【なつぞら】ネタバレ第37~42話(第7週)。開拓者の愛弟子、なつの大きな決断と天陽の信念。

第100作目となる朝ドラ「なつぞら」

広瀬すず主演の今作は、戦争を機に両親を亡くし、兄妹とも別れ離れとなってしまった少女が主人公です。

身寄りのなくなった主人公・なつは、父親の戦友だった、北海道の酪農家の婿養子に引き取られ、牧場を手伝いながら高校を卒業し、漫画家を目指すというストーリー。

そんな朝ドラ「なつぞら」の各話ごとのあらすじをネタバレでご紹介します。

第37話

森の中に住む阿川弥市郎(中原丈雄)とその娘・砂良(北乃きい)の家で目を覚ましたなつ(広瀬すず)。湖でオショロコマを採った帰りだった砂良が、倒れていたなつを見つけ助けたのだと言う。
弥市郎は空襲で妻を失い、戦後に北海道へ来てから森の中で暮らし、木彫りの熊を作っては帯広でお土産として売り稼ぎを得ていると言う。さらに、弥市郎たちは倉田隆一(柄本佑)とも知り合いで、倉田の作った演劇「白蛇伝説」を見ており、なつは、自分が演じた「白蛇の化身」は、砂良をモデルにしているとなつは気づく。
かつては東京で教師として子供達に軍国主義を教えていた弥市郎だったが、空襲を経験してからは戦争の無益さを知り、なつと同じように今では怒りややるせない気持ちを抱えていた。その気持ちをどうすればいいのか?なつに聞かれた弥市郎は答える。「その気持ちを何かに込めるしかないのではないか。倉田先生も、そんな風に魂を込めてあの演劇を作ったのではないか。」
こうしてひと晩を過ごしたなつは、早朝に柴田家を目指し阿川家を後にして帰路へつく。森を抜けるころ、なつの目の前には、十勝の朝日と壮大な山々の風景が飛び込んでくる。「戦争で経験した消すことのできない気持ちを魂に込める。」その言葉を噛み締め、十勝の景色を見ていたなつの目には涙が浮かんでいた。それはなつの抱えていた苦しみが癒されるようば経験だった。
その頃、朝の牛の世話をしている柴田家の元へ、天陽(吉沢亮)がやって来る。なつが天陽のところへ行っていないことを知った照男(清原翔)は、なつ
を天陽の家に向かわせた自分の責任だと思い、なつを探しに行こうとする。そこへ、スキーを履いて家に向かって来るなつの姿が見える…。

第38話

「森に彫刻家の親子に助けてもらい、一晩を過ごした。」無事帰ってきたなつ(広瀬すず)に安堵する柴田家。柴田家にきていた天陽(吉沢亮)の帰りを途中まで見送ったなつは、そこで「阿川家から帰るとき、東京でアニメーターになると決意した」と、打ち明け、天陽はその言葉を聞いて「決意が聞けてよかった」と喜ぶ。
「なまら美人の娘さんのところに、クマがラブレター持ってきたこともある。」夕食の時世話になった阿川家のことを話したなつは、夕食後に柴田家の皆に東京へ行かせて欲しいと初めて願い出る。兄・咲太郎(岡田将生)の近くにいて少しでも力になって支えたいと言うなつに、泰樹(草刈正雄)は「牛飼いをさせたのはわしの勝手じゃ。お前の顔はもうみたくない。出ていきたきゃ勝手に出て行け!」と怒鳴ってしまう。
すぐに出て行こうとするなつを引き止める富士子(松嶋菜々子)は、「申し訳なくてここにいられない」と言うなつの頬を叩き言葉を継ぐ。「申し訳ないなんて言われるくらいなら、憎まれた方がよっぽどマシだわ。一人で苦しむなら家族はいらないっしょ。」
なつに厳しい態度をとった泰樹もまた、なつを牧場に縛り付けていたことに責任を感じ、巻きこんてしまったと照男(清原翔)に謝っていた。
「なつが本当に望むことなら誰も反対しない。」剛男(藤木直人)たちに今後のことはじっくり考えればいいと言われたなつだったが、アニメーターになりたいと言う一番肝心なことはまだ伝えられずにいた…。

第39話

行方不明だったなつ(広瀬すず)が帰ってきた翌日、東京に行くことは泰樹(草刈正雄)を裏切るような行為だと感じていたなつは、作業場の泰樹に「これからも牧場にずっと居る」と伝えるが、なつを牧場に縛り付けてしまっていたと自責の念を感じていた泰樹にとって、それは心苦しい言葉でもあった。
その頃富士子(松嶋菜々子)と照男(清原翔)は、お礼を伝えるため阿川弥市郎(中原丈雄)、砂良(北乃きい)親子の家を訪れていた。そこで富士子は、なつが阿川家に泊まった時、なつが一晩中家の中にあるものを描き続けていたことを教えられ、なつが絵を描くことが好きなことを改めて知る。そしてなつの部屋でなつのノートを見た富士子は、なつが絵を描くこと、そしてなつが願っていることが、ただ東京へ行くだけではなく、アニメーターになることだと気付く。
「なつには覚悟がない。そんなら行かん方がマシだ。」その頃、天陽(吉沢亮)のところへ手伝いに行っていたなつは、タミ(小林綾子)、正治(戸次重幸)たちとともに食事をする中、天陽から「自然になればいい。自分がどうしたいのか感じるままに生きればいい。悩むことなんてない。」と強くアニメーターになることを後押しされる。さらに、兄に相談すれば一番話が早いと言われるなつだったが、天陽への好意を抱くなつは、自分の中の相反する”自然な気持ち”にどうすればいいのか答えを出せずにいた。

第40話

「なっちゃんにしたら、急に兄妹同士で結婚しろと言われたようなものだわ。」なつのことを頼もうとした泰樹(草刈正雄)は「雪月」を訪れ、とよ(高畑淳子)にこれまでの経緯を話し、なつの今後について相談していた。泰樹は雪之助(安田顕)の考案した新商品「パフェ」を食べ、春に東京へ行く雪之助と雪次郎(山田裕貴)ともになつを連れて行ってもらうことになる。
「天陽君、そんなに応援しないでよ。さようなら。」なつは部屋で絵を描きながら、昨日、天陽(吉沢亮)との別れ際に言ったことを後悔していた。
その頃照男(清原翔)は天陽の元を訪れ、なつを引き止めないことを責め立てるが、天陽は「なつがいつか必ずこの土地からいなくなる、それが自然なことだと感じていた」と言う。そして、かつてなつが天陽に十勝で生きる決意の後押ししてくれたように、自分もなつの決意を後押ししたいと話す。
夕食に、阿川家で振る舞われた牛乳鍋を作っていた照男、そこへ阿川弥市郎(中原丈雄)、砂良(北乃きい)親子がお礼を持ってやってくる。それは”ラブレター”を咥えた「木彫りの熊」だった。また森に遊びに行くと言うなつだったが、なぜか照男も嬉しそうな様子…。
「東京で幸せになるなら、それも立派な親孝行じゃ、それを忘れるな。絶対にそれを忘れるな。」なつの東京行きを「雪月」に頼んでおいた、と夕食の席で、泰樹(草刈正雄)から温かい言葉をかけられるなつだったが、翌日なつは、浮かない顔のまま「雪月」を訪れ、自分は泰樹を裏切ってしまった、と思いの内をとよ(高畑淳子)に打ち明けていた…。

第41話

「自分の気持ちがそこまでわかってるなら、ちゃんと泰樹(草刈正雄)と話して東京へ行きな。そうじゃなきゃ、心までしばれてしまうから。」一人「雪月」を訪れていたなつ(広瀬すず)は、開拓一世で泰樹のように厳しい中を生き抜いてきたとよ(高畑淳子)に強く後押しされる。春に一緒に東京へ行くことになっている雪次郎(山田裕貴)ら小畑家の皆からも後押しされたなつは、家に戻り牛の世話をしているとき、かつて天陽に言われた言葉を思い出し、自分が泰樹のようになることが自分の目指していることだと気づく。
こうして夕食の時、なつは漫画映画をやることが本当の夢だということを泰樹に打ち明ける。
「何が裏切りじゃ。ふざけるな!」なつの本心を聞いた泰樹は、その言葉を待っていたかのように、なつを褒めながら言葉をかける。「よく言った。それでこそわしの孫じゃ。行ってこい。行って、東京を耕してこい。開拓してこい!」
「泰樹さんがたった一人で海を渡って十勝にやってきた。そんな泰樹さんがなっちゃんの見本なら、どうすべきかわかるだろう。」なつの本心に気づいていた天陽(吉沢亮)の言葉が、なつが自分の本心に気づかせる言葉になった。その感謝の気持ちを天陽に伝えに行き、抱きつきながらその嬉しさとともに泰樹から承諾を得られたことを報告したなつ。しかしそれは天陽にとって、なつとの別れを意味していた…。

第42話

泰樹(草刈正雄)に東京へ行くことを認められたこと、そして北海道へ来て天陽(吉沢亮)と出会えたことの喜びを天陽に伝えるなつ。陽平(犬飼貴丈)とともに東京でアニメーターとして働けることを目指すと山田正治(戸次重幸)、タミ(小林綾子)たちにも報告する。
その後天陽とともに阿川弥市郎(中原丈雄)、砂良(北乃きい)親子のところへ遊びに行ったなつだったが、そこへ砂良を好きになり、牛乳を届けにきた照男(清原翔)と遭遇する。「照男兄ちゃんは目的を成すために時間をかけすぎるところがあるから、気をつけれ。」なつは、砂良のことを好きになった照男を心から応援していた。
なつにとって「故郷」でもある「酪農」に精を出しているうちに月日は流れ、北海道ではまだ雪の残る春、三月になった。夕見子(福地桃子)は北海道大学の試験を受け、なつも卒業式を迎える。「魂は一つ。北海道でも東京でも、その魂を目いっぱい育てろ。」演劇部の顧問、倉田隆一(柄本佑)から貰った言葉を噛みしめるなつ。そんななつにとってのもう一つの卒業、それは天陽との別れだった。天陽の牛が子牛を産んだ日、天陽は帰路に着いていたなつに雪原のなかで自分の思いを伝える。
「俺はなっちゃんの帰りをここで待つつもりはない。俺にとっての広い世界はベニヤ板というキャンバスで、そこで生きている自分は、他のどの価値にも流されることはない。だから、なっちゃんも道に迷った時は、自分のキャンバスだけに向き合えばいい。そうすれば、どこにいたって俺となっちゃんは繋がってられる。頑張ってこい。なっちゃん。」
初めて天陽の心からの想いを受けたなつの目には涙が溢れていた。時に助け、助けられ、友人や恋人以上の特別な間柄となった二人は、まだ雪の残る三月の雪原の中、それぞれの未来に目を向けかたく握手を交わすのだった。

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