の時、泰樹の妻が病気で倒れるがお金がないために医者に見てもらうことすら叶わなかった。そして富士子が19歳になったとき、周りの結婚候補者を泰樹とともに見て回り、富士子はその中から以前から富士子に好意を寄せていて、勉強熱心で泰樹と同郷だった剛男(藤木直人)を選んだ。理屈ではどうにもならないことを数多く経験し、10年余り一人で生き抜いてきた泰樹は、農協のやり方とは違えど組合を作る必要性は感じていた。
そんな泰樹の経験したことを富士子から聞いたなつ(広瀬すず)の目には涙が溢れていた。
泰樹と農協のことを題材に演劇作品を作るという倉田隆一(柄本佑)に、自分ができることはないかと相談したなつは、なつ自身が女優として劇に出演すればいいと言われる。牛の世話などで演劇部の活動をする時間がないと消極的に考えていたなつ。帰宅したなつは、泰樹にこれまでのことを謝る。
すると泰樹もこれまで誤解されるようなことしたことを詫び、天陽(吉沢亮)のところに干し草を持ってってやれという。天陽も天陽のところの牛も悪くないのだ、と。なつはさらに演劇に挑戦してみたいと泰樹に相談する。牛の世話をする時間がとれなくなるので断られるだろう、と思っていたなつだったが、泰樹は以外にも「やるからには一番になれ」となつの背中を押すのだった。
農協と泰樹の問題をなんとかしたいと考えていたなつは、いつのまにか「演劇」という形で答えを見出そうとしていた。