第100作目となる朝ドラ「なつぞら」
広瀬すず主演の今作は、戦争を機に両親を亡くし、兄妹とも別れ離れとなってしまった少女が主人公です。
身寄りのなくなった主人公・なつは、父親の戦友だった、北海道の酪農家の婿養子に引き取られ、牧場を手伝いながら高校を卒業し、漫画家を目指すというストーリー。
そんな朝ドラ「なつぞら」の各話ごとのあらすじをネタバレでご紹介します。
第31話
1955年8月。佐々岡信哉 (工藤阿須加)を頼り、東京の新宿で兄・咲太郎(岡田将生)と九年ぶりに再会できたなつ(広瀬すず)。しかしその結末は咲太郎の「逮捕」と彼との「別れ」だった。
そんな中なつと富士子(松嶋菜々子)が「川村屋」で遭遇したのは天陽(吉沢亮)の兄で、東京の芸術大学へ通っていた陽平(犬飼貴丈)だった。およそ一年ぶりの再会で、一緒に食事をして話し合っている中、なつは陽平に誘われるがまま、彼が手伝っているい漫画映画の会社「新東京動画社」に、アニメ映画製作の見学へ行くことになる。そこで受けた「動画テスト」で、なつはその素質を見初められ、特にアニメにおいて大事とされる”絵を動かす力”を高く評価される。アニメは演技を絵で表現するもので、女性であっても、これまでに経験がなかったとしても、日々の観察から、アニメーターとして学べることはどこにでもある、と、アニメーターの仲 努(井浦新)から熱い言葉をかけられる。
「人の動きや日常をよく観察すること。それ自体が訓練になる。」そう教えられ会社を後にしたなつは、新宿の街に立ち、自分の想像で街や人を動かすことを楽しんでいた。
第32話
ある日なつ(広瀬すず)は、兄・咲太郎(岡田将生)が十勝まで迎えに来る夢を見る。
東京から戻り普段の生活に戻っていったなつだったが、なつの周りではところどころに変化が見え始めていた。
泰樹(草刈正雄)からなつと結婚するよう言いつけられた照男(清原翔)は、泰樹の気持ちを汲みつつも、なつに映画チケットをプレゼントし天陽(吉沢亮)と見に行くように勧め、なつを遠ざけるような行動をしていた。
夕見子(福地桃子)は、「女だから」という世間の風潮に負けないためにという思いから、十勝を出てもっと広い世界を見たいと考えていた。
いつものように天陽のところで絵を描いていたなつは、天陽の兄・陽平(犬飼貴丈)が、その後新たなアニメ制作会社「東洋動画」に就職したことを知り、「やる気があるなら相談に乗る」と天陽からアニメーターとしての道を勧められる。しかしなつは漫画も映画も見るだけで十分だと話す。
そんななつが家に戻るとそこでは泰樹と富士子(松嶋菜々子)、剛男(藤木直人)たちがなつと照男との結婚について話し合っている最中。しかも、泰樹と富士子の間で意見は対立し、その行方はまだわからないまま…。
第33話
「折り入って話がある。」なつ(広瀬すず)と照男(清原翔)の結婚の話をなつに話そうとする泰樹(草刈正雄)だったが、富士子(松嶋菜々子)に強引の止められる。変な雰囲気の食卓で、兄・咲太郎(岡田将生)の夢を見たと話すなつ。このころ咲太郎は警察から出るも、その後の行方はわからずにいた。
照男となつの結婚の話がでるなか、なつは天陽(吉沢亮)とディズニーのアニメ映画「ファンタジア」を観に行く。そこでアニメの素晴らしさに深く感動したなつ。さらに映画の最後には、仲 努(井浦新)や天陽の兄・陽平(犬飼貴丈)が働く新たなアニメ制作会社「東洋動画」の社長・大杉満 (角野卓造)からのメッセージが流れ、日本初のカラー長編アニメ映画「白蛇姫」が製作される予定で、さらに従業員も募集していることを知る。
しかしその後訪れた「雪月」でなつは、”なんでもできる”アニメーションに感動しながらも、酪農も中途半端な自分がアニメなんかできるはずがないと言う。しかし天陽には、なつがアニメの道に進みたいと思っていることが強く感じられた。
第34話
映画を観た帰りに「雪月」の地元のバターを使った新商品「開拓者の郷」の試食をしたなつ(広瀬すず)と天陽(吉沢亮)。雪之助(安田顕)は、天陽の描く絵のように、”ここに生きている者でなければ作れないもの”を、十勝の銘菓として作っていきたいと言う。さらに、とよ(高畑淳子)が考案したそのパッケージはかつて泰樹(草刈正雄)が感動した「晩成社」のバターの缶のデザインを参考にしたものだと言う。こうして「雪月」の皆からバターづくりを託されたなつ。
帰りの鉄道の中で天陽は十勝から出て行って欲しくないこと、さらに、今度開催される青年団のスキー大会に出ることを伝える。
「開拓者の郷」を泰樹たちにお土産として持ち帰ったなつ。そこでなつから天陽がスキー大会に出ると聞いた泰樹は、照男(清原翔)もスキー大会に出るようにと言う。
「もし照男がなつを好きになり、なつもまた泰樹の気持ちを汲み、この家に残るとしたら…」二人の行く末を案じる富士子(松嶋菜々子)と剛男(藤木直人)だったが、富士子は”今のまま”の家族でいたいと願っていた。
その頃自らスキー板を作りながらなつのことを思い出していた天陽。絵が好きで、誰よりもアニメに感動していたなつを最も身近に感じていたのは天陽だった。
「勝ったほうがかっこいいべ。」泰樹は照男に新しいスキー板を買い与えるが、なつは、”自分の作った板”の方がかっこいいと言う。その言葉を聞いた泰樹は、照男にスキー大会で絶対に勝てと伝える。
こうしてついにスキー大会の当日がやって来る。
第35話
「なつが夢を諦めてしまうかもしれないから、好きだとは伝えられない。」
スキー大会の当日、照男(清原翔)になつへの気持ちを聞かれた天陽(吉沢亮)。照男が勝ったら天陽がなつに気持ちを伝える。照男が負けたら天陽はなつを諦める。
泰樹(草刈正雄)たちが知らない中、二人の約束をかけた戦いが始まった。
初めてのスキー大会にスタート直後は出遅れていた天陽だったが、猛烈な追い上げを見せ接戦のまま天陽と照男はほとんど同時にゴールラインを切る。辛うじて勝利したのは照男。天陽は、なつに今度話があるから家に来て欲しいと伝え、二人は翌日会うことを約束する。
その後スキー大会から家に戻ったなつに手紙が来ていた。それは咲太郎(岡田将生)が新宿に姿を現したと言う佐々岡信哉 (工藤阿須加)からの手紙だった。
新宿「川村屋」に現れ借金の一部の一万円をマダム光子(比嘉愛未)に返し、さらに、なつの世話をしてくれたことに対し咲太郎はマダムに深く感謝していたと言う。
「咲太郎はきっとまた、川村屋に返しに来ると思います。僕は咲太郎を信じます。」そう締めくくられていた手紙を読み終えたなつの目には、涙が溢れていた。
第36話
スキー大会の翌日、天陽(吉沢亮)の家に向かう前に泰樹(草刈正雄)から話を切り出されたなつ(広瀬すず)。「照男(清原翔)と結婚するつもりはないか?」その言葉はなつから家族を奪うことでもあり、なつにとっては、泰樹がなつのことを他人だと思っていることを痛感させる言葉でもあった。二人が結婚すれば本当の家族になると思っていた泰樹と、すでに本当の家族だと思っていたなつとの想いは激しく行き違ってしまう。照男もまた、なつのことは妹としてしか見れず結婚はあり得ないと言う。なつを慰め、約束通り天陽の家に行くように促す照男。なつは、冬の雪深い十勝で、スキーを履いて天陽の家を目指して出かけるのだった。
「前みたいになつと関係を築けなくなるかもしれない。それでも、何があってもなつを受け入れる。それが家族っしょ。」泰樹は、取り返しのつかないことをしてしまったと後悔していた。その頃日が暮れ始めたあたり一帯は、吹雪で荒れ始め、吹雪になる直前に剛男(藤木直人)も帰宅し、富士子(松嶋菜々子)たちはなつが天陽の家に無事着いているか心配していた。その頃なつは吹雪の中、泰樹とのことで気持ちに整理がつかないまま悲しさのあまり道に座り込み、寒さのなか道に倒れこみいつしか意識を失っていた。
その後意識が戻ったなつがいたのは阿川弥市郎(中原丈雄)と砂良(北乃きい)の暮らす家だった。