ドラマ【anone(あのね)】第3話ネタバレ感想。広瀬すずの感じた田中裕子の演技の凄さと小林聡美の元へ行った身代金。第1話からあらすじ振り返り。

2018年1月から放送のドラマ【anone(あのね)】

主演は映画「怒り」や「三度目の殺人」など演技派としても成長著しい広瀬すず。

その役は若くして全てを失ってしまった少女。その少女と出会い、運命を変えていく女性に田中裕子がキャスティングされました。

広瀬すずの10代最後の連続ドラマに「カルテット」「Woman」などの脚本家・坂元裕二とのタッグでオリジナル脚本での放送です。

ここでは、ドラマ【anone(あのね)】の第1〜3話のあらすじと、これまでの感想をネタバレで紹介しています。

ドラマ【anone(あのね)】第1〜3話ネタバレあらすじ

幼少期に両親に更生施設入れられ、「ハズレ」と呼ばれ虐待に近い生活を送り、現在でもネットカフェで寝泊りをする辻沢ハリカ(広瀬すず)は、偽札の大金騒動の末に、そのお金を作った林田印刷所を自宅として寝泊まりする林田亜乃音(田中裕子)の元を訪れます。

チャットゲームで知り合いハリカと同じ更生施設にいたカノンさんこと、紙野彦星(清水尋也)の難病を治したい一心で、大金を持っているであろう亜乃音に雇って欲しいと願い出ます。

しかし、亜乃音自身には偽札を作る技術がないことから一時は諦めますが、亜乃音の自宅兼元印刷所に一泊した末に、ハリカが信頼できる人間だと思った亜乃音から清掃員として雇われることになります。しかし、その直後、同じく偽札を狙って印刷所に入り込んだ、青羽るい子(小林聡美)と持本舵(阿部サダヲ)に鉢合わせし、ハリカは亜乃音の娘だと勘違いされたまま誘拐されていまいます。(ここまで第1、2話)

連れて行かれたのは舵が父親から継いで経営するガリバーダイニングのフランチャイズのカレーショップ「東印度会社」

店のトイレに、舵の幼馴染で、店のフランチャイズ化を手伝った西海隼人(川瀬陽太)が、会社の上司を銃で撃ち逃げし潜伏していました。

「人生が終わった」という西海はハリカを使って亜乃音から身代金を要求しようと、るい子を亜乃音の元へ送り込みます。しかし、るい子は、亜乃音に偽札を刷らせ、その偽札と、亜乃音が用意した身代金をすり替えバスに乗って姿をくらまします。

偽の身代金を受け取ったことに気づいた西海は、舵の説得も虚しく、自らの頭を拳銃で撃って命を絶ってしまいます。

その現場を偶然目撃した林田印刷工場の元従業員の中世古理市は、西海が持っていた林田印刷所の封筒の中身が偽札であることに気づくのでした。

ドラマ【anone(あのね)】第3話の感想坂本脚本にどこまで忠実?田中裕子と小林聡美の怪演。ハシビロコウに続き理市の「鳥」のストラップの意味とは?

前回に引き続き今回も田中裕子の怪演が垣間みえて満足な第3話でした。

物語としてはついに小林聡美演じる、青羽るい子が本性を露わにし、るい子の息子の青羽樹がちょこっと登場し、次回の第4話では、るい子の過去が明らかになるようなのでそのあたりも見どころです。

今回は彦星とハリカのチャットゲームがなく、癒しタイムがないスリリングな話でした。まさか、西海が上司を撃って逃げていたなんて衝撃でしたし、舵の精一杯の説得も届かず、命を絶ってしまったようです。

そんな、悲しい出来事が物語のテーマでもありながら、ところどころ自然に入り込んでくるコメディがこのドラマの面白いところ。

シリアスとコメディが常に隣り合わせ。それは、日常を生きている私たちととても近い感覚があると感じます。実際の人生こそ、喜怒哀楽がごった混ぜのドラマ以上にドラマなものだと思います。

ということで、どうしてもお伝えしたい第3話のシーンをセリフ起こしとともにご紹介させていただきます。

まずは、西海に監禁されていたハリカと舵が勝手に手足のテープをほどき、勝手にるい子に電話していたシーン。


舵「(携帯電話を耳に当てながら)青羽さん。(ハリカが気にするそぶりを見て)いや、まだ出てない。」
ハリカ「・・・呼んだだけ?」
舵「出ないね。」
ハリカ「工場に・・・」
舵「えっ?」
ハリカ「林田?」
舵「あ・・・。」西海がフェレットを飼い主に返し戻ってくる。
西海「見て〜!フェレット返したら、芽キャベツくれたよ!芽キャベツってこんな・・・。」(二人を見て縛っていた手足が解かれていることを見る。)
舵「おかえり。(西海が芽キャベツで舵を殴る)やめて、やめて・・!食べ物!食べ物!」
西海「茹でる前はただの植物だよ!」
舵「待って、待って、待って、このこ、ハリカちゃんっていってさ・・・あ〜!」
西海「うるせ〜!」
舵「あ〜!、あっ、あっ・・・あぁ・・・。」
ハリカ「(西海から奪い取った拳銃を手に)離せ。離せ。」
西海「弾、出るかな。(ハリカの拳銃と腕を掴んで、銃口を額に向けて)弾、出るかな。」


冒頭の広瀬すずと阿部サダヲの映像でしか伝わらない微妙な間が素晴らしかった。そして何より、川瀬陽太演じる西海の「茹でる前はただの植物だよ!」という返しがまた秀逸でした。

そして第3話のなかで、最も演技力を堪能できたシーンが、第2話のハリカと亜乃音のシーンに引き続き、田中裕子と小林聡美のものすごい演技合戦。

亜乃音が自分の娘・玲との間に微妙な関係があるということを、言葉にせずに表現する田中裕子の演技には感動です。これも映像でないと伝わらない素晴らしいシーン。


亜乃音「ごめんなさいね。急須が割れちゃって。」
るい子「急須・・・。」
亜乃音「なにか、悪い話ですか、玲のことって。」
るい子「例のこと?」
亜乃音「さっき、そうおっしゃって・・・。」
るい子「えっ、えっ?例のこと?」
亜乃音「そう」
るい子「玲さん?」
亜乃音「はい。」
るい子「そうです、玲さんのことですお。玲さんのことですよ。」
亜乃音「私あんまり関係なんですけどね。」
るい子「えっ?」
亜乃音「向こうがそう思ってるんじゃないですか?」
るい子「私はそうは思いませんが。」
亜乃音「私の話が出たんですか?」
るい子「えぇ、出ました。」
亜乃音「ヘぇ〜。」
るい子「あのですね、娘さんが・・・。」
亜乃音「はい」
るい子「まぁ・・ある深刻なトラブルに見舞われまして。まぁ、相手が少し悪かったと言いますか、まぁそういう種類の団体に属する方面の方で、今、横浜の・・・その団体の事務所ですか。その場所に今監禁されてます。先方さんは・・・あっ、その団体の。まぁ、慰謝料っていうんですか?そういうものを要求されてて。まぁ、私はあくまでも中立と言いますか、むしろそちらの味方という風に思っていただきたいんですけれども。今のところは、玲さんはご無事で怪我をしているとかそういうことはないんですが、先方さんはかなりお怒りですし、早いうちに手を打たないとまずい感じになってまして。ここは、指示に従っていただいて、まぁ、慰謝料を、というふうに、なんですけれども・・・。」
亜乃音「ごめんなさいなんですか?」
るい子「えっ?」
亜乃音「はい?ごめんなさい、いえ、あの、気が動転して・・・なんですか?」
るい子「娘さんが・・・。」
亜乃音「ケガ?」
るい子「いえ、ケガはされてないんです。トラブルがありまして、先方がおケガを。」
亜乃音「警察は?」
るい子「警察は行ってません。」
亜乃音「どうして?」
るい子「今、生きるか死ぬかなんで、そういう正しいことをおっしゃられても・・・。」
亜乃音「はい?」
るい子「通用する相手じゃないんですよ。」
亜乃音「その相手というのはなんという方ですか?」
るい子「タマタさんです。」
亜乃音「タバタ?」
るい子「タバタさんです。」
亜乃音「えっ?タマ・・・タ?タマタ?タバタ?」
るい子「タバタさんです 42歳です。」
亜乃音「あなたは?」
るい子「私?」
亜乃音「はい。」
るい子「私は仲介で・・・。」
亜乃音「いや、お名前は?」
るい子「私、吉田です。」
亜乃音「吉田さん子供って・・・。」
るい子「子供?子供、私の・・・。」
亜乃音「いや、玲の子供です、玲の子供は今どこに?(お互い顔を見合わせて)あの失礼ですけど、それは本当のお話ですか?」
るい子「当たり前じゃないですか。」
亜乃音「うち、お金はありません よ。」
るい子「それは、いくらなんでも、冷たすぎませんか?娘さんはお母さんの助けを呼ばれてましたよ。」
亜乃音「娘は、私の助けは、呼ばないと思います。」
るい子「ちょっと、話が噛み合わないですね。」
亜乃音「来る場所を間違われたんじゃないですか?」
るい子「わかりました、今、お写真をお見せします。娘さんが今どうなっているのか。」
亜乃音「いや、それは・・・。」
るい子「娘さんの現在の状況です」
亜乃音「(玲ではなく、ハリカが銃を突きつけられている写真を見て)彼女がトラブルに巻き込まれたんですか?」
るい子「そうです。」
亜乃音「その相手というのは・・・。」
るい子「もう一人撃ってて追い詰められてて。話、通じないし、もう止められないんですよ。放っとくと多分、殺されると思います。ホントです。」
亜乃音「いくら必要なんですか?」
るい子「2億円」
亜乃音「今ここにはありませんけど銀行に、夫の保険金が預けてあります。」
るい子「幾らですか?」
亜乃音「1000万円です。」
るい子「1000万円・・・。それで全部ですか?」
亜乃音「そう。そのコ、私の娘じゃありませんよ。保険金の1000万円です。これで、そのコを助けてあげて下さい。」
るい子「今、娘じゃないって・・・。」
亜乃音「助けてあげてください。」
るい子「連絡して見ます。」


気になるのはこのシーンが元々の脚本と、実際のセリフがどれほど違うのかということです。

第2話で初めて田中裕子とセリフを交わした広瀬すずもインタビューで田中裕子の演技に対してこう話しています。

「タンタンってスキップしているような軽さがあって、でも同時に粘り強い感じのお芝居で凄いなって。第2話の印刷所のシーンで、初めてたくさんセリフを交わしたのですが、是枝監督の言っていたことを肌で感じました。

なんていうか、嘘がないというか。計算できないから、自分自身の返しも予想していなかったものになる。毎回、生の反応で次のセリフを忘れちゃうくらいです」

http://www.crank-in.net/entertainment/interview/53835

自分自身の返しも予想できないものになるということは、きっと脚本通りの言葉を話すのではなくて、違う言葉で表現しているはずです。

その差をぜひ見てみたいと心から願う、いち視聴者です。

ここで、これまでに気になっていたドラマのシーンをご紹介します。

まずは、ハリカの乗り回すスケボーの裏の絵。すでにネット上でも話題になっているようですが、彼女の持っているスケボーの裏に、青を基調で描かれている絵柄は、画家のパウル・クレーの作品「忘れっぽい天使」のレプリカのようです。

[出典]

そして、お気付きの方もいるかもしれませんが、初めてのネットカフェのシーンと彦星とのやり取りのシーンの後と、これまでに2回ほどハリカがスケボーを忘れるシーンがありました。ほんの一瞬のシーンですが、この「忘れっぽい天使」に引っ掛けたスタッフさんたちのメッセージだったようです。

広瀬すずが天使ということにはあれこれ言う人が出てくるかもしれませんが(笑)ハリカがスケボーを忘れるシーンが出たら、「あっ!」となってください(笑)

そして、他にも印象的なのは登場人物たちの「足元」を印象的に使っていることです。

第1話では、大金の奪い合いになったときに、亜乃音や舵たちが靴が脱げた状態のまま奪い合っていたり、第3話では、るい子と亜乃音が足でタバコを踏み消すシーンが入っていたり、亜乃音がハリカの元へ走って行くときも靴が思いっきり逃げていたり。

こう言うようなシーンは何か今後意味をなしていくのか気になるところ。

そして、もちろん第3話から本格的に登場してきた瑛太演じる中世古理市の自転車に鍵についている「ハシビロコウ」にも似たトリのストラップ。

彦星とハリカがやりとりする中でも、動物の話がでてきて、ハシビロコウに睨まれていると言う話もありました。

理市のストラップの鳥は黒い体に黄色いくちばしなので、「オオハシ」と言う鳥のようです。

*第4話で持ち主の理市が「カラスのストラップ」だと言っ
ていました・・・。カラス。です。か。

参考サイト:掛川花鳥園スタッフブログ

この辺りを見どころとして4話以降もどんな展開になるのか楽しみです。

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